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ランキング外の強豪達。【メインイベント以外の注目試合】UFC UnderCard PICK UP『UFC FightNight Vegas80 Dawson vs Green』※試合後追記しました


大会色合い

UFCApexでのファイトナイト、今回でナンバリングは80というところまで来ました。目指せVegas100!
メインイベントには前戦ダミル・イスマグロフをコントロールし続け完封したUFC負けなし8連勝バック厨のドーソンと低いガードでヘッドムーブし自分のペースを作るボビー・グリーンの試合が組まれています。グリーンの前戦はトニー・ファーガソンとの試合で、打撃でペースを握り続け最後は肩固めでサブミッション勝利を得ています。

メインイベントとしては少し弱く見えるように感じますが、メインカード自体は魅力的なカードが揃っていてナンバーシリーズのポスタービジュアルのように、パイファーとアルハサンの写真も入れてあげたくなります。
ただしランカーはライト級10位のドーソンだけで、他はノーランカーというUFCの層の分厚さを感じるメインカードの品揃えとなっています。

そして前回の魅津希選手に続いて日本人、村田夏南子選手が2年4ヶ月ぶりに出場します!!!
これまでの状況が語られたインタビューを読むとリアタイせずにはいられません。

注目試合

メインイベント以外の注目試合をピックアップします。
プレリムから楽しみな試合目白押し。

(女子ストロー級:プレリム) バネッサ・デモポロス vs 村田夏南子

2年4ヶ月振りの復帰戦となる村田夏南子選手。
30歳 12-2(UFC 1-1) 4SUB

前戦はビルナ・ジャンジロバと対戦し、試合中に腕十字を仕掛けられてタップはしなかったもののガード姿勢をとれないほど腕を負傷してしまってレフェリーストップで敗戦してしまいました。打撃でも主導権を握られていて、苦しい敗戦となり負傷した腕の治療を待つこととなりましたが練習中のアクシデントで自身の上顎に大怪我を負ってしまい結果的に思わぬ程の長期離脱となってしまいました。
レスリングをバックボーンとしており、UFCデビュー戦でのランダ・マルコス戦ではトップコントロールと力強いパウンドで圧倒しました。
練習できない苦しい期間が続いたそうですが、どのようなスタイルでMMAを展開するのか注目です。オッズも-350と村田選手favoriteとなっています。

対するはアームバーを得意とするバネッサ・デモポロス。
35歳 9-5(UFC 3-2) 1KO/4SUB

2020年コンテンダーシリーズに出場して敗戦しておりチャンスを逃していますが、トレイシー・コルテスの代打で2021年に急遽UFCデビュー。
2戦目となった昨年UFC270ではシルバーナ・ゴメス・フアレスの打撃でダウンを喫するも下からのアームバーで逆転勝利を掴んでいます。

これまでの先入観だと村田選手が上を取ってコントロール、腕十字には気をつけたいなんて誰もが描きそうな展開が浮かびますが、打撃の強化には取り組んでるようなのでスタンドを楽しみに見て見たいと思います。
ただ、デモポロスも勢い良く前に出てくる選手なのでタックルも混ぜたMMAを期待します。勝って欲しい!!!

(フライ級:プレリム) ネイト・マネス vs マテウス・メンドンサ

DWCS2022の最終週に登場し、1分に満たない時間でKO勝利を飾ったマテウス・メンドンサ
24歳 10-1(UFC 0-1) 3KO/4SUB
JMMA2000年代ではお馴染みシュートボクセ所属のイケイケヤングマンで、ボー・ニッカルが大トリを飾ったDWCS最終週で見事秒殺勝利をやってのけた彼ですが、UFCデビュー戦ではDWCS生としては1年先輩で組み・打撃とバランスの良いジャビッド・バシャラートと対戦し判定0-3でキャリア初の黒星をつけられてしまいます。
今回からフライ級に転向しています。

対するは様々な階級を渡り歩くネイト・マネス。
32歳 14-3(UFC 3-2) 5KO/3SUB
2020年8月にUFCデビューを飾りますがそれまではローカル団体でバンタム級、フェザー級、ライト級でベルトを獲得。
昨年UFCではフライ級に転向しており、今回もフライ級として試合に臨んでいます。身長は178cmとフライ級ではNo.1の長身です。

