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仏教に学ぶ生き方、考え方「お性根と墓じまい」

 新しくお墓を建てたり、仏壇を誂えたりすると、「お性根入り」という法要をいたします。

 逆に仏壇や墓を仕舞うときには「お性根抜き」の法要をします。

 では「お性根」とはいったい何なのでしょう?

 一般的には人がなくなると「霊」となるとされております。

 この霊は、それ自身は軽くて形があってないようなものなので、何かに「憑いたり入ったり」しないといけません。

 居場所がないと「浮游」してしまいます。

 なのでお仏壇やご位牌やお墓にお勤めをしてちゃんと「入ってもらう」わけです。

 そこでちゃんと「根を張って」いていただくことが「お性根入り」ということになります。

 ところが浄土系の宗派では、亡くなられるとすぐに阿彌陀如来様に救われて「極楽浄土」に再びお生まれになるとされております。

 なのでこの世に霊となって「いつまでも」いるわけではないのです。

 つまりお性根入りの法要は、「霊」に入ってもらうのではなく「仏様」に入っていただくための法要ということになります。

 そしてお参りする人は、お仏壇やお墓を通して、極楽浄土におられる皆さんに「想いをいたす」わけです。

 最近、「仏壇じまい」「墓じまい」をされる方が多いとお聞きします。

 個人的には「本当になくしてもいいんですか?」と言いたくなりますが、これも世の中の流れなのかもしれません。

 その時には今までお世話になったお墓に感謝を申し上げ、極楽浄土にお見えになるご先祖様への「感謝の気持ち」をいつまでも忘れないようにしていただきたいものです。


☆今日の一句☆

 墓じまい
    仏の想いは
        仕舞わない


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