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干支

祖父の名が、『龍巳』(たつみ)。

名前の由来は、干支。

龍は、架空の生き物。

巳は、蛇や蛟(みつち、みずち)。

伝説上の生き物。

蛇足ということわざをご存知だろうか?

だそく。

絵描き達が、蛇の絵を描き、一番に蛇を描いた者が、酒を飲めるという話しだ。最初に蛇を描き終わった者が、蛇に足を描いて、次に蛇を描き終わった者に、それは、蛇では、ないと指摘され酒を飲めなかったお話し。二番目に蛇を描き終えた者が、酒を飲んだとされている。

このことわざの解釈は、いろいろだ。

酒呑みなら、やる事をやってすぐに酒を飲めば良かった、と、考えるだろう。

通常の学校授業でもそんな風に、習った記憶がある。

いったい何を描いたのか、については、誰もなんとも思っていなかった。

龍については、子供の頃から考えていた。

空想架空の伝説上にしか存在しなかった生き物。

西洋にも東洋にも、数多くの伝承が、残されている生き物。

絵描きが、足を描いた蛇は、それから、どうなったのか?

描き足していけばどうなるのか?

周りの誰も考えようとしない事が、不思議だった。

後年、周りにいる者達が、ヒトだ、という事にようやく、気づいた。

普通に生きるとは、周りに合わせて生きる事。

ヒトのフリをして生きる事。

ヒトのコスプレをして生きる事だった。

ジンガイである事を封印して、結婚した。

そして、離婚により精神が、《ナ》くなった。

『正しさ』『男』『龍』『1223』


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