見出し画像

辛口に斬り、ツッコミます!!麒麟がくる4

※画像はNHKさんからお借りしました。

S 前回は、最終回の直前になる頃に、いきなり、「さて、本能寺の変の理由は、朝廷黒幕説、足利義昭黒幕説、豊臣秀吉黒幕説、徳川家康黒幕説、怨恨説のうち、一体、どれでしょうか?」と、視聴者に謎解きを持ちかけるかのような来週予告の構成が、まるで連続ミステリードラマのようで、あざと過ぎるよ、とご立腹でした。

M 三島由紀夫は、かつて、推理小説のことを「最後に犯人が分かると、それまで描かれてきた犯人以外の人物の描写が不要に思えて、つまらなくなる」という趣旨の論文を書いていた。
確かに、ミステリーは、最終的に上手く着地できないと、「な〜んだ、こんなつまらない結論かよ」と読者を落胆させる危険性があるから、NHKも、もう少し構成を考えた方が良かったかもね。

S 「新しい本能寺」ってこういうことだったんじゃないの?NHK的に。

M 「新しい本能寺の変を描く」という試み自体は評価に値するけど、最後の最後になって、オリジナルキャラの尺を短くして、急にミステリー仕立てにモデルチェンジしても、「時既に遅し」だよ(泣)
いくら、最初から犯人が分かっているにせよ、大河ドラマは、あくまでも大河ドラマであり、「刑事コロンボ」じゃないんだから、同じような扱いで謎解きを主眼にするのは止めてほしいよね(笑)
勿論、家康が、信康の切腹の件で、内密に、光秀に相談した史実なんて確認されていないからね(笑) 

S 全体として「情報の筒抜け」感、聞いた話をべらべらしゃべるよね、みんな。

M 仮に、光秀が鞆の浦へ出かけとしても、それを秀吉に話すはずがないよ。あまりにも非常識な脚本だね(笑)
それに、いくら平蜘蛛のスパイの件があるにせよ、いきなり、光秀が秀吉に対して居丈高な態度を取るのは変だよね(笑)
最終回に向けて、無理矢理、光秀と秀吉の対立関係を描こうとしている脚本に、一般視聴者は違和感を覚えないのかな?

S 確かに同じ家臣で、そんなに対立するかなというのはある。まあでも、みんな最後は、秀吉が光秀を討つというのは知っているし。

M 一般視聴者は、むしろ、「ダークな秀吉は新鮮」みたいな感想を書き込んでいる人が多いようだけど、私には唐突な物語展開としか思えないよ(泣)

S まあ、やりすぎるトップ、裸の王様になかなかつける薬はないからなー。

M 現代なら、暴走するワンマン社長に対して、長年、苦楽を共にしてきた専務や常務が遂についていけなくなり、最後は、取締役会で電撃的に社長解任動議を出し、合理的にクーデターを起こすところだけど、当時のクーデターは暗殺しかないから、物騒だよね(笑) 

S でも結局、みんなに背中を押されて、光秀が代表で信長を討った感じ。

M そうね。最終的には、帝、将軍、家康、帰蝶から、よってたかって、信長暗殺を後押しされ、謀反には成功したものの、秀吉にまんまと討ち取られ、結局、一人で貧乏籤を引いたという、お人好しの光秀という構図を目指しているのかな?
だとすれば、何故、そんなに皆で、わざわざ危ない橋を渡るように、光秀をけしかけたのか、その辺りの描写が足りない気がする(泣)
もし、光秀による謀反が失敗したら、のちのち、自分が謀反を示唆したことが発覚したときに、ただでは済まないよ(笑)

S そうだよな~。怖い、怖すぎる。

M それこそ、生き延びた信長が逆上して、一族郎党、皆殺しの憂き目に遭うことは間違いない(泣)
皆、自分の手は汚さないように、安全地帯にいたまま、光秀を謀反へと駆り立て、漁夫の利を得ようとしたということだけど、そんなに上手く行くわけがないよ(笑)
一般視聴者は、既に本能寺の変という結末を知っているから、「ふむふむ、成程」と思って見ているかもしれないけど、当時、信長の臣下の武将が信長暗殺計画を練っていることが分かれば、一体、どうなるか、すぐ想像できそうなものだけどね(笑) 

S そんなリスクマックスの中、菊丸は、自分の身が危ないにもかかわらず、よくも、また京都へノコノコとやって来たもんだね(笑) 

M アガサクリスティの「オリエント急行殺人事件」じゃあるまいし、「実は犯人は乗客全員でした」に近いオチにしようという魂胆だとすれば、あまりにも安易だよね?(笑) 

S 菊丸で思い出した。今回は、流石に、マチャアキの出番は無しだったね。

M よもや、最終回に、本能寺の変のあと、駒と東庵医師が、二人で光秀のことを語らっているシーンで終幕という最悪のパターンだけは避けてほしいけど(笑) 

S ふと思ったけど、今回は登場しなかったけど、秀吉の母親は全く不要だったな。NHKも、何を考えてるんだか…(泣)

M 何も考えてないんじゃない(笑)
菊丸が家康の間者かどうか探るために、秀吉の母親を東庵医師の所へ通わせたなんて弁解は、いくらなんでも通用しないよ。

S 最後に来週に向けて一言どう?

M  次回予告でチラッと見えたシーンが、光秀が家康の饗応役で失敗して叱責される場面だとすれば(史実ではないが)、これは本能寺の変の直前の出来事。
家康の嫡男・信康が自害したのは、1579年秋だから、またもや、僅か1話で、3年近くもの時間が経過することになる。

S じゃあ、光秀は3年間も悩みを抱えながら生きるってこと?

M そう。つまり、来週の物語展開としては、前回の終わりから3年近く、光秀は、帝や将軍、家康の言葉を胸に秘めたまま、悶々と悩んでいて、最後に、家康の饗応役の際の叱責が引金となり、一気に爆発するという流れが予想される。
3年間も悶々としている生真面目な光秀…
NHKは、バカボンのパパみたいに、「これで良いのだ!」と言い張るつもりなのかな?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?