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プレリムもBMF!!メインイベント以外のUFC良試合。『UFC 291 Poirier vs Gaethje』


今回も良かった試合を記憶に残していくために、書き記していきます。
一年後やUFCのない日曜日に記事を読み直して、こんな試合あったなぁとアーカイブに潜り込んで休日の癒しとするのを理想としています。

大会の色合い

7月のナンバーシリーズ第二弾として発表された豪華カードのソルトレイクシティ大会となります。
メインイベントはダスティン・ポイエーvsジャスティン・ゲイジーと、ライト級屈指の人気者ストライカー同士の約5年ぶりの再戦です。

この5年間で両者は似たような戦績を重ねていて、一度目の対戦の後、連勝を重ねてハビブ・ヌルマゴメドフと対戦するも両者とも絞め上げられてしまいベルト戴冠チャンスを逃します。
ハビブの引退後、両者は再びタイトル戴冠のチャンスを得ますがいずれもチャールズ・オリベイラにRNCで葬られてしまいます。そしてその前後で両者ともにベラトールからの刺客、マイケル・チャンドラーと激闘を繰り広げるという、再開するべくして再開した二人であると、戦績を眺めながら頷いています。と同時にライト級トップどころが下からの突き上げに脅かされる事なくカードが回っていることの証明にもなっているように思えます。

ちなみに本来ノンタイトルで行われても他のナンバーシリーズと比べて何ら遜色のない役者同士のメインイベントですが、
BMFタイトル保持者のホルへ・マスヴィダルが現役を退いたことによって空位?となったBMFのベルトを飾ることで更に箔を付けたような雰囲気の大会となりました。

アンダーカードもさすが7月のナンバーシリーズ。
ファイトナイトのメインイベントとなってポスターが作られても成立するであろうカードがズラリ。
プレリムにも個人的に気になっているノーランカーのプロスペクトがズラリ。

プレリム注目選手

正直言ってほぼ全員注目選手なのですが、好み的に強いていうなら、、ということで列挙します。メインカードは言わずもがな。

  • (ミドル級)ロマン・コピィロフ >バックボーンはロシア人らしくサンボ。蹴り技が印象的なストライカー。前戦POTN獲得。

  • (ミドル級)クラウディオ・ヒベイロ >一撃必倒の打撃を持つ短期決戦ハードパンチャー。2022年DWCSで豪快KOを見せ契約。UFC3戦目。

  • (フライ級)ヴィニシウス・サルバドール >2022年DWCSで契約を勝ち取ったボクサー。まだ未知数だけど今回体重超過。

  • (フライ級)CJ・ベルガラ >平良達郎2戦目の相手。体重超過もしてしまい腕十字で敗戦。次戦大逆転KOでFOTN獲得。

  • (ウェルター級)ガブリエル・ボンフィム >UFC283で兄弟ともにデビュー戦勝利を飾ったボンフィム兄弟の弟。14戦無敗全Finish。

厳選4試合(ネタバレなし)

好みの4試合をプレリム、メインカードから2試合ずつ書き置きします。

(ウェルター級:プレリム) ジェイク・マシューズ vs ダリウス・フラワーズ

この試合もMMAらしさが詰まった試合となりました。起承転結物語ありですw

UFCデビューは2014年と早期にデビューし現在28歳でありながらもUFCを主戦場としている経験者、ジェイクマシューズ。RIZINに参戦しているジョニー・ケースからも勝利をしており、個人的にはUFC275でのフィアリョ戦での豪快KOも記憶に新しいです。
それでもフィニッシュはサブミッションの方が多くリアネイキッドチョークを得意としています。

対戦相手はミゲール・バエザでしたが欠場が発表され、ダリウス・フラワーズが直前代打出場となりました。
LFAで三連勝した後、フラワーズはDWCS2022で期待されていたアミラン・ゴゴラゼと対戦し、ボトムから逆三角のような形で仕掛けられ、そのまま持ち上げて空中でノースサウス気味になり相手を逆さの状態でスラム。ゴゴラゼの肩を破壊してアクシデント気味に勝利を引き寄せたパワープレイファイター。LFA時代に1R43秒でKOしているという戦績を見ると当て勘もあるのかなぁと思います。

