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安らかに眠りたまえ #敦賀原発2号機 #パブコメ 


基準不適合となった「敦賀原発2号機」に関するパブコメ 

福島第一原発事故を踏まえて設立された原子力規制委員会が、敦賀原発2号機は新規制基準に「適合しているとは認められない」とした審査書(案)について、パブリックコメントを募集している。

日本原子力発電株式会社敦賀発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(2号発電用原子炉施設の変更)に関する審査書(案)に対する科学的・技術的意見の募集について 締め切りは2024年9月28日0時0分 (9月27日(金)夜24時)だ。

原電社長は「出す」と

日本原電の村松衛社長は、8月2日、訴訟や異議申し立てを行うかと記者に問われ、「しないが、パブコメをしていただけたら出す」と述べていた。

この時、私の質問には、「今回の手続は、新規制基準に対応するための設置許可「変更」申請(補正)であり、もとの設置許可が不許可となるわけではない」旨を答えた(「敦賀原発はゾンビだ(感想)」に記録)。原子力規制庁担当官も、同意見だった。しかし、納得いかない。

敦賀発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(2号発電用原子炉施設の変更)に関する審査書(案)

審査で準用した条文に着目してパブコメを書いた

そこで、この審査結果(審査書案の最終頁)↑をもとに、「準用する原子炉等規制法第43条の3の6第1項第4号に適合しているものとは認められない」に特化して、パブリックコメントを今、出した。(コピペして共有するが、理詰めで書いたので(1)(3)(6)(7)の太字だけを読んでいただくとよいかもしれません)。

科学的、技術的な観点から順序だてて意見を述べます。

(1) 原子力規制委員会は審査の結果「原子炉等規制法第43条の3の8第2項において準用する原子炉等規制法第43条の3の6第1項第4号に適合しているものとは認められない」としています。

(2) 一方、原子炉等規制法第43条の3の6第1項(許可の基準)では、「原子力規制委員会は、前条第1項の許可の申請があつた場合においては、その申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない」としています。

(3) (1)で準用され、(2)で示した「第43条の3の6第1項」のうち「第4号」に書かれた「原子力規制委員会規則」とは「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」のことです。その規則第3条第3項「耐震重要施設及び兼用キャスクは、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない」に適合しているものとは認められないと、原子力規制委員会はこの度、判断しています。

(4) (1)の審査結果はつまり、敦賀原発2号機が、原子炉等規制法第43条の3の6第1項第4号に基づく規則第3条第3項「耐震重要施設及び兼用キャスクは、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない」に適合しているものとは認められないことになったことを示しています。

(5) 今回、日本原電が行った変更申請の審査の結果、準用されている「第43条の3の6第1項第4号に適合しているものとは認められない」とするならば、技術的には、最初の設置申請で許可された「第43条の3の6第1項第4号」に基づいても「適合しているものとは認められない」状態になったことを物語っています。

(6) すなわち、日本原電が、第43条の3の6第1項(許可の基準)に基づいて行った申請に対する設置許可は、「第43条の3の6第1項第4号に適合しているものとは認められない」となった段階で、科学的、技術的に考えた場合、その効力を失っていると考えます。

(7) 言い換えれば、敦賀原発2号機は、第43条の3の6第1項(許可の基準)に適合していない状態であり、設置が許可されていることは、科学的、技術的に見て、ありうるべからざることだと考えます。

【参考】今回の日本原電が行なった変更申請における審査で準用された条文
原子炉等規制法(許可の基準)
第43条の3の6 原子力規制委員会は、前条第一項の許可の申請があつた場合においては、その申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
4 発電用原子炉施設の位置、構造及び設備が核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止上支障がないものとして原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること。

実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則
第3条第3項

耐震重要施設及び兼用キャスクは、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない。

筆者が出したパブリックコメント全文

私の意見は要するに「ゾンビよ、安らかに眠りたまえ!」

要するに、変更申請と許可には、設置許可の基準が準用されているから、
変更申請が不許可なら、設置許可もないものと思うべきだ。
ゾンビよ、安らかに眠りたまえ!という意見だ。

【タイトル画像】

日本原子力発電株式会社敦賀発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(2号発電用原子炉施設の変更)に関する審査書(案)に対する科学的・技術的意見の募集について より

関係報道
敦賀原発2号機、初の審査不合格 規制委、再稼働認めず 
2024年8月28 共同通信 
敦賀原発の活断層に決着 「直下で動く危険あり」
2024年9月5日 共同通信 

関係する「地味な取材ノート」
2024年8月3日 敦賀原発はゾンビだ(感想)
2024年8月1日 基準不適合なら設置不許可:敦賀原発2号機

 


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