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【番外記事】”一発勝負”で気になった選手達覚え書き。『Dana White's Contender Series Season7』


『コンテンダーシリーズ』について

2017年に始まった選手発掘企画で、その構造は至ってシンプル。
UFC契約下になく、尚且つ実績モリモリの強豪選手を集め、デイナ・ホワイトの目の前で試合をさせて評価を得られればその場で契約決定が伝えられるという、実技試験のみの面接ショーといったところでしょうか。

この企画の面白いところは「勝てば契約」ではないところで、勝って契約されない選手もいれば、負けて契約される選手もいます。
この一試合で魅せなければならないので、エキサイトする試合も多々ありますし、磐石な試合運びでしっかり勝って将来性を感じる選手もいたり、過去にこの企画でチャンスを掴めなかった選手が再挑戦なんてこともあります。

今年、2023年ではついにコンテンダーシリーズで契約を得たライトヘビー級のジャマール・ヒル(2019年契約・コンテンダーシリーズ出身初)とバンタム級ショーン・オマリー(2017年契約)がそれぞれベルトを戴冠しました。
今年見つけた推し選手が数年後にはチャンピオンになっているかも!?

今シーズンは8月に始まって、現地時間毎週火曜日(日本では水曜日)に5試合が組まれ、それが10週に渡って行われます。
5試合×10イベントなので50試合、約100名の選手が篩にかけられる事になります。
昨年は木下憂朔選手が日本人として初めて召集され、KO勝ちにより契約を掴み取っています。筆者は昨年からしっかり見始めました。レッツ発掘。

2023年、シーズン7で気になった選手のふんわり感想

個人的に特に気になった選手の初見で抱いた印象を適当に書き残します。
戦績はコンテンダーシリーズの試合含まず。
たかが1試合、されど1試合。

【Week1】

ライト級:トム・ノーラン

23歳 5-0(3KO)
この週唯一、得意の左でスカ勝ちKOを決めた長身190cm族サウスポー。
オーストラリアのプロモーションEternalMMAから参戦。左ぶち込むマン。

【Week2】

バンタム級:カラランポス・グレゴリオウ

31歳 7-3(6KO)
アンダードッグながらFuryFC王者を相手に距離感をずらした打撃でダウン、猛烈追撃パウンドでTKO。スッキリスカ勝ちマン。
CombatFC バンタム級王者。

ライトヘビー級:イボ・アスラン

27歳 12-1(12KO)
クリンチフックからラッシュを仕掛け1R豪快KO。絶対KOするマン。

ライト級:アブドゥルカリーム・アル・セルワディ

28歳 14-3(8KO/2SUB)
FuryFCライト級王者。CW王者相手に打撃で主導権を握りユナニマス判定勝利。スイッチして動き続けるマン。

【Week3】

特になし。

【Week4】

ライト級:ボラジ・オキ

27歳 6-1 3KO/1SUB
K-1、GLORY経験のあるディラン・サルバドール相手に打撃で圧倒。ベルギー国籍。目が良さそう?クイックなパンチで効かせた後のラッシュでは強烈ボディブローで悶絶KO。打撃つよつよマン。

ウェルター級:カーロス・プラテス

29歳 16-6(11KO/3SUB)
テンカオもミドルもエグい。それでいて柔術黒帯。リーチ198cmの手長勝ち名乗りメガネマン。

【Week5】

フェザー級:ジャン・シウバ

26歳 11-2(8KO/2SUB)
パンチの距離で縦肘ぶち込んで飛び膝もやってくる。組みの展開はそんなになかったけどレスリングも強そうではある。超アグレッシブマン。

バンタム級:セルヒー・シディ

27歳 9-1(5KO/2SUB)
ウクライナ出身。タベラスの打ち終わりに綺麗にワンツー合わせてダウンを奪いレフェリーストップ。ワンツー合わせるマン。
ただし止めるのはかなり早く見えたが裁定は勝ち。そのまま契約。
※後にタベラスはWeek10で相手を変えて再挑戦し見事契約勝ち取り。

【Week6】

フェザー級:スティーブン・ニューイェン

30歳 8-1(3KO/3SUB)
1Rあと10秒あればレフェリーストップとなっていたはず。タフな相手にジャブを刺しまくってほぼ1試合で2KOしたような内容に。三度目のコンテンダーシリーズ挑戦で見事契約。
3度目の正直マン。

ライトヘビー級:ジョナタ・ディニス

32歳 5-0(5KO)
5戦全KO、昨年MMAデビューしたGLORY経験もあるキックボクサー。
クリンチ離れ際のフックをコツンと当てて効かすとフェイントを混ぜた技ありの詰めで7戦全KOのエドゥアルド・ネベスとの絶対KOするマン対決を制した。
絶対KOするマンをKOするマン。

