【UFC Vegas85】忘るべからず下位ランカーとジャパニーズプロスペクト【メイン以外の注目試合】『UFC Fight Night Dolidze vs. Imavov』※事後記事のみ
大会色合い
やって来ましたお馴染みUFC Apexイベント。と言ってもナンバーシリーズが終わったばかりで、カードの並びを見ると渋め会と言っても致し方ありません。それに4月に控えるUFC300という節目イベントにメインイベント級のカードがドカンと組まれ続けているので平均値を取っていかないといけないのかも知れません。
メインイベントには2023年において勝利に恵まれなかったミドル級ランカーの両者による潰し合いです。
新王者が誕生しては防衛出来ずに王者が入れ替わるというサイクルを繰り返しているミドル級ですが、ノーランカーにもタレントが揃ってきて下位ランカーもうかうかしていられない状況かと思われます。
毎度お馴染みDWCSシリーズからのデビュー組みもいるので参戦早々脅威となるか、出鼻を挫かれるか見届けるのも醍醐味として楽しみにしたいところです。
そして忘れてはいけない、昨年行われるはずが急遽日付をスライドさせられたRoadtoUFC season2の決勝がApex大会の後にしれっと行われる模様です。
ライト級ではレスラーの原口伸選手、そしてフライ級では鶴屋怜選手が決勝戦に登場します。両者無敗の超新星としてUFC契約を掴み取ってくれることでしょう!!お見逃しなく。
面白かった試合、見返したい試合
事前記事が書けなかったため事後記事のみになります。
(フェザー級:プレリム④) リー・ジンリョン🇰🇷 vs ブレイク・ビルダー🇺🇸
中央を取るのはジンリョン。中央を取り返すとケージを背負わせてからのタックルプレッシャーをかけるビルダー。
1Rタックルで押し込まれたジンリョンが離れ側にビルダーの頭部へ膝を入れ、ラウンドの印象をつけました。
2Rは逆にケージレスリングから足掛けでトップポジションを奪うジンリョン。ビルダーはメンタル的にも崩される展開。
ジンリョンはラッシュを仕掛けるも無理に深追いはせず、フルラウンドをしっかり考えた試合運び。
3R、ギロチンのような形から自ら下になってしまうビルダー。
スタンドの展開では部が悪くテイクダウンも取れず、いいところなしのビルダー。
ジンリョンは最終的にパウンドを打ってポイントを取ります。
ROAD TO UFCを制したジンリョンがコンテンダーシリーズ出身ビルダーを完封して勝利しました。
契約を勝ち取ってから怪我の治療で時間が空き、満を持してデビュー。ROAD TO UFC勢、アジア勢として応援していたのでこの勝ちは嬉しいです。
(ウェルター級:プレリム⑤) テンバ・ゴリンボ🇿🇼 vs ピート・ロドリゲス🇺🇸
佐藤天選手を退け、ロック様との絡みといい何かと話題のテンバ・ゴリンボ。リーチで劣るピート・ロドリゲスがケージを背負ってサークリング。
どうにか相手の懐に入りたいロドリゲスでしたがタックルを一度見せていたゴリンボがタックルと同じ動作で頭を下げて右オーバーハンド!!
これがいわゆるテンプルに刺さってピート・ロドリゲスはダウン!!
そのままパウンドアウトでスカ勝ちゴリンボ!!!
