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【UFC Vegas87】飛び級ノーランカーや如何に。【メイン以外の注目試合】『Rozenstruik vs. Gaziev』※事後記事のみ



大会色合い

昨年11月のデリック・ルイスがジャイルトン・アウメイダに寝かされまくった以来のヘビー級メインイベント。新顔ランカーも特におらず、王者は帰ってきたジョン・ジョーンズが保持していてミオシッチとの試合が実現しない今、暫定王者アスピナルも不動を貫くしかなく軽量級とは違って動きの少ないヘビー級戦線ですが、コンテンダーシリーズを経てデビュー2戦目でメインイベント抜擢となった12戦全勝中シャミール・ガジエフがヘビー級ランキング12位、我らがRIZINファイター(2018年に1戦のみですが笑)のホーゼンストライクさんに挑みます。
そんなホーゼンストライクさんもデリック・ルイスと同じく前戦アウメイダに漬け漬けにされております。

ところで以下、話は逸れますが
先日XにてUFC apexイベントの是非を問うポストを見かけました。

「Are you tired of UFC Apex events?」

Apex大会飽きてきたっしょ?との問いかけに、まあ有観客と違って静かに行われるのはイベントとしての見応えや特別感はないかもしれません。
コメントは賛否ありましたが”試合数を減らした方がいいのでは”という意見もありましたね。
個人的には①ナンバーシリーズ、②ファイトナイト有観客、②ファイトナイトApex、④各種契約シリーズと大会ピラミッドが出来てることを考えるとApex開催の存在意義はあるなと感じていて
むしろApexイベントはカードの質を落として、有観客イベントのカードの質を底上げしてもっと区別化しても面白いと思いますが、ファイトマネーと開催地のバランスその他事情も色々あると思うので現状にそこまで不満はない、という事に落ち着きました笑

少し遡って、コロナ禍ではApexでナンバーシリーズも行われていたUFCですが、やっぱりゲイジーvsファーガソンの静かな中に打撃音が鳴り響く様は有観客では味わえなかったでしょう、、、。

注目試合・結果

渋い回ですが気になるカードもありますし、翌週にはキラキラ輝くUFC299が待ってますので静かなるApexの如く冷静に見ていきましょう笑
メインイベント以外から良かった試合、チェックしたかった試合をピックアップ。

(ライト級:プレリム②)ルドビト・クライン🇸🇰 vs AJ・カニンガム🇺🇸

サウスポー構えから踏み込みの鋭いワンツー、ボディ、ミドル、前蹴りと散らす打撃巧者のクライン。
絶妙な距離感で支配し前蹴りでボディを削るクラインに対してカニンガムはほぼ成す術なしのまま、ストレート、ハイキック、ボディブロー、前蹴りーのフルコースをくらって1R KO勝利。

コンテンダーシリーズ不合格でありながらチャンスを掴んだカニンガムは儚く散る結果に。

(ミドル級:プレリム③)クリスチャン・リロイ・ダンカン🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿 vs クラウディオ・ヒベイロ🇧🇷

そもそものフレーム差もあったと思われますが、コンテンダーシリーズではインパクトを残したもののメッキが剥がれてしまった短期KOマン、ヒベイロ。
ダンカンは前蹴り、スピニングボディキックで腹を効かせて距離を取りつつ、ヒベイロの得意なショートレンジではリストを掴んでエルボーと窮屈な戦いを敷きます。
2R、ケージを背負って組まれたヒベイロでしたがダンカンがお尻でクラッチをしっかり組んでテイクダウン。
そのままマウントを奪うと猛烈エルボー、背を向けてしまったヒベイロは戦意喪失!!レフェリーストップでTKOとなりました。

コンテンダーシリーズに参戦する選手はレコードも綺麗で幻想を背負ってデビューすることが多いですが短期決着で勝ってきた選手は対応力が求められ苦戦を強いられることはあるあるです。ヒベイロは窮地に立たされました。

