104円は抵抗線

ドル円現在104.95〜104.96
レンジ予想104.80〜105.40
ゲストニッセイアセットマネジメント 松波俊哉さん

キャ)FOMCの反応と今日の見通しは?

FOMC後のドル円の反応はドル安だったが、ユーロドルではドル高と反応が異なり、明確な方向感を決め兼ねている印象だ。他方で米金利の反応は上昇である点を踏まえると、本日の円高進行は限定的に留まるとみている。

キャ)今日の注目ポイントだが、104円を超える円高は想定し辛いという事か?

そうだ。理由は二つ。
一つは米国の追加緩和の緊急性が後退している面だ。FF金利先物とドル円の推移を見ると現状のFF金利先物の水準は、ドル円が7月末に104円台前半をつけた時の水準と比べて追加緩和期待が後退している。この環境ではドル安期待も薄く、104円割れをトライするにはやや無理があると考える。もう一つ。
菅政権は、アンチ円高色が強いと見ている。
安倍政権自体、急速な円高局面で日銀、財務省、金融庁からなる三者臨時会合を開催して円高を牽制してきた。過去の会合の開催時期というのはドル円が日銀短観想定為替レートから4円前後円高方向に集中しているのが見てとれる。昨年以降は概ね104円前後で開催されており、この水準近辺では警戒感が台頭するだろうと見られ、円高抑止力と言えそうだ。

キャ)逆に円安が進行するとした場合、その材料は何があると考えるか?

開催が視野に入って来た衆議院選挙で、自民党が大幅に議席数を増やす事だと思う。グラフは過去6回の衆議院選挙前後のドル円の推移だが、選挙月のドル円を100円とすると、この内二回は自民党が大幅に議席数を増やして結果円安が進行した。逆に大敗した場合は円高だった。選挙は水物で予想は困難だが、支持率の高さもあり自民党大敗シナリオは考え難いと見ている。