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アラカンの俺がセックス依存になった訳①

今年はいつ軽井沢にくるの?
妻からのLINE。
軽井沢にいつくるの?
は、
軽井沢になんで来ないの?
に俺の頭の中で自動変換される。
結婚25年。
妻の言いなりの人生。
資産家の次女に生まれた妻は亡父、亡母、亡姉からの相続で一生使いきれない金をもつ。
自宅も車も軽井沢の別荘も妻名義だ。
俺もその暁光にあやかっているというわけ。
妻の両親や親族の手前、そして子供達が妻の親戚の前で恥ずかしい思いをしないようにと、仕事は頑張ってみたが、副本部前という中途半端な地位から平部長に転落したのが49歳。
野球でいうなら9回2アウト、ランナーなし5点差の場面で誰が頑張る?
生活は妻の資産でなんとかなる状況なのにこれ以上頑張る必要なんてない。
だからこそ妻の言いなりは全く正しい選択なはず。
スマホのGoogleカレンダーを確認したが、この2週間何の予定も入っていない。
去年軽井沢の別荘は電波の入りが悪いauからdocomoに変えた。会社はリモートワークOKのくせに東京の自宅からじゃないと仕事禁止の謎ルールがあるが、俺が軽井沢で半年仕事してもこの環境ならわかりっこない。

「仕事がちょっと忙しくて、今年はそっちにいけないな」
俺はみえみえの嘘LINEを送る
妻も俺が暇なのは百も承知だ。
ちょっとすると妻から
「了解」
の2文字。
漢字で返してくるところに妻の秘めた怒りを感じる。
俺だってお前の召使いじゃないんだ。
そんな独り言を言いながら、スマホをいじっていると、
「熟年世代の出会いをサポート」
が、目に飛び込む。
今書いているエッセイのネタになるかもな。
そのアプリをスマホにダウンロードした。
これが俺がセックス依存になった元々のきっかけだ。

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