ハンドウイルカは沿岸と沖合で分化
Costa, A. P. B. et al. 2019. Ecological divergence and speciation in common bottlenose dolphins in the western South Atlantic. Journal of Evolutionary Biology DOI: 10.1111/jeb.13575.
ブラジル沖のハンドウイルカの遺伝的、頭骨形態の変異を調査。沿岸と沖合で明瞭な違いがある。遺伝的な差異は大きくはないので、最近の分化。頭骨の形態でも明瞭に区別される。
現在の遺伝的な基準から、両者は亜種とするのが良いだろう。
北大西洋のものを含めたネットワーク図では、沖合タイプには共通のハプロタイブがあるが、沿岸型同士は大きく異なっている。
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これはマイルカで見られる状況と似ている。沖合のものからそれぞれの場所で沿岸型が分化していっているらしい。
形態解析は主成分分析だけで、どこが異なっているのかがわからないのがいまいち。沿岸では南ハンドウやマイルカのように吻が長くなっていたりすると面白いのに。
いずれ、かつて沿岸から沖合への生息場所の移動があったはずで、それがまた沿岸に戻ってくるものがあるというところは、興味深い。もともと沿岸性の種がいないところの方が、このようなことが起こりやすいのか。沿岸性の種がいるところではそれを排除するのか、どうにかして共存するのか。種間の関係も興味深いところだけど。
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