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政治に興味をもとう

政策効果を検証できない国の事業が乱立しています。毎年度の収支や進捗を示す行政事業レビューシート1405事業を日経が点検したところ、そもそも最終目標がない事業が157事業、終了年度の成果目標を示していない事業が3割強の444事業に達しました。うち192事業は最終目標を事業終了後に、95事業は期間途中の目標しか設けておりません。予算の適正さと費用対効果を判断する基準がなければ財政規律は緩みます。各省庁が予算獲得に満足し検証を軽んじる姿勢が浮かび上がっております。
 
例えば経産省が2016年に始めた電気自動車やハイブリッド車の購入費補助事業は、最終年度が2025年にも関わらず、目標の達成時期は2035年に設定しています。予算は累計766億円。毎年度の電動車比率は35%前後の横ばいです。
キャッシュレス決済のポイント還元事業は2019年10月~2020年6月までの期限で、目標は2025年のキャッシュレス比率40%。一方2020年度は約30%と2年で6ポイント上昇しましたが、支出は6330億円と当初予算の2.3倍に膨張しております。2020年度の目標はなく、費用対効果は不明なままです。
 
アメリカでは、1993年に成立した政府業績成果法で、各省庁に5年先の政策目標を3年おきに定めることを義務付けています。これを1年ごとの具体的な目標に落とし込み、達成状況を検証する必要があります。業績の計画書や成果報告書は予算教書をまとめるホワイトハウスの行政管理予算局のチェックを経て、予算を審議する議会に提出されます。2010年にはオバマ政権下で運用を見直し、各省庁が目標未達の政策は改善計画を作る仕組みを導入しました。3年連続で未達成であれば予算削減を検討します。
フランスでは政府方針ごとに設定した目標や政策実施後の成果を議会に報告し、予算配分の判断材料にしています。 
 
目標があるかないかで、その事業の進捗度合い、真剣度合いが大きく異なるのは皆様ご存じの通りです。また、目標があったとしても第三者のチェックがなければやはり自分に甘くなるのが人間です。上場企業は株主総会で当期の目標を株主に公表し、四半期ごとに結果を発表することで株式市場の評価を受けています。また虚偽表示がないように、監査法人のチェックも受けています。資金受託運用責任をしっかり果たすために、このような目標、チェック体制が敷かれております。
 
なぜ国は例外となるのでしょうか?我々の税金を集めて日本のために使うべきなのが、事業であり補助金、助成金です。Go to トラベル等多額の予算を計上したにも関わらず、実行されず繰延になっている事業もあります。自民党の参院選の票集めのために、年金受給者に5000円配るために税金を取られているわけではないのです。
 
Japan As No1を復活させるためには、政と経の両輪が回ることが必要です。経済界だけがんばってもコロナ対策のように政治がこけると、結果としてダメです。政治のチェック機能の責任は国民にあります。
源泉徴収で税金を払っている感がないのが一番の問題かもしれません。税金支払い額と同額を株式に投資していたらきっとその株価はチェックしているはずです。まずは政治に興味を持ち、自分達の税金が何に使われているのかを知ることから始めましょう。ぜひ政治にも興味を向けてほしいと思います。


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