ユーロ相場に変調の兆し有り

ドル円現在105.97〜106.00
レンジ予想105.60〜106.60
ゲストソシエテ・ジェネラル銀行 鈴木恭輔さん

今日はパウエル議長の発言に注目があると思う。これまでのハト派色を緩めるような発言が出ればドル高に触れ易い局面も出てくるとは思う。

キャ)今日の注目ポイントはどういった内容か?

先週発表されたユーロの欧州PMIは、コロナ感染者数増加拡大の懸念もあって市場予想を大きく下回った。欧州復興基金への合意への期待という側面も結構あったが、ただこの衝撃はかなり強く、ユーロ相場にも大きく影響を与えている状況だ。
チャートを見ると、これはユーロ圏エコノミックサプライズ指数だが、これが上に伸びると経済指標が市場予想を上回る傾向という事になる。今、こことユーロの名目為替実効レート重ねてみると、5月からのユーロ相場というのはエコノミックサプライズ指数に沿う形で強い上昇をしていた。ユーロドルも1.2の大台一歩手前までに達した、見せていた訳だが、経済指標が下振れてしまった為、ユーロ高の地合いが一服している状況だ。

キャ)そうなると今後のユーロの動きを見る鍵はどう御覧になるか?

短期的には、アメリカ経済との差が広がるかどうかという所も重要なポイントになってくると思う。
次のチャートは先程のエコノミックサプライズ指数をアメリカとユーロ圏で比較したものだが、今まではアメリカが堅調に経済指標を推移していた所に、ユーロがキャッチアップする動きがあったのだが、それがしゅうそくしてしまっている状況である。アメリカに対して欧州の指標の相対的な弱さが足元では目立っているという状況。来週にはアメリカの雇用統計の発表が控えているから、これで強い数字がもし出れば返りがより意識される事によってユーロ安が進行し易くなるという事も想定しておくべきと思う。

キャ)ユーロ安進行した場合だが、ユーロの下値目処はどの様に御覧になるか?

ユーロドルで言うと、5月からの上昇のトレンドチャネルがあるが、この下限域になるのがおおよそ1.17近辺、ユーロ円になると逆算するとおおよそ124円台、この辺りを保てるかというのが来週一杯の争点になってくるかと思う。