9box vol.11のloveSPLASHから、9bicの魅力を違った角度から感じた件
「若手お笑い芸人」と本人達が揶揄する新しい衣装が、今回がステージでは初披露となったのだが、着用をしたパフォーマンスを見た時になんだか違和感があった。ライブが9bic melody、ポリスハンターと進む中でもその違和感の理由がつかめなかったのだが、one でメンバーの一人が着崩しているのを見てある仮説が浮かび、アンコールのloveSPLASHでその仮説に確信を持った。
白いグッズTシャツに黒のパンツという、シンプルな出で立ちがとてもしっくりときて、パフォーマンスそのものも一層生き生きと、かっこ良く見えたのだ。それはloveSPLASHの爽快さな曲調によるものなのだろうか―。
9bicはかわいいと思う曲と振り付けや衣装が多く、本人たちの仕草や表情からも可愛らしさを前面に出しているグループと言える。一方で最近は、J-POPやK-POPのダンスナンバーをYou TubeやTik Tokで見せるようになり、この一年で外見も大人っぽく変化してきた。思わず「かわいい!」と言ってしまう類の楽曲や衣装、振り付けだけで今の彼らがステージでパフォーマンスするのは、彼らの魅力を存分に出せていない気がして、個人的に少し物足りなかったのだ。
もちろん、proofのダボっとしたかわいい衣装や、99%やoneの振り付けは大好きである。しかし、かわいさを一旦横に置いておき、シンプルな衣装とかっこ良い振り付けで、これまでにない爽やかな曲調のloveSPLASHを披露するのを見て、彼らのこうした面を見たかったのだと自分の中でストンと腑に落ちた。若手お笑い芸人と揶揄される衣装に違和感があったのは、そのためだと思う。まさに炭酸が弾けるように、積み上げてきた新たな魅力がパンと弾けたような一曲だった。心なしか、この曲をパフォーマンスしている9bicは、特に活き活きとして見えたような気がする。彼ら自身も、こうしたダンスナンバーをファンに見せたかったのではと感じた。
この記事を書いていたらタイムリーなことに、大人っぽい歌詞を前面に出した新曲のcreature のMVが解禁された。
私が地下アイドル業界に詳しくないため、地下ではかわいい楽曲や振り付けが一般的なのだろうと思っていたが、どうやらその枠はないらしい。今後もかわいさを持ちつつ、かっこ良い面を存分に伸ばしていったら、9bic はますます魅力的なグループになるのではと期待が高まったステージであった。