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コンピューターグラフィックスと35年【3】

中学に上がり、美術部に入ってちゃんと絵を勉強するようになります。
と言っても、今でも覚えているのは水張りの仕方くらいですが…。

脳を騙す遊び

美術部に入ったとはいえ、自由に絵を描いていたと言うよりはお気に入りだった画家、エッシャーマグリット2人の作品のよく模写していました。
単純に作品が好きだったわけですが、なんで好きだったのかを考えみると錯視とシュルレアリスム作品による脳が騙される感覚に快感を得ていたんだろうなと思います。
ちょうど同じころステレオグラムブームがあり、同級生とハマってステレオグラムの本を読みまくり、とにかく脳を騙しまくってた時期でした。

パソコン生活再び

校舎の建て替えがあり、中学2年から新校舎にパソコンが入りました。
PC-9801の型は忘れましたが、とりあえずついにPC-98、そしてMS-DOSが触れるようになりました。
ハードディスク内蔵、フロッピーディスクは3.5インチ(PC-88は5インチ)、自分には未来のパソコンです。
パソコンのある日常が戻ってきます。

CGとエッシャー

美術部の顧問の先生が割と新しい物に関心がある人だったので、美術部としてパソコンが使えていました。
パソコンに入っていたグラフィックソフトはZ's STAFF Kid98(ツァイト)
調べてみると結構有名なソフトだったと言う事を今になって知ります。

先生はパソコンで絵を描く手法として平面充填(テッセレーション)の描き方を教えてくれました。
同じ図形を繰り返すのでパソコンで描くには最適な手法でした。

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これに錯視を加えたものがエッシャーのメタモルフォーゼです。
エッシャー好きなのを知っていて教えたのかわかりませんが、ひたすらテッセレーションのイラストを描いていまいた。
(久しぶりに描いたら完全に描き方を忘れていて、動物型にする事も出来なかった…)
そして、これがどちらかと言えば数学の分野であるという事には全く気づいていません。
もし、これを教えてくれたのが数学の先生で、図形を数式で描くようなプログラムを教えてくれたら、また別の道に進んでいたでしょう。

デザインの道へ

進路を考える時期になり、高校の「普通科」と言うものに進むのが嫌だったので(何が普通なのかわからなかった)、手を動かす事が好きだったということもあり工業高校の機械科に行きたいと言うような話を進路相談ですると、デザイン科と言うものがあると、そして絵を描くだけではなく形を考える工業デザインと言うものが世の中にはあると言う事を教えられます。
それは都合がいいということで、進路はデザイン科に即決です。
更に都合よく、県内にはデザイン科は3つあり工業デザインを扱っている高校もあると言うことで、そこに決まり…と言うわけには行きませんでした。
当時住んでいたのは川崎市、デザイン科がある高校は川崎市、横浜市、小田原市でした。
小田原は通うには遠すぎるので除外、横浜の高校では工業デザインが学べるらしかったのですが、川崎の高校は自宅から自転車で通える上に、3DCGが使える!(パンフレットに載っていた)と言うわけで、妥協と誘惑に負け自宅から一番近いデザイン科の高校に進学します。

3DCGの時代

高校に入学したのは1995年。
この時代でも一番身近なコンピューターグラフィックスゲームでした。
94年に32bitのコンシューマゲーム機が発売され、ポリゴンを扱った3DCGのゲームが徐々に増え始めます。
我が家では新しもの好きの父親がいち早くとある32bitゲーム機を購入しました。
ちなみに、この時自分はこのゲーム機を購入する事を止めました。
その後すぐにプレイステーションやセガサターンと言った大物ゲーム機が発売されることを知っていたので…。

https://www.youtube.com/watch?v=VidTOEzO5fI

ゲームによって3DCGに触れる機会が増え、自分でも作ったり出来ないかと思い始めます。
デザイン科が使うパソコンはMacのPerformaシリーズで、グラフィックデザインのためにPhotoshop(ちなみにVer3)は入っていても3DCGソフトは入っていません。
しかし別の教室の教員用パソコン、しかもPowerMac G3(ポリバケツの前の世代)にだけ3DCGソフトが入っていました。
今や検索しても日本語のページはほぼ出てこないInfini-Dです。

入学前にパンフレットで見た3DCGはInfini-Dで作られたものでした。
幸な事に(?)部活には入っていなかったので、高校生なのにバイトもせずに同級生と一緒に放課後パソコン教室に入り浸りCGを作って遊んでいました。
同級生が当時Infini-Dで作った作品は今でも高校のサイトで見られますが、おそらく本人は知らない…。
(自分の作品も見られます…)
20年も前のサイトがそのままなのはいいのか悪いのか…。

高校のデザイン科はグラフィックデザインが中心で、特にカリキュラムに3DCGが含まれてはいたわけではないので、完全に勝手にやっていた状態でした。
つまり3DCGに関する基礎を学ぶ場がなかったわけで、ソフトを触りながら覚えるしかなかったのですが、とりあえず勉強する方法としてCG検定を受けると言う手段を取ります。
合格するかどうかはともかく、教材を読めば3DCGの基礎中の基礎を学ぶことが出来ると考えたわけです。
かのユタポットもCG検定の教材で目にしました。
(当時は急須だと思っていました…)

受けたのは初級の3級だったので、特に苦労することなく合格しました。
しかしこれ以降、3DCGを学ぶ場に身を置いたりなどはしませんでした。
あくまでデザインを学びたいのであって3DCGはツールだったのです。


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