序盤フラワーズがフラワーズらしく距離を詰めてプレッシャーをかけていきますが落ち着いているマシューズ。一発があるのでしっかり見て対処したいところ。今までの経験を活かせるか。

(ミドル級:プレリム) ロマン・コピィロフ vs クラウディオ・ヒベイロ

プレリムはいわゆる前座ということですが、この試合が前座にしては満足感がたっぷりでしたので改めてUFCの層の厚さを感じます。

コピィロフは10勝のうち9KOと高いKO率を誇ります。サウスポー構えの左脚の蹴りがとにかく速い。シュッとジャブを出すような速度でミドルキックを打つように見えなくもないです。戻しがめちゃめちゃ速いんでしょうか?
パンチも真っ直ぐがかなり伸びるので、分かってても面食らうんじゃないかと思うような打撃を持ってるような印象。
現在2連勝中で最後の敗戦はアルバート・デュラエフとの試合で中盤にマウントを与えてしまいRNCでフィニッシュ寸前まで行くほど削られて敗戦してしまいました。

対するクラウディオ・ヒベイロはDWCS2022で1R25秒豪快KOで期待通りのパフォーマンスを見せ契約を勝ち取りました。
戦績を見ても11勝全てKO、1R決着は7回と現代MMAではありえないような戦績を残しています。コンテンダーシリーズ参戦前の初耳ローカル団体の戦績はあまりアテにしないようにしていますが、しっかりと仕事を果たしたので注目しています。

高KO率のストライカー同士ですので、瞬き厳禁なこの試合。あとは語るまい。

(ウェルター級:メインカード) マイケル・キエーザ vs ケビン・ホランド

怪我に悩まされ2021年11月振りの試合となるマイケル・キエーザ。ライト級時代は先日引退を表明したケビン・リーとの舌戦やアンソニー・ペティス、ウェルター級転向後はカーロス・コンディットやRDAと対戦するなど今や脂の乗った世代に立ちはだかるベテラン選手としてランキングに名を残している選手です。KO勝利はなく、10勝をSUBで決めています。

対するホランドはミドル級からウェルター級に転向してからは3勝2敗。2敗のうち一つは異例の直前カードシャッフルが発生したネイト・ディアスUFC最後のメインイベントである「UFC279」でのカムザット・チマエフ戦。
そしてもう一つは昨年12月に行われたワンダーボーイことスティーブン・トンプソン戦と、トップ選手に敗戦しています。
少し遡って2020年にはなんと5試合に出場し5連勝。スラムでのTKOやジャカレイに対してはボトムポジションからの打撃を効かせるなど身体能力の高さに驚かされました。オクタゴンの外では事件、事故に遭遇してはその身で解決するなど話題に尽きない選手で、試合中はよく相手に喋りかけたりと不思議なキャラクター性を持っています。

ホランドはその長い手足でサブミッションも得意としており、打撃も多彩で四つ組も上手い印象です。スタンドだと部が悪いキエーザがどう捕まえるか、得意の形に持っていけるか。

(ライト級:メインカード) トニー・ファーガソン vs ボビー・グリーン

ファーガソンについては語る必要もないと思いますが、現在5連敗中とかなり厳しい状況に立たされている元ライト級トップランカーです。かつてはハビブとのカードを組まれては流れ、組まれては流れ、組まれては流れ、組まれては流れ、、と本当に4度流れるという、呪われた時期もありました。
人類最激戦区と言われるライト級で12連勝という記録を重ねましたが今大会メインイベントを務めるゲイジーと約3年前に敗戦してから勝ち星を得られず現在はランキング外。
トリッキーな動きも多彩でサブミッションはダースチョークを得意としており、タックルの処理を前転の動きで捌いたり、そしてイマナリロールを使用する数少ない選手のうちの一人です。あとはライアン・ホールくらいしか浮かびませんが。
ちなみにPS4で発売されている「EA Sports UFC4」ではファーガソンでプレイするとイマナリロールが使用できます。もちろん技名は「Imanari Roll」。世界のイマナリ。でも現実の試合で本人が敗戦するとアップデートのたびに弱体化されてしまうので使うユーザーは減りました。そんなところにまで影響するファーガソンの連敗事情。