一度見せたダブルレッグ伏線を見事回収したゴリンボ。2連勝。
(フライ級:プレリム⑥) アザト・マクスム🇰🇿 vs チャールズ・ジョンソン🇺🇸
1Rはマクスムがダウンを奪って、ガブってダースチョークをセットするという見事な展開を見せましたがフライ級らしいスピーディな試合展開になりました。
勢いのいい打撃とテイクダウンを狙うマクスムに対して面食らったチャールズ・ジョンソンでしたが、持ち味のレスリングで見事に盛り返します
2Rはジョンソンがダブルレッグからバックに回ってボディトライアングルを掛ける形まで持っていきますがマクスムも中途半端な位置のRNCに対してうまく返して対処。
3Rは疲れもあったかマクスムは組みで深追いせず、打撃戦を選択しているように見えました。対してジョンソンは1Rでは被弾していたパンチが見えて来ている動きが多い印象。最後はジョンソンが残り10秒付近でテイクダウンを決めてマウントポジションになったところで終了。
判定は3-0でジョンソンの勝利!マクスムは18戦目で初黒星。
恐らく今後も日本人選手が増えていくであろうフライ級の試合でしたが、レベルの高い試合を見せられると震えてしまいます。
(ウェルター級:メインカード①) ギルバート・ウルビナ🇺🇸 vs チャーリー・ラドキ🇺🇸
リーチ、フレームで勝るウルビナがケージを背負ってラドキが中央を取る展開。互いにオーソドックス。
長いジャブと前蹴りで距離を取るウルビナにラドキがどう入っていくか。
まずはジャブフェイントからフックを当てるラドキ。リーチで勝るウルビナはプレッシャー負けしてるように見えます。
4分過ぎた頃ラドキが左フックをヒットさせウルビナがダウン!なんとか足を取って相手の体制を崩しリカバリーしたウルビナでしたがスタンドに戻ると同じくケージを背負ってしまいフックを喰らってノックアウト!
ラドキはデビューから2連勝。分かりやすくMMAボクシングの差がリーチのアドバンテージで埋まらない結果になってしまいました。
(ウェルター級:メインカード④) ランディ・ブラウン🇯🇲 vs ムスリム・サリコフ🇷🇺
この試合もリーチ差が顕著に現れたマッチアップとなりました。
テイクダウン顔のサリコフがカーフから崩そうと試合を組み立てます。長いジャブで牽制するブラウン。
3分付近、ブラウンのジャブ、ジャブ、ストレートのコンビネーションが見事にヒット!!
全身しながらのコンビネーションで体重の乗ったストレートが綺麗にサリコフのテンプル付近を撃ち抜いて腰から崩れるサリコフ!!レフェリーストップ!!
綺麗に撃ち抜いたシーンでした。ブラウンは2連勝。
大会総括<地獄の消耗戦から祝!鶴屋怜!>
メインイベントは1Rに得意の右をぶちこんだイマボフが怒涛のラッシュを仕掛けるもなんやかんやでドリーゼが凌いでしまい、残り4Rをラッシュ疲れイマボフvs被ダメージドリーゼという満身創痍の中、両者久々の勝利を奪い合う展開に。久々に見てるこっちが疲れるメインイベントとなりました。
その後はアジア選手を篩にかけるROAD TO UFCのシーズン2の決勝戦が行われました。
ライト級の原口伸選手、持ち味のレスリングを発揮すべくタックルを再三仕掛けますがロン・チューはバッチリ対策しており切られ続けるレスラーとしては心が削られる展開になって敗戦。紆余曲折あってのライト級での参戦でもありましたが完封されてしまい悔しい結果に。
フェザー級では昨年シーズン1ファイナリストのイー・ジャーが下からの腕十字を極めて契約を掴み取りました。で大幅計量オーバーのカイウェンを相手にブラボーな下からのサブミッションでした。
そして大注目フライ級の鶴屋怜選手はいつも通りの鋭いタックルを見せ、ツイスターの変則系のような形で相手の体をねじねじに巻き込んで最後はバックマウントからのパウンドでレフェリーストップ!!
日本の無敗プロスペクトがしっかり強さを見せつけて契約を勝ち取りました!!!
UFCに進出して見てみたいなぁと思っていた選手の一人がこうして契約を掴んでくれたことに感謝。日本人選手が着々と増えてきて下位選手のチェック、特にフライ級は見逃せませんね。シーズン3があるかどうか定かではありませんが、次の日本人契約選手は誰になるでしょうか!