デビューから3連勝としますが、そこから2連敗。
バンタム級最後の試合ではウマル・ヌルマゴメドフ、フライ級初戦ではタギル・ウランべコフとダゲスタンの波に飲まれてしまって仕方ないなと思わざるを得ない敗戦を刻んでいます。
ウランベコフ戦でのセコンドには一つ前の試合で負けているウマルがつくなど悪夢のような2連敗を味わってしまいます。

ただしデビュー戦の後の2戦はどちらもファイトボーナスを獲得しており、トニー・グレイブリー戦では1Rほぼノックアウトされかけますがブザーに助けられ、2Rではアッパーで逆転ノックアウトとApexでの試合でありながら大興奮の内容でした。

経験はマネスの方が豊富だと思われますがケージを背負うと打ち合ってしまう事もあるのでメンドンサの打撃をまともに受ければどうなるか分かりません。期待です。

(ウェルター級:メインカード) アレックス・モロノ vs ホアキン・バックリー

ここ数年で一番バズったKOを生み出したホアキン・バックリー。
29歳 16-6(UFC 6-4) 12KO
元々ミドル級でしたが前戦からウェルター級に転向。
前に出ながらのアグレッシブな打撃で前戦はアンドレ・フィアリョをハイキックからのパウンドでKO勝利しています。

対するはアレックス・モロノ。
33歳 23-8(UFC 12-5) 6KO/7SUB
打撃では右のストレート、オーバーハンドを得意としておりサブミッションではギロチンを得意としています。
前々回のボンジニッビオ戦では終盤打撃を効かせ勝利まで後一歩でしたが渾身のストレートを被弾してしまい逆転負け。
前戦のティム・ミーンズ戦ではうまく位置取りをしてスタンドで主導権を握りタックルに対してギロチンをセットし勝利。連勝を狙います。

バズって何かを背負ったバックリーでしたがミドル級からウェルター級に転向し成果を見せているので、経験のあるモロノを喰ってステップアップを図りたいところです。

(ミドル級:メインカード) ジョー・パイファー vs アブドゥル・ラザク・アルハサン

コメインですがジョー・パイファーには超期待しているので書かずにはいられず。
27歳 11-2 (UFC 2-0) 8KO/2SUB
2020年のDWCSでダスティン・ストルツフスと対戦し投げられた際に受け身を取った右腕をぶっ壊してしまい大怪我&敗戦となってしまいます。
その後2022年DWCSではWeek1に登場しLFA王者を相手に見事KO勝利。Week1では唯一の契約者となって現在デビューから得意のパンチで2連勝2KO中です。とにかく右が強烈で当て感抜群。
契約を掴んだDWCSでは下がりながら前手のフックでダウンを奪ってパウンドアウト。これに痺れたのが一年前。GM3にも勝ちのきっかけは左でしたね。
ここ3戦ではボクサーの印象が強いですが今年5月、GM3をKOした翌月にGM3とグラップリングマッチをして判定勝ちを収めています。GM3がほとんど座ってボトムにいたのでどういう指標にしていいか不明ですがw
まぁMMAのグラップリングと、グラップリングマッチのグラップリングは違うと思いますが一応寝てヨシと言うことで。
ランキング入りは間違いないと思って推し推しです。

対するは一発のあるアルハサン
38歳 12-5 (UFC 6-5) 12KO
勝ち試合はKO率100%で、勝った試合は前戦以外1RでのKO、負けた試合はほぼ3R判定と戦績を見ていて笑ってしまうアルハサンです。
衝撃だったのは2021年のVegas35で見せた開始17秒ハイキックKOでした。スローで見ると右ストレートフェイントのハイキック。昨年のエドワーズvsウスマンが記憶に新しいですが、これもその形。
前戦はクラウディオ・ヒベイロと1R KOするマン対決をして2RでのKOで勝利しています。

1Rは絶対にトイレとか行っちゃダメな試合です。

※※※試合後追記※※※


見返したい試合、面白かった試合(試合後追記)

