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【UFC Vegas93】繰り返す。メインイベントは平良達郎!【メイン以外の注目試合】『Perez vs.Taira』※試合後追記



大会色合い

I'm happy!!!Thank you!!!!

待ち望んだ日本人選手メインイベントがついに!!
過去メインを張っている岡見勇信、堀口恭二両選手はいずれもタイトルマッチでしたが、平良達郎選手も注目&期待のファイターとして高評価を受けているのは間違いないでしょう!

ちなみに特設スタジオ会場「UFC Apex」でのUFC本戦イベントが無観客イベントとしてコロナ禍に始まってから今回で100回目を迎えるそうです。(ファイトナイト93回、ナンバーシリーズ7回)
そんな節目に日本人選手がメインイベントとは何かの縁を感じます。

アンダーカードには、当初平良達郎選手と試合が組まれていたジョシュア・ヴァンも出場。その他注目株カードありです。

【悲報】サウジ大会チマエフ欠場によってアリスケロフが代役となったため今回はアリスケロフ出場なし。

メインイベントあれこれ

さて平良達郎選手、10戦無敗修斗王者の肩書を引っ提げてUFC直契約。卓越したグラウンドコントロールと極めの正確さで現在UFC5戦5勝3フィニッシュで現在ランキング13位

相手は前戦マテウス・ニコラウに対して得意の右で豪快KOを見せたアレックス・ペレス。現在ランキング5位。
レスリングオールアメリカンにも選出され、無敗のグラップラーであるムハンマド・モカエフとの試合ではしつこいタックルを対処し続けて逆にモカエフを消耗させていたように感じました。
シングルレッグ、ダブルレッグでのテイクダウン難易度は高いと思われます。ジャーマン等、テイクダウンを取られた後も背は付けずリカバリーして長時間コントロールされるという展開にはなりませんでした。

持っているものとしては右によるカウンターオーバーハンド、前進しながらのパンチコンビネーション、フォルミーガの足を破壊するほどの強力なカーフキック。ハーフガードから肩固め等サブミッションもあります。
そしてフィゲイレード、パントージャ等王者クラスとの対戦経験あり。ただし今年は既に大忙しの3試合目なので疲労面がどう作用するか。

パントージャvsペレスや平良達郎vsベルガラ戦のような足掛けテイクダウンからバックを奪えたら最善。
平良達郎vsキャンデラリオの2Rのように打撃を効かせてサイドバックについて子泣き爺になってもらえたら僥倖。僥倖。
懸念点としては、平良サイドにとっては初の5Rマッチとなるのでペレスに削られる前にペースを握ることが出来るかどうか。
打撃戦の展開が多くなるのでは。ペレスが右を打つのに絶好の位置取りはさせたくないところです。

注目試合

当noteでは技術知識がないながら分かった風に個人的注目カードをピックアップしているので、朝倉海選手を追いかけてUFCにたどり着いたものの、方角が分からないそんなあなたもレッツUFC!

年齢/総戦績/UFC戦績/フィニッシュ数

気になるところを4試合ピックアップ。

(フライ級:プレリム⑤)ジミー・フリック🇺🇸 vs ネイト・マネス🇺🇸

サブミッション職人のジミー・フリック。
33歳 17-7 (UFC 2-12) -KO/15SUB

17勝のうち15勝がサブミッションであり、7敗のうち6KO負けという白黒ハッキリさせすぎているグラップラー。そんな選手が日本にもいたようないないような。
2020年のコンテンダーシリーズで契約後、今回でUFC5戦目。
デビュー戦では飛びつき三角を見せて輝かしいパフォーマンスを見せますが現代MMAにおいてはそう上手くいかずその後2戦連続でボトムポジションで肘打ちを浴びてしまいTKO負け。
前戦UFC297ではマルコム・ゴードンに下からの三角絞めを凌がれ、ダメージを負うものの2Rでは決死のタックルからテイクダウンを奪って肩固めでの劇的逆転勝ち。

フライ級の長身ネイト・マネス。
32歳 15-3 (UFC 4-2 ) 6KO/3SUB

かつてはローカル団体でバンタム〜ライト級で戦っていた実績もあってUFCではバンタム級、フライ級で試合を行なっています。よく落とせるな。
2022年は2戦ともダゲスタンファイターと対戦し、ウマル・ヌルマゴメドフにコントロールされ続け、フライ級転向初戦ではタギル・ウランベコフに猛烈スタンドギロチンで敗戦。
前戦はシュート・ボクセの若手メンドンサと対戦し足関を狙われたところをパウンドし続けてTKO勝利を収めています。


