猫のこと…お母さん
うちの近所にはたくさんの猫がいる。
その中で、茶白とさび猫がいるのだが、この二匹がとにかく人なつこい。
この二匹だ。
茶白はうちの隣の家でお世話されていて、さび猫はちょっとだけ離れたとこのおばさんにお世話になっている。
二匹とも、違うところで暮らしている。
僕も最近知ったのだが、この二匹、実は姉妹らしい。人なつこさは血筋だった。
それぞれ茶白の弟と、さびの妹を従えてて、ということはその子たちもみんな合わせて姉弟妹(きょうだい)ということになる。
ちなみにその弟と妹は人見知りだ。
この子たちのお母さんは三毛猫だそうで、4〜5年前に具合が悪くなり、姿を消してしまったそうだ。
この辺に長く住む人と話すと、みんなその三毛猫の話をする。
「あんなかわいい猫見たことない」
とか、
「とにかく愛嬌があって、みんなが可愛がってた」
とか。
聞いた話だと、犬一辺倒の犬派の住人まで、その三毛猫にはメロメロだったそうだ。
だから近所の人たちは、その子供であるこの子たちを可愛がっている。
茶白とさびのお姉ちゃんは、お母さん譲りの愛嬌で、弟と妹は、それぞれの姉をまるで母の様に慕っている。
不思議な話を聞いた。
ある日の夜、さび猫二匹を世話してるおばさんが、三毛猫っぽい姿を見かけたと言うのだ。
「あれ、あの子生きてたの?」
と思ったが、その姿はどこかへ消えてしまったらしい。
次の日、さび猫たちの餌場に、ふわふわな毛をしたグレーの猫がいたそうだ。
その子は近所で飼われてた猫で、引っ越しの時に置いてかれたらしいのだ。
あまり他の猫を受け入れないさび猫たちが、自分たちの餌場で勝手にエサを食べているグレーのふわふわのことは、黙って見ていたらしい。
「きっと三毛猫が、グレーをここに連れて来て、さび猫たちに可愛がってあげるように言い聞かせたのだ」
とおばさんは思ったそうだ。
そしてグレーのふわふわは、今さび猫二匹と仲良く暮らしている。
お母さんの愛は、いつだって大きい。
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