離脱協定の行方

ドル円現在104.73〜104.74
レンジ予想104.40〜105.30
ゲスト三井住友信託銀行NY 持田拓也さん

昨日は、イギリス中銀決定会合にてマイナス金利導入について議論された事で英金利は低下しポンドも一時下落、米金利もつられて低下した為、ドル円も下落し104.53を一時示した。本日は日本の大型連休を前に下値を拾う動きも入り易く、下落余地は限定的と見ている。

キャ)注目ポイントについては?

足元ポンドは軟調な展開が続いているが、それはブレグジットによるものだ。先週は、以前EUと合意していた離脱協定について矛盾があるとして突然その協定案を変更する法案を作成、その合意を反故にする一貫性のない対応にEUは反発している。EUとイギリスの間の絶対に譲れないデッドラインが双方の譲歩出来るレベルを掛け離れている事から、引き続きこの状況は継続すると考えられる。

キャ)という事は、ポンドは引き続き下落するとゆう事か?

そうだ。EU離脱を巡る交渉は10月中が期限と見られているが、交渉の行方を巡りポンドドルは不安定な動きを続けると見込んでいる。昨年交渉がもつれた際は、1.20まで下落しており今回も1.20が目安となるだろう。ただし、昨年と比べるとドルが大きく下落している為、それを加味するとポンドの下落余地はそこまで大きくないと見る事も出来る。最も、交渉が決裂し貿易や他の分野で禍根を残したまま12月までの移行期間を終了した場合、昨年までは懸念のみであったイギリスの実態経済の悪化が、今回は実現する事になる為、これらの昨年の基準を大きく割り込んで下落する可能性もある。