在りし日の嘘
ウォーキング。ウォーキング。
腕を大きく振って、今日もまた、私は日課を愉しむ。いつも決まって夕方5時。雨上がりの汗なのか湿気なのかよく分からないけれど、それでいいの。今は梅雨だもの。
くせっ毛はヘヤバンドで留めて、汗をいっぱいかくためにピチピチのスポーツウェアを身体に張り付かせるの。その全部がビビットなカラーで、みんなは注目しがち。選んだのは全部あなた。この池の周りを走ろうよって誘ったあなた。
「ちょっと動いたぐらいで、そんなに息切れして。こりゃ俺の方が長生きだな。」
最後の嘘はそんな言葉。あなたの分まで、時にはあなたの所へ急ぐように、ウォーキング。また、ウォーキング。
今のところサポートは考えていませんが、もしあった場合は、次の出版等、創作資金といったところでしょうか、、、