対するボビーグリーンはStrikeForce時代から参戦するベテラン選手ですが個人的にはあまり思い入れはないものの、フィジエフとの激闘でFOTNを獲得したり、ショートスパンの代打でマカチェフとの試合を受けたりと漢気溢れる選手で、ほぼノーガードに近いくらいの低い構えで距離を取りスウェーによって相手の打撃を交わしながらパンチを的確に当てていくボクサースタイルです。蹴りで左右の動きを制限されつつケージに詰められると被弾してしまう場面がよく見受けられます。
漢気というと無理して撃ち合うような表現かもしれませんが、距離設定は堅実で前に出る時はちゃんと出るので楽しく試合を見てられます。

リーチはファーガソンが優っているので、グリーンの距離を乱せるかどうか。序盤の動きを見るとファーガソンの調子は良さそうです。早々にテイクダウンを仕掛けてグリーンのペースを見出そうという構え。4年振りの勝利に飢えます。

大会総括(ネタバレあり)

今大会はRIZIN観戦の為さいたまスーパーアリーナにいたのでリアルタイムで視聴することは叶いませんでしたが、会場へ向かう途中にスマホ視聴でプレリムを消化し、RIZINの休憩中にメインカードを全て視聴しました。家に帰ってからゆっくり観る算段だったんですが今回のカードはどれもネタバレを喰らいたくなく、我慢できず視聴してしまいました。

ほどよくやり合う試合を記述したいので触れませんでしたが、ボンフィム弟は流石でした。気が早いですが初ランカー戦は誰になるでしょうか。
メインカードのルイスも最高でした。あんなパフォーマンスを会場で観戦したいです笑
ルイスはどうも契約最後の試合だったようで、再契約するのか他のプロモーションでスーパーファイトをするのか、続報を待ちたいところであります。

ペレイラはライトヘビー級初戦を見事勝利。序盤ブラホビッチが組み伏せる展開にMMAの面白さを改めて感じながら見ていました。
イリーの怪我、ヒルの怪我と中に浮きっぱなしのライトヘビー級のベルトですが、怪我から復帰するイリーは恐らくタイトル戦での復帰になるでしょう。
その対戦相手の座をかけてランカー同士の試合が組まれていくとなれば、ライトヘビー級のランカー戦は見逃せないです。ちなみに僕はジョニー・ウォーカー(現ランキング7位)激推しです。次戦はマゴメド・アンカラエフ(現ランキング2位)との試合がUFC294で組まれています。間違いなく苦戦すると思いますが応援する選手がトップと組まれるのは嬉しいです。

そして最後にメインイベント。
ついにやってくれました、我らがやりすぎゲイジー!!!!!
予想はポイエー、応援はもちろんライト級最推しゲイジーだったんですが1度目の対戦と同じような展開を予想してたのでめちゃくちゃ不安で。1Rもポイエーのラウンドだったと思っていたらまさかの飛び道具ストレートからのハイキック。
リプレイではウスマンをKOしたエドワーズの映像と重ねられていました。さすがトップ選手。こういうのでいいんだよこういうので。

SNSではマクレガー戦なんてやり取りもあるみたいですが、ゲイジーの次戦はUFC294でのマカチェフvsオリベイラの勝者となるのが既定路線かなと思います。三度目の正直に期待してアブダビ大会を見守ります。押忍。