(フライ級:プレリム⑥)タギル・ウランベコフ🇷🇺 vs ジョシュア・ヴァン🇺🇸

ダゲスタン戦士のフライ級強豪ランカー、タギル・ウランベコフ。
32歳 15-1 (UFC 4-1 ) 1KO/8SUB

UFCでの一敗であるティム・エリオット戦はかなり接戦でウランベコフ勝利のスコアを付けたメディア・関係者も多く評価の落ちるものではありませんでした。
ネイト・マネスへのガブリからの、首がもぎ取れるんじゃないかと思うほど強力なスタンドギロチンと、コーディ・ダーデン戦ではダゲスタンファイターらしくケージ際でバックに回っておんぶ状態から顎ごと締め上げるチョークで現在2連勝中。

一時は平良達郎選手との対戦が組まれていた若手有望株のジョシュア・ヴァン。
22歳 10-1 (UFC 3-0 ) 6KO/2SUB

FuryFC元王者、代打出場でジュマグロフと対戦し勝利を納め、3連勝中。
ジャブの推進力そのままに右ストレートを繋いでいくコンビネーションと畳み掛けのボディ、頭部への打ち分けなど思い切りのいい打撃が特徴的な選手ですが、結構被弾します。
UFC295でのボージャス戦ではダウンを奪われても前に出る気の強さで勝ち切りました。とは言え、まだ若い故にもらっても問題なく前に出られている感じがしますが、グラップラーのフェリペ・ブネスにもちょこちょこカウンターもらっていたので、関係ないっしょ気持ちっしょのマインドかも知れません。
ここでウランベコフとのマッチアップはかなり荷が重いですが、、、このチャンスをどう生かすか注目。

※ウランベコフの体重超過により試合中止

(フライ級:メインカード②)アスー・アルマバイエフ🇰🇿 vs ホゼ・ジョンソン🇺🇸

カザフスタンの新星アルマバイエフ。
30歳 19-2 (UFC 2-0 ) 3KO/9SUB

デビュー戦は昨年8月のナッシュビル大会の第一試合。
オデー・オズボーンを相手に得意のシングルレッグテイクダウン、グラウンドコントロールをしてRNCでフィニッシュを決めたフライ級の期待選手です。打撃は中・遠距離からのオーバーハンド、ハイキックが基本で触れる距離ではどんどん組んでいくスタイルで現在2連勝中。
前戦は今年3月のUFC299のCJベルガラ戦でコントロールし続けて判定勝利。

対するはDWCS2022で契約を掴んだホゼ・ジョンソン。
29歳 16-8 (UFC 1-1 ) 8KO/3SUB

今回フライ級転向。
バックボーンがムエタイでありながらスクランブルが得意な選手で、極めの強い選手に対してもグラウンド上等な姿勢でサブミッションからのエスケープシーンをよく見ます。逆に言うとサブミッションに移行できるポジションを与えることが多く、極めの正確さがある選手に対しては危ういかも知れません。
昨年のダモン・ブラックシア戦ではUFCで史上3例目となるツイスターを極められてしまい敗戦
前戦は昨年11月でチャド・アンヘリガーと対戦し3RにRNCで勝利。

(バンタム級:メインカード③)ブレイディ・ヒースタンド🇺🇸 vs ギャレット・アームフィールド🇺🇸

数週前に日本語での「私はおっぱいが好きです」発言ツイートによってXのMMAファン界隈を一瞬ざわつかせた、おっぱい星人アームフィールド。
27歳 10-3 (UFC 2-1 ) 6KO/2SUB

強力なフック系のパンチが得意でテコンドーをバックボーンに持っていることでピンポイントで蹴り技も見せます。ケージ際のテイクダウンディフェンスは高め。
前戦はTUF優勝者ブラッド・カトーナとの接戦をヘッドムーブでのディフェンスを駆使して競り勝ち2連勝中。
その前の試合ではRoadtoUFC準優勝の風間敏臣選手と対戦し、プレッシャーをかけてケージを背負わせ続けパンチでKO。

対するはTUF29準優勝者、ブレイディ・ヒースタンド。
25歳 7-2 (UFC 2-1 ) 3KO/2SUB

こちらも現在2連勝中。柔術茶帯であり、ここ2戦を見ると基本的にはテイクダウンを狙って優位なポジションを取って試合を進めたいタイプ。ケージへ押し込んでからバックに回る流れを好んでいて、ファーニー・ガルシア戦も前回のダナー戦でも3Rに渡って一定の強度で動き続けていた気持ちの強いタフファイター。
流れてしまったものの2月には中村倫也選手との試合が一時組まれていました。

