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母親有志が「マイクオフ」環境省の環境保健部長に辞任を要求:福島県民健康調査検討委

2024年5月10日に開催された福島県「県民健康調査」検討委員会(以後、検討委)の開催後、座長の重富秀一(一般社団法人双葉郡医師会 副会長)に要請文を読み上げる姿があった。要請は検討委の委員の一人、環境省の神ノ田昌博・環境保健部長に辞任を求めるもの。

環境省の神ノ田部長は、5月1日、水俣病患者の訴えの最中にマイクを切った現場にもいた(既報:水俣病患者「マイクオフ」の先へ)が、この日の検討委ではオンライン参加で会場にはいなかった。

要請を行ったのは検討委を見続けてきたお母さん。今回の水俣の「マイクオフ」報道を見て、自分に何かできることはないかと考え、「県民健康調査検討委員会を「検討」する会 」の発信ほかさまざまな活動をしている「はっぴーあいらんど☆ネットワーク」に相談をもちかけ、要請するに至ったのだと言う。
(「要請を行ったのは「はっぴーあいらんど☆ネットワーク」の母親有志」と書きましたが、正しくは上記の通り。5月13日、訂正してお詫びします)

要請の内容は上の写真および以下の通り(太字は筆者加筆)。重富座長は「私はコメントはできないので、これを事務局に渡して、渡してもらいます」と述べ、事務局である福島県保険福祉部県民健康調査課の菅野誠・主幹兼副課長が受け取った(冒頭写真)。

環境保健部長 神ノ田昌博様

私は福島県に住む子育て中の母親です。この度の出来事に対する深い憤りと心配を感じています。5月1日、水俣市で行われた水俣病の患者・被害者と環境大臣の懇談において、環境省の担当者がマイクを切り、患者団体代表らの発言をさえぎるという事件が起きました。この出来事は、多くの人々の怒りと憤りを引き起こし、結果として大臣が謝罪をされました。

今回の問題は、公害被害の救済を担当する環境省が被害者にどのように向き合っているのかを明らかにしました。長年にわたり苦しんできた被害者が、なおも認定されずに亡くなり、未だに多くの人々が苦しんでいる現実を直視せず、加害側の責任を回避する環境省の姿勢に対し、福島の未来を重ねて考え、とても不安になりました。

県民健康調査検討委員会において、環境省神ノ田環境保健部長が委員を務め学校での甲状腺検査を縮小させるよう提案し続けていることも、被害者救済とは正反対の姿勢ではないかと思っています。

福島県の子供たちの未来のためには、このような被害者に寄り添う心のない環境省の役人は不要です。そもそも、福島県の事業に対し、環境省は介入すべきではなく、環境保健部長の役職で委員になるべきではありません。県民健康調査の検討委員に神ノ田氏は相応しくなく、即刻辞めるべきだと思います

心からのお願いを込めて、

右から母親有志、重富座長、福島県保険福祉部県民健康調査課の菅野誠副課長

【タイトル写真】
2024年5月10日、「県民健康調査」検討委員会終了後の会場にて筆者撮影。

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