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Spotify 2024 Q2 決算サマリ

週に一度、デジタル音楽配信に関連したニュースで興味深いものを要約、紹介していきます。第一回は7月23日に行われたSpotifyのQ2(Apr-Jun)の決算発表の要約です。

有料課金会員数(Premium Subscriber)は、四半期内に700万人増えて、合計2億3900万人に。この有料課金会員の伸びは+100万人Forecastを上回る。

Spotifyの事業モデルは、広告付き無料(ad-supported)と有料課金会員で構成され、Monthly Active User (MAU)は6億2600万人。これはForecastより500万人下回る。

無料会員より有料課金会員の伸びが予想より大きく、収益性改善につながっている。Gross Marginは29.2%でガイダンスの28.1%より110 bps改善。

Spotifyはその15年の歴史の中で初めて有料会員価格の値上げを北米とEUで行ない、これが会員数の伸びと相まってPremium revenueの増加(22% YoY growth)に貢献している。この価格改定は、年内に他のマーケットでも行われる予定

コメント
Spotifyはミュージシャンへの還元金額が低いということでしばしば批判にさらされますが、これは広告付き無料会員のユーザーの比率が大きいため、その広告出稿金額を原資とした分配が低いことがその一因です。Spotifyは有料課金金額を上げつつ、有料課金会員を増やす、という施策にQ2は成功した、というのがこの決算のポイントです。これが継続的に進めば、原盤制作〜配信のレコード会社の売り上げはこれによりに上昇し、やがてはミュージシャンへの還元金額の絶対金額も増えることが想定されます。

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