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【UFC LouisVille】ミドル級のゴリラと狩人【メイン以外の注目試合】『Cannonier vs. Imavov』※試合後記事のみ

大会色合い

ケンタッキー州ルイビルで開催のUFCファイトナイト。
メインイベントにはミドル級タイトル戦経験者のベテランランカー、かつてはヘビー級でも試合をしていた”The Killa Gorilla”ジャレッド・キャノニア対ダゲスタン生まれの”The Sniper"ナッソディーン・イマヴォフのミドル級ランカーマッチが組まれています。
ミドル級は休戦中のアデサニヤがベルトを失ってから流動的になってきそうで、コスタを破ったストリックランド、今月後半で行われるウィテカーvsチマエフが控えていたり、ノーランカーでもインパクトを残す選手が続々現れていたり目が離せない状況に。

コメインイベントには再起をかけたレイエスと、ようやくランカー戦に辿り着いたジャコビーの下剋上マッチ。

面白かった試合

リアルタイム視聴ができず、後追い視聴で見て面白かった試合をピックアップ。

(ウェルター級:プレリム⑦) カーロス・プラテス🇧🇷 vs  チャーリー・ラドキ🇺🇸

中・長距離で支配しつつテンカオを得意とするプラテスとプレッシャーで距離を詰めてフック系のパンチ、テイクダウンを混ぜながらリーチをカバーしたいラドキ。
ラドキは幾度かニータップでテイクダウンを試みますがプラテスはしっかり脇を刺して対処。インローを嫌ってスイッチしたラドキでしたがオーソドックスに戻って喧嘩四つになると前手でリストを掴みながら放ったプラテスの長いストレートがヒット。
完全にガードが上がったラドキに追撃のストレートフェイントを2回入れてのレバー突き刺しテンカオで悶絶ノックアウト!!

これでプラテスはMMA9連勝、UFCデビューから2連勝。
勝ち方的にもランカー戦が見えてきました!高い打点の膝恐るべし。

(ライト級:プレリム⑧) チアゴ・モイゼス🇧🇷 vs ルドビト・クライン🇸🇰

互いに喧嘩四つで中間距離から蹴りの応酬。
鋭い打撃を持つクラインのパンチに合わせてモイゼスが完璧なタイミングでタックルに入りますがクラインが見事なスプロールでディフェンス。その後のラウンドも足は掴まれるものの見事なタックル処理を見せます。
特に1回目のタックルを切られたことはモイゼスのメンタルに大きく影響を与えたと思います。
クラインは1Rストレートを効かせてニアフィニッシュまで畳み掛け、2Rには逆に打撃に合わせたタックルから豪快にテイクダウン。

そして3Rはモイゼスのパンチモーションに合わせてテンカオ!!
あれでフィニッシュにならないモイゼスもタフでしたがクラインの判定勝利。
前回に続いて高パフォーマンスを発揮したクラインはこれで直近6戦5勝1分。

(ミドル級:メインカード②)ジュリアン・マルケス🇺🇸 vs ザッカリー・リース🇺🇸

ザッカリー・リースは契約を掴んだDWCSでは見事な秒殺サブミッションで、下からの仕掛けのイメージがついたもののUFCデビューとなった前戦でも同じく下からの仕掛けを見せますが、ブランデージに理不尽スラムを喰らわされて秒殺されてしまいました。

サウスポーに構え喧嘩四つとなったザッカリー・リースの初手・ミドルキックがマルケスにズドン。
これに悶絶した刹那リースのアッパーがヒットしてマルケスダウン!
そのままパウンドアウトで秒殺TKO勝利!!!

スラムKOは評価が落ちにくい負けだと思うので、気を取り直して連勝を狙って次戦を楽しみにします!!
今大会は腹の日ですね。

(ミドル級:メインカード③)ブルンノ・フェへイラ🇧🇷 vs ダスティン・シュトルツフス🇺🇸

現代のMMAって昔と比べて無駄なく繊細で緻密な選手が負けずに勝ち上がってレコードを積み上げていく傾向が強いと思うんですが、そこにハマらないのがブラジル人ファイターだと思っています。

とりあえず豪快なオーバーハンドを当ててしまおうという構えのフェヘイラが振りかぶりすぎてシュトルツフスにバックを取られるとバックを与えてサブミッションを仕掛けられるもなんだかんだ立ちます。コントロールされてるようで相手の体重移動を良く見てエスケープしてるようには見えました。

バックスピンキックを腹に喰らっても動じないことに感心しているとまさかのスピニングバックエルボー!!!!
さらに畳み掛けてゴリ押しパワフルKOかと思いきや二度目のスーパーピンポイントスピニングバックエルボー!!!!!
これが刺さってレフェリーストップ!!!!