若手のバンタム級ノーランカー対決。

※※※試合後追記※※※


面白かった試合、見返したい試合

メインイベント以外で面白かった試合を書き起こし。
注目カードが2つ飛んでしまったので個人的には薄味でしたが、
メインイベントのおかげで大満足です。

(フェザー級:プレリム③)ジェカ・サラギ🇮🇩 vs ウェスティン・ウィルソン🇺🇸

開始早々右を大きく振っていくサラギ!
組んだウィルソンが持ち上げてテイクダウンするとギロチンをセット。
これは解除して三角を仕掛けるウィルソンに対してサラギはスラムをかましますが逆に作用して三角アームバーとなってしまいサラギはタップ、、!!
RoadtoUFCを追っていた身としてはインドネシアのUFC戦士、ジェカ・サラギに華を咲かせて欲しかったですが残念ながら一本取られてしまいました。

(フライ級:メインカード②)アスー・アルマバイエフ🇰🇿 vs ホゼ・ジョンソン🇺🇸

リーチで劣るアルマバイエフが得意の組みでコントロールする試合となりましたがジョンソンの良さも際立ちました。
2R早々スピニングヒールキックを当てるアルマバイエフ、得意のシングルレッグに入りますがその後のジョンソンのマウント、三角までの動きはブラボーでした。三角が極まらなかったのは足が長すぎたのもあって締まり切らなかったんでしょうか?

3R四つからの投げを凌いだジョンソンがバックテイクに成功しますがアルマバイエフがリバーサル。その後もコントロールし続けたアルマバイエフの判定勝利。これでMMA16連勝(UFC3連勝)としました!恐るべしカザフスタン。

オクタゴンインタビューではカイ・カラ・フランスを指名し対戦要求。
指名が叶わずともランカーとの試合は見てみたい選手です。

(バンタム級:メインカード③)ブレイディ・ヒースタンド🇺🇸 vs ギャレット・アームフィールド🇺🇸

実力的にも噛み合って面白い試合に!!!
序盤にはシングルレッグを処理したアームフィールドがバックからアームバーをセット!!!これは極まらず。
さらにタックルからグラウンドゲームを仕掛けるヒースタンドが1R終盤にRNCをセットするも極まらず。
アームフィールドはジャブと右フック、右ストレートでヒースタンドからダウンを奪いますがケージを使って立ったヒースタンドがタックルからバックテイク。
3Rケージ際アームフィールドを投げたヒースタンドがバックテイクし子泣き爺RNCをセット!!!これが極まってタップアウト!!!

組み伏せたヒースタンドがタフファイトを制しました!!!
おっぱい星人アームフィールドさん儚くも散りゆく結果に。
ヒースタンドは3連勝。

大会総括<日本人初UFC王者へ>

上位ランク入り、日本人選手最多連勝のかかった平良達郎がメインイベントとあって日本のMMAファンは大注目。

ペレスも得意のカーフ、密着距離でのボディ、フックを見せて簡単には試合をさせてくれるわけもありませんでしたが、平良選手の起点のジャブ、ストレート。前に出てくればクリンチで止めて膝、ペレスの頭を下がるところに右アッパーがバッチリ合っていてワクワク止まらず。
1R序盤の壁レス、ポイントメイクの終盤のテイクダウンは逆に平良ゾーンだったので、それを肌感で捉えたペレスサイドの後のストライキングのやり取りにはかなり影響与えてたんじゃないかと感じましたが、アッパーにフックを合わせるペレス。

2Rは打撃のプレッシャーから平良選手のシングルレッグ、逆の足をかけてテイクダウンに成功するとバックテイク。子泣き爺。
いわゆる”Otatsu Lock“から二度上半身を退け反らせてペレスの足に負担をかけて彼は膝を負傷していますが、背中に乗った直後に壁を手で押したのもペレ膝にかなり重心乗ったのかな?

海外選手も「あの形なんなん?」となっていて、平良選手の意図した動き&アクシデントによる決着でサブミッションor KO決着よりも話題になったところも考えるとやはり”持っている”超新星平良達郎。オクタゴンインタビューでは決め台詞とパントージャの名前を出してタイトルショットをアピール!!!

北米MMAに日本人選手が挑戦して悔しい思いをする選手を応援してきた身からするとこんなに嬉しいことはないですよ。
日本人初のUFCチャンピオンになるのは平良達郎ですね、これは。
ありがとう平良達郎!!!!!!!!!