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親の背を見て、子供は育つ。

映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」(2017年)

主演: ドーナル・グリーソン

*オススメしたい人*

・有名人の気持ちが知りたい人

・「クマのプーさん」の誕生秘話を知りたい人

・子どもとうまくいっていない親御さん

*ストーリー*

1941年イギリス南部、サセックス。
作家アラン・ミルンは、ある手紙を受け取り、悲しみにとらわれていた。
1916年、世界は第一次世界大戦の只中にあり、アランも戦地に赴き、敵軍相手に戦う日々を送っていた。
その後、大戦は収束し、世の中にも平和が訪れた。
アランは、ロンドンで妻ダフネとともに過ごし、男の子を授かる。
その男の子は、クリストファー・ロビン・ミルン(愛称ビリー)と名付けられた。
劇作家として成功していたアランは、多くの人の目に触れる、忙しい日々を送っていた。
ダフネも社交的な性格で、家にいることは少なかった。
アラン家では、ビリーを養育するために、ナニー(子供の保育者)として、オリーブを迎え入れる。
ざわついた都会の生活が合わなかったアランは、作家活動に専念するために生活の場を変え、サセックスに移ることにする。
誕生日のお祝いのプレゼントに、クマのぬいぐるみを受け取るビリー。
自然豊かな環境で、アランはビリーと戯れるが、ハチがブンブン鳴る音が、戦地のハエの音を連想させ、苦しい気分になった。
ビリーと話すうちに、もう戦争は過去の話だと気付かされ、気持ちを落ち着かせるアラン。
ダフネは、なかなか作家活動に取り組まないアランに怒りをぶつけ、執筆活動を始めるまでロンドンで過ごすと言い、家を出て行ってしまう。
オリーブも、病身の親の面倒を見るために、数日、休暇を取ると言って、家の中はアランとビリーの二人きりになってしまった。
寂しがるビリーを元気付けようと、クマや仔豚、トラのぬいぐるみで、話しかけるアラン。
ビリーは少しずつ笑顔を取り戻す。
自然の中でビリーと戯れる時間を過ごし、アランの創作意欲も高まってきた。
アランは、挿絵画家のアーネストを呼びつけ、少年とクマの物語の構想を練っていく。
しばらくして、ダフネやオリーブも戻ってきて、アランの物語も、雑誌「ヴァニティ・フェア」に掲載されるようになる。
ビリーは、物語のキャラクターとして、次第に有名になっていくーー。

*映画の見どころ*

自分の子供を喜ばせるために作った物語が、雑誌に掲載されることで、大きな反響を呼び、多くの子供たちの心をとらえ、ある種の社会現象になっていきます。
それにともない、ビリーも、物語のキャラクターとして、有名になっていきますが、その現象は、個人の力ではどうすることもできないほどに、大きな力を持つようになっていきます。
常に注目の的となったビリーは、自分の身の上を嘆き、アランと仲違いするようになってしまいました。
その後、再び戦争が起きて、一度は兵役を免れたビリーでしたが、実在の目立たぬ一人の人物として国に貢献したいと望み、自ら戦地に赴きます。
その後、ビリーの消息は不明となり、ほぼ死亡確定との知らせを、アランは受け取りますが、ビリーは無事生きて帰ってきます。
かつては父の仕事をなじったビリーでしたが、戦地で多くの人が、クマのプーの歌に励まされた様子を見て、父親の仕事を認めるようになり、アランとのわだかまりも解消されていきました。

*人生の好転レッスン*

親もひとりの人として、それぞれ様々な役割を抱え、その役割をこなしながら、社会の中で生きています。
ときには、ある役割に徹しなければいけない場面がやってきて、親という役割をうまくこなせず、苦しい想いを強いられることがあるかもしれません。
しかし、子供も成長するにつれ、大人の事情が分かってくるものです。
そうすれば、いくらか親の気持ちが理解できるようになり、お互いに歩み寄ることができるようになるかもしれません。


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