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仏教に学ぶ生き方、考え方「報恩講さんに思うこと」

 真宗では、一年で一番大切な行事である「報恩講さん」が勤まっております。

 我が宗派のご本山でも、親鸞聖人の御命日である十六日に向けて、徐々に賑わいを見せております。

 「報恩講さん」は、年回法要や永代経法要とは違い、親鸞聖人の教えに感謝を申し上げる行事です。

 ですので所謂「弔う」というものではなく、「めでたい」行事なのです。

 なので蝋燭の色も「赤」になります。

 ではどうして、報恩講さんは一番大切な行事と言われるのでしょう?

 それは、例えば近しい人が亡くなると、「悲しみ、苦しみ、迷い」の心が起こり、不安の気持ちが膨らむものです。

 「もっとこうしてあげればよかった」「どこかで迷っていないだろうか」と心配する方もお見えになるやもしれません。

 そこに、「祟り」「仏罰」のようなことを聞くと、不安が増し、後悔、恐怖、不安の心が大きくなるものです。

 でも真宗では阿弥陀如来様の「摂取不捨の御利益」(せっしゆふしゃのごりやく)により、誰もが等しく極楽浄土に救われるのです。

 なので、亡くなった方は、みな「極楽浄土」でゆったりと過ごされております。

 その上、仏様になられて、私たちに「願いの光」を届けていてくれるのです。

 私たちはただ手を合わせてお称名(南無阿弥陀仏)をお唱えし、その光を頂くだけでいいのです。

 そんな素敵な教えに「ご縁」をいただけたら、きっと誰でも感謝を申し上げたくなると思います。

 なので、「御恩に報いる集まり」つまり、「報恩講」ということになります。

 つまり、近しい人が亡くなったり、辛い経験をしたりして「苦しみ悲しんでいる心持ち」から、「御恩に感謝できる心持ち」に変わっていくことが大切であり、それが真宗の大きな目的となるのではと思っております。

 法要を勤めたり、お説法をお聴聞したりして、今ここに生かされていることに感謝をされる方が一人でも多くなることを願っております。


☆今日の一句☆

 迎えよう
    感謝の心で
        報恩講
        


 

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