(バンタム級:プレリム②)ヴィニシウス・オリベイラ🇧🇷 vs ベルナルド・ソパイ🇦🇱

続いてこちらもコンテンダーシリーズからデビューのヴィニシウス・オリベイラ。
スタンドにアドバンテージがあると思われたオリヴェイラでしたが、組みに差があり1Rはラウンドを取られる形となります。
2Rも四つで競り勝ったソパイがマウントからバックマウントを長時間キープするも、攻め疲れか背中に乗ったところから落とされボトムになるとオリヴェイラの鋭いパウンドを浴び続けます。
ソパイはブザー直前にもアッパーも被弾しセコンドから何度もゲキを飛ばされるほどの放心ガス欠状態。
3Rはケージを背負いながらサークリングするだけのソパイをオリヴェイラが追いかけ続ける展開。
フックを効かされ背を向けたソパイが振り返るとオリヴェイラの二段跳び膝蹴りを豪快に被弾!!!
なんとも映像映えのするKOを残しました。

とは言え1、2Rで露呈した組みは課題となるでしょう。
コンテンダーシリーズでインパクトを残した分期待値も高く、相手は直前オファーの選手でしたので勝ちは絶対条件だったようなマッチアップでした。

(フライ級:メインカード①)マット・シュネル🇺🇸[#9] vs スティーブ・エルセグ🇦🇺[#12]

サブミッションが得意な両者のランカー下剋上マッチ。
1Rから激しい打撃の応酬が展開されます。
リーチで勝るエルセグがストレートを当てればシュネルは懐に深く入って左右のフックを死角から当てていきます。
2Rも同じくジャブからタイミングを探るシュネルでしたが、セルセグがシュネルのジャブに合わせてジャブ、ボディストレート、返しの左フックと素早いコンビネーションがドンピシャ!!!
返しの左フックがシュネルの顎を捉えると腰を落とすシュネル!!完璧なノックアウト勝利!!

ス・ムダルジ戦でのバイオレンスでインパクトを残したシュネルでしたがスタンドではかなりアドバンテージを取られていたのと、2戦連続KO負け。
エルセグはフライ級格上ランカーを倒して11連勝!!!
これは推していきたい。

(バンタム級:メインカード①)ウマル・ヌルマゴメドフ🇷🇺[#13] vs ベクザト・アルマカーン🇰🇿

今回の大注目カードと言えばこのカードでしょう。
誰もが試合を断る男、ウマル・ヌルマゴメドフ。
対するは謎の無敗戦士ベクザト・アルマカーン。
カザフスタンの選手はどの選手もバランスがよくレコードが綺麗な選手がよく契約されていますが、だとしてもいきなり実質トップランカーのウマルと試合組まれますかね!?
ウマルは昨年サンドヘイゲンとの試合が組まれていましたが流れ、満を持して久々の試合となります。
オッズはウマル-1200、アルマカーン+750。なんなんだろうこのカード。

1R開始早々アルマカーンのオーバーハンドで体勢を崩すウマル。うまくリカバリーしてサイドのトップポジションをとってバックへ。ボディトライアングル。オハコの展開。
2Rジャブを当てタックル、安定のテイクダウンのウマルちゃん。サイドからリバーサルをきめるアルマカーンでしたが危うく不発のサッカボール発動。
アルマカーンさんはマウント、サイドのリバーサルめちゃくちゃ強いと思います。相手がウマルなだけで。

ただやっぱりウマルはウマル。ヌルマゴメドフの名前を冠している通りの試合を展開して3Rも何もさせず盤石の判定勝利。

大会総括

カードのラインナップ的にはコンテンダーシリーズのデビュー組みとランカーに注目していた今大会。
コンテンダーシリーズ組みは1試合のインパクトでの期待値が大きいだけに荷が重いかもしれませんが、今後期待できるかという意味では傷を残せた選手はいなかったように思います。個人的には。

飛び級でランカーとメインイベントを戦う事になったガジエフさんがが何かを見せてくれるかと薄い期待をしていましたが、歴戦のホーゼンさんの前に何もできずジャブを浴び続け4R終了時点で戦意喪失TKO裁定となりました。

大会としては結果的に重量級の試合よりも軽量級の方がエキサイティングな展開となる今の時代を表したような内容となったように思えます。
ここ数大会ナンバーシリーズに人員を割いてしまっているのでファイトナイトシリーズはなかなか注目度は上がりませんが、打って変わって来週ついにUFC299がやって参ります。
予習する必要のないほどの豪華ラインナップですが、暇つぶしに予習記事を読んでいただければと思います!!