世界でアニメ音楽の再生数が急上昇〜Spotify上で2021年から4倍近い成長
毎週、音楽産業のトピックについて英文記事を一つ選んで要約しご紹介する連載、第四回目です。今回はSpotify上でアニメ音楽の再生が伸びているというニュースを要約します。
アニメコンテンツの主題歌として関心を呼ぶことで、日本の音楽が世界に広がるがそのきっかけになっているのは周知の通り。今週Spotifyはアニメ音楽の急上昇について統計データを発表しています。Spotifyでは2021年からアニメ音楽の再生は395%増加し、670万のアニメ関連プレイリストがSpotify上で作成されている、と記事中にあります。
この発表はCrunchyroll(クランチロール)と共同でされたもので、ポッドキャストコンテンツCrunchyroll Presents: The Anime Effectのリリースとあわせての発表のようです。
Crunchrollはソニーグループが所有するアメリカ合衆国の定額制ビデオ・オン・デマンドのストリーミングサービス。主に日本のアニメを含む東アジアのメディアが制作した映画やテレビシリーズを配信。2024年時点で有料会員数は1,300万人を超えている。(Wikipedia記事を一部引用)
Sony Music JapanはこのCrunchrollに楽曲をライセンスして、日本国外に向けてCrunchrollというプラットフォームをハブにするという取り組みを昨年から行なっています。
また、最近ではUniversal Music Group(UMG)傘下のVirgin Music Groupも東京に拠点を置くFrontier Worksとアニメ音楽リリースの提携をしています。
AdoのOne Piece Film: Redでのサントラ音楽がUMGのレーベルGeffin Recordsから2022年にリリースされたのも記憶に新しいところ。
Spotify Japanによると、こうしたハブはアニメ文化にとって不可欠なものだとしています。また、Crunchrollとの連携によって、新しいアニメ音楽のキュレーションをリスナーにもたらす事を期待しているようです。
その他の補足情報として、Luminate社による調査では、日本語楽曲は世界のトップ1万曲のなかで2022年は1.3%のシェア、2023年は2.3%のシェアだという事です。
アニメというカテゴリーで映像作品とのシナジーで楽曲再生が伸びてはいるものの、日本楽曲のプレゼンスはまだまだ低いようです。それ故、アニメ配信のプラットフォームとの連携は日本のレコードレーベルとしては重要な施策といえます。
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