Ubuntu 18.04LTS on RYZEN 5 2400G

はじめに

今年になって、ずっと使っていたHaswell Core i5のWindowsマシンの調子が悪いので、マシンを新調しようと思いたち、ちょうどRYZENのAPUも発売になっていたので組んでみました。OSどうしようかと考えて、いっちょUbuntuデスクトップでも試してみるか、と組んでみたところ、自分の組んだ環境でハマったので、なにをどうやってどうなったかを書き捨てておこうと思います。ハマらずすんなり動かせてる人もいるようですので、どこに差があるのかチェックする際の下敷きにしてもらえればいいかなと思います。

サマリー

・自分が組んだRYZENマシンにUbuntu serverを入れた。
・そのあとubuntu desktop環境を整えた。
・headlessだと全然起動しない。何度試してもカーネルが起動中に詰まる。
・PCIeスロットにGeForceを挿すと起動する。(しょぼいので4K出ない)
・しばらくこの状態で使っていた。
・AMD公式からRadeon Vegaのドライバを入れる。GeForce抜く。
・2回起動失敗したが3回目は起動した。(4K出た!)

構成

・AMD RYZEN 5 2400G
・ASRock X370 Gaming-ITX/ac
・CFD CT16G4DFD8266.C16FD1 (DDR4 16GB)
・SAMSUNG 970 EVO 250GB (NVMe SSD)
・Ubuntu 18.04.1 LTS server (4.15.0-32-generic #35 -Ubuntu SMP)

組み立てとOSインストール

まずはせっせと組み立て。実はDIMMは2枚組を買ったんですが、面積の狭いMini-ITXマザーボードとDIMMの高さとAMD純正ファンの大きさがそれぞれ自己主張をかました結果、APUのすぐ隣のスロットに挿した方のDIMMを認識しないというオチが待ってました。以後現在に至るまで1枚で運用しています。

組んでから気づいたのですが、このマザーボード、画面出力がHDMIしかない模様。DisplayPortがあったかは未確認ですが、どちらにしても食えるモニターがない。VGA変換持ってるから試してみるか、という感じでありました。まずはBIOS画面でも拝むか、と電源を入れる。電源LEDつく。CPUファン回る。まったく画面が出ない。あれー? おかしいな、変換アダプタの相性かな、別のアダプタ買ってきて試すか。とかやるもののやっぱり出ない。よくわからんのでひとまず予備として持ってるGeForce挿して、そっちに変換アダプタを挿すと、映る。ぐぬぬ。HDMIには電源供給のあるものとないものがあるとのことなので、その関係かもしれません。

USBメモリにUbuntu-18.04-server-amd64.isoをべたっと書き込んで、そこから起動。難なくインストールが終わる。よし、じゃあ、GeForce抜いてしばらくそれでリモートログイン運用してみるか、とやってみると、なぜか起動しない。いつまでたっても外からログインできない。モニターなしのまま観察したところ、電源オンすると少しの間NumlockのLEDがキー入力に反応するのですが、そのうち反応しなくなることが判明。ここまで観察して、APU内蔵ビデオがちゃんと動かないのではないかという疑念が。BIOS設定画面でいくらかパラメータをいじってみたけど変わらず。

他もそうなのか、自分だけの問題なのかよくわからなかったのでWebの海を漂ってみたところ

・動かない。Ubuntuはあきらめましょう、という海外フォーラムの書き込み
・4.17rcなら起動失敗けっこうするけど成功したら安定してる、18.04.02を待て。待てないならrolling updateすべし、という海外フォーラムの書き込み
・なにもひっかかることなくすんなり動かせているようにみえる日本語の記事

くらいのものがひっかかったのですが、rolling updateするのもなあ、と思い、GeForce運用でいくことにしました。

HDMIモニターをつけて観察

普段使っていたモニターはVGA・DVI・S-VIDEOみたいな感じの少し前の世代だなとわかるような入力端子を持つ製品で、地デジが終了するよ! というシールが貼られてたのをそのままにしてるくらいなので結構古いのがそこからもわかります。そういうこともあって、HDMI端子を持ったモニターを買うことにしました。せっかくだから4K! あまぞんぽちー。

で、GeForceをどけて、マザボのHDMI端子にモニターをつなげて電源を入れると、ASRockロゴが! 出た! やっぱり変換アダプタの不調かー。で、そのままUbuntuの起動……コンソールにだーっと流れるカーネルのメッセージがぴたっと止まり、そのまま。何度やっても止まる。停まったときのメッセージは同一じゃなく止まる箇所がバラバラ。これか……。どうしようもないなあ。ということでいったんあきらめて、GeForce運用は2ヶ月ほど続くことになりました。

AMD公式のドライバを入れる

昨日(8月21日)、状況に変化あったかな? と思い、再度Webを検索すると、海外フォーラムとかには新規情報が見当たらなかったのですが、日本語の記事が一つ新たにヒットしたので(2ヶ月前は見落としてただけかも)、読んでみました。
https://zigsow.jp/review/620/348894
いわく、AMD公式からRadeon Vegaのドライバを入手してインストールしまましょう、と。なるほどそういえば公式のドライバって発想してなかったなー。ということで入れてみました。いま公開されてるバージョンはインストールするとDKMSにつっこまれてたので、カーネル入れ替えのたびにアンインストール・インストールを手でやる必要はなさそうです。

動いた!

電源切って、GeForce抜いて、マザボのHDMIにモニター繋いで、いざ、起動! 詰まる。drmがどうとかいうメッセージが出たあと。うーむ。もう一度! 詰まる。さっきと違うところ。うーん。海外フォーラムで確率低めって書いてあったしもう一回! ……おお、起動した! GUI! 4K!! ということで、rolling updateせずに動きました。現時点ではそのままリブートなどせず動かしています。リブートしたらまた詰まっちゃいそうなので迂闊にリモートからshutdown -r nowなんてことはできません。しかたないね。

最後に

日本語で書かれた記事でRYZEN APU + Ubuntuを動かしてみたという記事、どちらもトラブルらしいトラブルに遭遇してないように読めるんですが、自分の環境と何が違うのかが少し謎です。最初に入れたのがUbuntu serverなのがよろしくなかったのだろうか?
なにかご存じの方、あるいはこういう環境で動いたのでここが怪しいのでは? などの情報がありましたら、お知らせいただければ幸いです。

2018年8月22日公開

追記

流れは上のとおりなのですが、GeForceを使って生活していた2ヶ月の間にUbuntuのカーネルアップデートがあったことについて言及できていませんでした。つまり、ドライバインストールせずに試しても現時点だと同じような結果になっていたかもしれません。検証するかどうかは気まぐれなのでなんともいえませんが、気が向いたらやってみようかと思います。

また、日本語記事の一つを書かれたいくやさんから、コメントをいただきました。現状安定されてるそうです。率直な感想は、うらやましいです。うちの環境もそうありたいです。

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