見出し画像

2020/01/18 淀川工科高等学校吹奏楽部 第48回グリーンコンサート

去年の春から大阪に長期滞在していて、
初めて、淀川工科高校(通称・淀工)吹奏楽部の
グリーンコンサートに行ってきました。

画像7

2020年は、1月18日(土)〜19日(日)の2日間で、それぞれ2回公演ずつ、合計4公演です。
僕が行ったのは、18日の18:30からの夜公演です。
これを書いているのが19日の19:00過ぎなので、そろそろ最後の公演が終わる頃ですね。
この公演をもって、3年生は引退となります。

この演奏会、3時間近く、たっぷりと楽しませていただきました。
ここに感想を書いてみたいと思います。

1曲目の「カーペンターズ・フォーエバー」。
僕も高校時代に、毎日先生に叱られながら、何度も何度も吹いた曲です。
四半世紀も前から演奏されてる曲だけど、全く色褪せない。
曲の素晴らしさとこの曲に惚れ込んでいることがビシビシ伝わってきました。

2曲目の「大阪俗謡による幻想曲」。
淀工の俗謡を聞くという念願が叶いました。
指揮は丸谷先生ではなく、淀工卒業OBで淀工教員の出向井先生。
所々ヒヤッとする場面もあったけど、丸谷イズムを受け継いだ指導者が出てきたのは嬉しいですね。
この曲は2年生(を中心とした)メンバーによる演奏でした。
淀工は初心者の割合が非常に高く、楽譜を読めない状態で入部する生徒さんも多いと聞きます。
楽器を持って2年も立っていない生徒さんも多い中、気迫のこもった素晴らしい演奏でした。

3曲目の「東京オリンピックマーチ」と4曲目の「陽はまた昇る」は、OB・OGの皆さんによる演奏でした。
去年卒業したばかりの子もいれば、結構年齢を重ねた方もいましたね。
世代の差はありながらも、こうして演奏会を通じて一堂に会して音楽を一緒に作り上げられる。
やっぱり音楽は素晴らしいですね。

続いて、1年生によるステージでした。J.V.ロースト作曲のコンサートマーチ「アーセナル」と、ディズニーの名曲を集めたメドレー。
1年生によるステージ、すごく心に残っています。
淀工といえば初心者で入部する生徒さんも多いのに、あれだけしっかり演奏していたのは流石です。
技術的には、まだまだこれからかもしれないけど、懸命に演奏していました。
この1年間、先輩たちの背中を見ながら必死に頑張ってきたと思います。
その成果を見せようと、精一杯演奏していて、その姿を見ているだけで目頭が熱くなりました。

1年生によるステージでは、楽器の紹介を兼ねて曲当てクイズの企画がありました。
それぞれの楽器を担当する生徒さんが、一人で曲を吹き、その曲名をお客さんに当ててもらい、正解したお客さんにグッズをプレゼントするという企画です。
2,500人で満席のホールでたった一人で音を出すのは心臓が口から飛び出すぐらい緊張すると思いますが、この経験が来年、再来年に生きるはずです。

ここで休憩をはさみ、後半のプログラムに入ります。

後半の部、プログラムでは大序曲「1812年」となっていますが、
なんと、世界的指揮者の佐渡裕さんがいらっしゃっていて、ステージに呼ばれ、「星条旗よ永遠なれ」を佐渡産の指揮で演奏されていました。
佐渡さんのお話では、以前にも「星条旗」で共演したことがあって、そのときは最初から超アップテンポだったそうです。
その話で、丸ちゃんが「お前ら、ちゃんと指揮見いや!」とツッコミを入れていて、めっちゃウケました(笑)
佐渡さんの指揮で演奏できるなんて、羨ましすぎです。

「星条旗」のあとに「1812」というのはあまりに酷ということで、
プログラムの順を変更し、「故郷(ふるさと)」が先に演奏されました。
「フェスティバルホールに新しく導入された電光掲示で歌詞を表示しますので、一緒に歌ってください」って言ってたけど、実際は歌詞を書いた大きな紙。
心のなかで「電光ちゃうやんけ!!」とツッコミを入れながらも、一緒に歌いました。
普通、「お客さんも歌いましょう」ってやると、だいたいダンマリしちゃうんだけど、淀工の場合は違いますね。
毎年通ってるお客さんも多いから、最初から歌声に包まれていました。

続いて、大序曲「1812年」。
1日目夜公演は、OB/OGの金管の皆さんと、なんと、伊奈学園総合高校の金管の皆さんが、バンダとして共演されていました。
伊那学園の皆さんの5列後ろくらいで聞いていましたが、目の前から聞こえてくるサウンドは、柔らかく、それでいて密度の濃い、伊奈学サウンドそのものでした。
私の記憶が確かならば、顧問の宇畑知樹先生もトランペットで演奏されていたような気がします。
宇畑先生は武蔵野音大をトランペット専攻で卒業されているんですね。
めっちゃ贅沢な時間でした。

そしてプログラム最後は、「ザ・ヒットパレード」。
往年の名曲から嵐の曲まで、歌と踊りを交えて演奏していました。
演奏が始まる前、司会の方がリハーサルの様子について、「そんな細かいところ、こだわるんかい!」というツッコミを入れてて、笑いが起きていました。
リハで「辛気臭い顔すんな!」って檄を飛ばす丸ちゃんが想像できますね。
お客さんも一緒に手拍子できるように、ステージ上の部員さんたちが笑顔で引っ張っていってくれるのがいいですね。

淀工の演奏会に初めて聴きに行きましたが、最初から最後まで本当に楽しめました。

毎年同じ曲にこだわるのも、吹奏楽やクラシックに馴染みの薄いけど長年聞きに来てくれる、地元のファンも楽しめるように、という意図もあるのかもしれませんね。
そして、最高の演奏を聞かせてくれるだけじゃなくて、お客さんも一緒に手拍子したり、サイリウムを一緒に降ったり、歌ったりして、楽しみながら、一緒に演奏会の空間を作っています。
こうしてお客さんも一緒にその空間を作るというのは、僕が7年近く前から応援している、ももクロ(ももいろクローバーZ)のライブにも通じるところがあるような気がします。

淀工といえばコンクールでの成績が目立つけど、コンクールに出れない部員が100人以上もいるのに、あんなに素晴らしい笑顔でステージに立っているのに心を打たれました。
普段から、地元の人やファンの人が楽しんでくれるのを一番大事にしているんですね。

演奏会の最後で、ステージの最前列に3年生全員が並び、丸ちゃんが「今年の春めでたく卒業「見込み」の者たちです」と紹介していました。
その後、丸ちゃんが、不器用な子達だけど努力は日本一だとおっしゃっていて、その言葉に心を打たれました。

その言葉が示すように、今回の演奏会は、若さあふれる高校生らしく、ハツラツとして爽やかな演奏でした。
ステージ上で演奏する生徒さんたちの、なんと楽しそうなこと。
初めて淀工の演奏会を聴きに行きましたが、生徒さんたちのまっすぐな姿勢に感動しました。

淀工のファンに仲間入りさせていただいて、他の演奏会も、来年以降も、また聴きに行こうと思います。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?