ライト級:ハメス・ロントップ

24歳 13-2(7KO/1SUB)
ペルー国籍。前年トレバー・ピークに敗戦したマリク・ルイスに対して3R優位に立ち続けた。バランス型な選手。これ!と言った印象はなかったけど24歳と若い。ペルーヤングマン。

【Week7】

フライ級:イゴール・ダ・シウバ

20歳 7-0(3KO/4SUB)
JangleFightフライ級王者。2R直後はシュートボクセらしさ全開の猛ラッシュを1分近く続け、凌がれたその後も猛ラッシュして試合を終わらせた。殴るのをやめないマン。
しかも20歳。

ライト級:カイナン・クルシェフスキー

32歳 14-1(4KO/8SUB)
JangleFightライト級王者。当て感もよく打撃戦で中に入っていける選手。RNCで勝利し契約獲得。戦績見るとギロチン、RNCばっかりポペガーしている。
殴って絞めるマン。

ヘビー級:シャミール・ガジエフ

33歳 10-0(7KO/2SUB)
ワンパンで沈めるハードパンチャー。
バックテイクされてもポジションを取り返して、絶対KOしかしなさそうなその体型とは裏腹にRNCで試合を決めた。
殴って絞めるマン・メガトンサイズ。

【Week8】

バンタム級:ヴィニシウス・オリベイラ

27歳 18-3(14KO/2SUB)
UAEウォリアーバンタム級王者。
リーチ以上に伸びる打撃で相手に迫る。オーソの左フックで豪快KO。バンタム級にしては破壊力抜群。バンタム級ワンパンマン。

フェザー級:ダニー・シウバ

26歳 7-1(5KO)
エンジェル・パチェコとの激闘を制した。スタンドでの肘打ちが好き。カブスワンソンの教え子?
ちなみに敗れたパチェコもこの日契約を掴み取った。1Rにダウンを奪われるも謎の打たれ強さで3R戦い抜いた。二人揃ってタフネスマン。

ウェルター級:ダニー・バーロウ

28歳 6-0(3KO/1SUB)
左での強打を主軸に、クリンチ打撃で試合を確実に。
オクタゴン入場の時のマット運動動作ですでにヤバそうな雰囲気を漂わせていた。あと当たらなかったから良かったものの、間違いなくサッカーボールキックを発動していた。無敗のマット運動マン。

【Week9】

ウェルター級:マウリシオ・ルフィ

27歳 8-1(8KO)
フルラウンドに渡ってダゲスタン族のマゴメダリエフを完封したダゲスタンやっつけるマン。カイオ・ボハーリョの同門。

バンタム級:ビクトー・ヒューゴ

30歳 23-4(8KO/8SUB)
パンクラスでも試合経験あり。ボディロックからバックテイクされかけるも膝十字を仕掛け極め切った。前戦もヒールフック、その前の戦績は相手の足の負傷となっている。足ぶっ壊すマン。

【Week10】

バンタム級:ルーカス・ホシャ

23歳 16-1(9KO/4SUB)
1Rはドミネイトされちゃったけど2Rはタックルをしっかりスプロールして直後、膝1発で逆転勝利。諦めないマン。

ライト級:マルケル・メデロス

26歳 7-1(5KO)
相手の組みを凌いでスイッチやカーフと、中央から嫌なプレッシャーをかけ続け相手のタックルに合わせて膝蹴りズドンでKO。ホシャに続いて膝で終わらせた。めっちゃ期待感ある。塩振りパフォーマンスグラップラー倒すマン。

フェザー級:コナー・マシューズ

31歳 6-1(1KO/5SUB)
敗戦は昨年コンテンダーシリーズでのフランシス・マーシャル戦のみ。2度目の挑戦。
テコンドーをバックボーンに持っていて、キック出身のファリアスに対して有効打の数で上回っていた。過去戦績だとRNCばかり極めてるマン。

バンタム級:ラモン・タベラス

29歳 8-2(4KO/3SUB)
セルヒー・シディにダウンを奪われるもかなり早いストップで負けの裁定となってしまった。これにはモヤモヤしていたけど気づいたら再度試合が組まれていて一安心。その鬱憤を晴らすような激しい撃ち合いをして、強烈な左を何度もヒットさせ見事KO勝利。返り咲きマン!
相手もかなり振ってきていたが、しっかり見えていて凄かった。直後には蹲って感情を噛み締めて、2023年のコンテンダーシリーズを締め括りました。

ざっくり総括

ブラジルからは面白い選手がたくさん出てきますね。もちろん他にも。
今シーズンは後半にいくにつれて、よりヤバそうな選手が出てきた印象。
いつデビューするのか、試合が組まれるのかは正直言ってマチマチですが、昨年契約者で結果を出してる選手もいれば思うように行かない選手も当然います。
あくまでも1試合を見ての印象ですのでどの選手が生き残るのか、じっくりと今シーズンの選手達も見守っていきたいところです。

ボー・ニッカルのようにナンバーシリーズでインパクトを残せる選手は出てくるでしょうか?
未来の王者は出てくるでしょうか?