被害者と加害者の構図

国の給付金4,630万円が誤って一人の人間に振り込まれた事件が連日話題になっている。振り込んだ役所が被害者で、振り込まれた方が加害者という構図が成り立っている。誤って振り込まれたお金は返すのが確かに筋だ。それは間違いのないことだ。

しかし、どうもスッキリしないのがこの被害者と加害者の構図だ。どちらも加害者であり、被害者ではないか。役所が間違えなければ、顔までさらされて、この人の人生に傷をつけることもなかった。つまり振り込まれた方も被害者であると言えるのではないか？
つまりこの場合、役所は加害者と言える。

さらに、役所は国民の大事な税金をアホみたいにどぶに捨てた加害者だ。
罪はどちらにもある。振り込まれた側の罪を裁判で問うなら、役所はどう責任を取るのだろうか？これだけの大きな事件になった以上、ちゃんとした責任を取る義務があるはずだ。そこをマスコミは追及しないで返さない事ばかりに集中している。

お金が戻らない可能性が極めて大きい。
無くなったお金は誰が補填するのか？
町長が支払うのか？担当者が支払うのだろうか？

そんなはずはない。
戻らなければ、国が負担することになるだろう。
つまりそれは、国民が負担するということだ。

役所は被害者みたいな今の構図はおかしいと思う。
役所は加害者だ。被害者は税金を納めている私たち国民だろう。

振り込まれた人は返すつもりで、銀行まで同行したらしい。
そこで気が変わってしまった。
悪魔が囁いたのだろう。

欲が湧いたのか、役所のずさんな仕事に腹が立ったのか、それは本人にしか分からない。本人の気が変わった時点で、役所は直ぐに銀行に凍結の知らせを入れておくべきなのに、それも怠っている。のんきなのかアホなのか自分の財布から出たものじゃなければ本気になれないのだろうか？