スピニングバックエルボーの代名詞といえばジョン・ジョーンズですが、このムーブだけはジョーンズ越えたんじゃないかと思うレベルのドンピシャ感。

(バンタム級:メインカード④)ラウル・ロザスJr🇲🇽 vs リッキー・トゥルシオス🇺🇸

17歳で契約を掴んだロザスボーイ、19歳のグラップラーでありながら前戦は豪快KOで会場を沸かせ更に人気者になっています。
そんな彼のグローブタッチを受けずに蹴りから入るのはTUF30優勝者トゥルシオス。両者は2月に組まれていましたがロザスJrの体調不良によってリスケとなっていました。

ミドルを腹に受けながらダブルレッグでテイクダウンを決めるロザスJr、バックを取りかけるもポジション不十分で逆に後ろを取られRNCをセットしますがアゴでディフェンス。向き合うとポジションを取り戻してラウンド終了。大盛り上がりの会場。バチバチの両者。

2Rもテンカオからタックルに入るロザスJr、クラッチしっかり組んでバックを取って早々にボディトライアングル。
状態を起こそうとするトゥルシオスでしたがさっきのお返しと言わんばかりにRNCセット!!!ローリングしてさらに深く絞め手が入ってタップアウト!!!
試合後には母に家を買うんだと語る19歳のMMAファイター。
9月のメキシコ独立記念日スフィア大会に向けて意気込んだマイクで締めました!

(バンタム級:メインカード⑤) ドミニク・レイエス[#15]🇺🇸 vs ダスティン・ジャコビー🇺🇸

ついにランカー戦に辿り着いた立技出身ジャコビー。
ジョーンズに判定で勝てずとも負けなかったレイエス。その後はブラホ、イリー、スパンに3連続KO負け。

カーフを餌にレイエスの顎を撃ち抜きたいジャコビーが距離を詰めると右に合わせたレイエスの左カウンターが炸裂!!
一撃で千鳥足になってしまったジャコビーは何もできず追撃を受け続けて倒れ込みレフェリーストップ!!!

ここ数年はイリーのハイライト映像で倒れる姿ばかり映されていましたが復活の左カウンターを見せて約5年振りのKO勝利!!!

大会総括

活気あり豪快フィニッシュありの激闘大会でした!
メインイベントのキャノニアはノックダウンはしていなかったものの、キャノニアのジャブに合わせたイマヴォフの右カウンターが効いてしまいジェイソン・ハーゾグの判断で試合はストップ。
40歳でこのパフォーマンスは驚異的ですが、キャノニアが中に入ってきたところベストな角度で右を打ったイマヴォフお見事。

個人的には佐藤天選手を退けた後に3連敗を喫していたウェルター級のミゲール・バエザがメインカード1試合目で久々に登場していて気になっていたのですが、サブミッションを取りに行った動きが全て裏目に出てしまっていて評価が明らかに落ちる負け方をしていたのが気になりました。。。

ところで先日UFC参戦がアナウンスされた朝倉海がバンタム級濃厚であるとしてバンタム級にフォーカスすると、
マクレガーとトレーニングを共にするTUF31優勝者のカトーナもオーバーハンドとテイクダウンで大きくない体でもダイナミックに試合を支配。
19歳のラウル・ロザスJrも得意のグラップリングと若さを生かした勢いでフィニッシュする様は驚異的。
ノーランカーでもこれだけのファイターがいる中でランキング選手はその更に上を行くのでデビュー戦の相手が誰になるのか注目すべしです。

そして次回は日本の平良達郎がメインイベントのUFCApexイベント!
ちょうどUFCApexでは100回目のイベントとなるようで、そこにちょうど日本人選手のメインイベントとなるのも何かポジティブに考えたくなります。
さあ、ここを勝ってタイトル戦へ!!!!