見出し画像

have to be kind

日が昇る
アラームが聞こえたら
アラームを消す
消すまでの間が
短ければ短いほど
時間は進まないし
日は昇らない
今日の自分が歳を取らぬように
若くいられるようにする工夫だ

次に目を開ける時には
カーテンの隙間から
光が強くみえるだろう
これまでもそうだった
確かめたくなくても
確かめざるを得ない

一人
孤独
気だるさ
あきらめ
パジャマにまとわりつく
種々の成分を手で払いのけようとする

昨日の後悔
今日の不安
明日の虚い
もっと昔からの重し
顔を洗えば体感温度は散らせる

自分を引き剥がす自分と
自分に囚われた自分と
自分自身と
それぞれが楽になるように祈る

車のエンジンは
天気の良い日も悪い日も
変わらぬ風情で咳払いする
どこへ行こうか?
問いには答えない

MAPが行先を示す時
GPSが視神経を使い始める
監視のためではない
彼らも仕事だ
プライベートには付き合わない

ハンドルを右に回し
左に回すうち
今日の目的地は合っているだろうかと
疑念で胸がざわつく
もっと人の多い所へ
もっとノイズの多い所へ
自分を隠してしまわないか?
yesとno
メーターがバラつく
逃避行が意味を持つこともあれば
自分を消費して損傷することもある
逃げしろは短く保て、、、
目的地は変わらぬままでいい

深呼吸する
気温に合わせて上着を脱ぐ
パスタを食べる
ホットコーヒーを飲む
ゲームセンターを通り抜ける
ボウリングの音を聞く
書店の間取りを蛇行する
カフェラテを買う
シアターに身を任せる
深呼吸する

たったそれだけのこと
たったそれだけの時間
たったそれだけでも
充分だと言って聞かせる
左胸をさする
胃のあたりを温める
両耳を包み込む
自戒と自解の狭間
気休めと労りの不均衡

今のところサポートは考えていませんが、もしあった場合は、次の出版等、創作資金といったところでしょうか、、、