今後に期待できる試合や思わず魅入ってしまった試合などなど、個人的に印象の残った試合を書き置きします。

(フライ級:プレリム) ネイト・マネス vs マテウス・メンドンサ

スリリングな打撃戦になるかと思いきやメンドンサがタックル!
マネスは小手を巻いてキープ。メンドンサは強引に投げますが決まらず、ボトムになってしまう展開。
また四つの形になりますがメンドンサが足関を狙ってボトムポジションに。
足に手をかけるメンドンサですが顔面ガラ空きのため殴られ放題。
手の長いマネスのパンチを浴び続けるメンドンサですが足関セットを試みますがパウンドがクリーンヒットしレフェリーストップ!!!

メンドンサのキレのある打撃を見たかったですが、足関を取りに行くとは意外でした。
マネスはしっかり対処し連敗ストップ。フライ級でどこまで行けるか、次に期待です。

(ライト級:メインカード) ドリュー・ドーバー vs リッキー・グレン

マッキニー戦やボビー・グリーン戦など大激闘逆転劇を演じてきたタフな男ドリュー・ドーバー。
34歳 26-12(UFC 12-8) 13KO/6SUB

対するはリッキー・グレン。
34歳 22-7(UFC 4-4) 13KO/3SUB
2022年にドーバーと対戦が組まれていましたが、グレンが直前で怪我をしてしまったため流れてしまいました。

互いにサウスポーで構える両者。
ドーバーがワンツーをヒットされせると一気にラッシュを仕掛けます。
効かされたグレンは嫌がってタックル。
ドーバーは離れてスタンドに戻ります。勢いそのままにドーバーは強烈は左をグレンに打ち込みます。
効かされて仰向けになるグレンにドーバーが追撃のパウンドを効かせてレフェリーストップ!!!

Apexに足を運んでいたドーバーの奥さんと赤ちゃんの姿も映し出されて嬉しい勝利となりました!!
またトップどころとの試合を期待します!

(ミドル級:メインカード) ジョー・パイファー vs アブドゥル・ラザク・アルハサン

開始早々タックルを見せるパイファー。スタンドでのアームトライアングルの形に!!!
これを解除しスタンドに戻ります。
今までとは違って、試合を決定づけるほどの強打を持つアルハサンに対して多角的にMMAを展開します。

元々柔道家のアルハサンですが、カーフや関節蹴りを蹴りつつもパイファーのタックルには面食らったように思えます。
変わらずプレッシャーをかけていくパイファー、ケージを背負うアルハサン。
中央をとって前に出るアルハサンですがパイファーは組んで体を入れ替え、アルハサンを都合のいい位置に置き続けます。

2R、アルハサンの右ストレートに合わせてタックルからのスラム!!
この時に首を抱えてしまったアルハサンに対してパイファーが肩固めをセット!!
タップするアルハサンですが、拳を握った形だったので審判マーク・スミスはすぐ止めず、落ちてからレフェリーストップとなりました。これでパイファーは3連勝!!!

タップ前に止めてノーコンテスト裁定になった試合も最近はあったので、判断としては致し方なかったと思います。

勝利したパイファーは強打持ちストライカーに対して多方面でのMMAを展開できることを証明する結果となりました。
完成度の高いランカー達と対峙した時にどうなるか、特徴のわかりやすいアルハサンを下した現段階では未知の部分もありますが、一点突破ではなくMMAファイターであることを示したので次のマッチメイクに期待したいと思います。

パイファーは打撃が綺麗で見ていて楽しい。
ケージに詰めた際ボディを混ぜたコンビネーションも見れたら更に好きです。
若干カーフが効いていたように見えたので、そこだけは気になりました。

大会総括

基本的には評価通りの試合結果が多かったかなと思います。
プレリムは拮抗してフィニッシュは少なかったし、メインカードは実力者も揃っていたのでいい試合が多かった。

なんて思っていたらメインイベントはまさかのボビー・グリーンが負けなしドーソンに秒殺勝利!!!!
アラフォーの歳であのパフォーマンスは凄いとしか言いようがありません。

ビッグイベントのアブダビ大会までApexの大会はあと一つとなりました。
来週のApex大会もいいカードが揃っているのでチェックしていきます!