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大事にされた記憶が心の支えになる。

映画「あしたは最高のはじまり」(2016年)

主演: オマール・シー

*オススメしたい人*

・血の繋がらない子供を持つ親御さん

・子育てに悩んでいる親御さん

・親のことで悩んでいる若い方

*ストーリー*

南仏コートダジュールで、観光ボートの運転手をしながら、独身生活を楽しんでいたサミュエル。
ある晩、クラブで遊んだ後、女性2人とボートに泊まり、翌朝、携帯が鳴る音で目が覚める。
仮眠室を出て、デッキに上がってみると、一人の女性が赤ん坊を抱えて立っている。
女性は、サミュエルの姿を見るや、「お久しぶり」と声を掛けてきた。
女性の名はクリスティンといい、話を聞くと、1年ほど前に、イギリスで会ったらしい。
遊んだ女性の一人ぐらいに思っていたが、どうにも思い出せずに困っていると、抱えていた赤ん坊を突きつけて、「あなたの娘なの」と言ってきた。
身に覚えがなく完全否定するサミュエルに、クリスティンは「タクシー代を貸して」と言って、お金を受け取ると、赤ん坊と荷物を残したまま、タクシーに乗り、どこかに行ってしまう。
急な事情に困惑するサミュエルだったが、しばらくすると、空港にいるクリスティンから電話が掛かってきて、精神的に追い詰められていて辛い、自分が育てたら子供を不幸にさせてしまうから、面倒を見てほしいと言われる。
慌てて、空港に向かうサミュエルだったが、クリスティンに、あと一歩というところで、会えず、ロンドンまで追いかける。
クリスティンが置いていった荷物から、赤ん坊はグロリアという名であることを知る。
空港で取り込んでいるうちに、サミュエルはグロリアを置き忘れたことに気づき、慌てて引き返す。
エスカレーター脇のレーンを華麗に滑り降りる様子を見ていた映画関係者のベルキーに助けられ、映画のスタントマンとして、ベルキーと一緒にグロリアを育てていくーー。

*映画の見どころ*

始めはクリスティンにグロリアを押しつけられた感じで、サミュエルとベルキーの子育てが始まります。
サミュエルは、グロリアに本当のことを話せず、クリスティンは諜報員として、世界中を旅しているとウソをつき、グロリアもそのウソを信じ込みます。
しかし、ベルキーは、グロリアが本当のことを知ったとき、グロリアを傷つけるから、本当のことを言うべきだとサミュエルを諭します。
しかし、サミュエルは、一度は決心するものの、なかなか言い出すことができません。
サミュエルは気持ちが晴れないまま、いつものごとく、グロリアのメッセージをクリスティンのFacebookに送信すると、普段は返信がないクリスティンから返事があり、3人で会うことになります。
クリスティンとグロリアは初めて親子水入らずで過ごし、クリスティンはグロリアを引き取りたいという気持ちが強くなり、親権をめぐって、家庭裁判へと発展してしまいます。
判定結果は、親権はこれまで一番長く過ごした人に与えられるとして、サミュエルの親権が認められましたが、クリスティンは引き下がらず、DNA鑑定により、サミュエルの親権は奪われてしまいます。
クリスティンと暮らすことになったグロリアは、サミュエルの元を離れ、タクシーに乗り込もうとしましたが、忘れ物があると言って、家に引き返し、それっきり、サミュエルとともに行方知れずになります。
警察に捜索願を出すと言うクリスティンに、ベルキーが諭すことで、事なきを得ることができました。

*人生の好転レッスン*

育ててくれた人と血が繋がっているかどうかよりも、大事にしてもらえたという記憶が、子供が生きる上での支えになります。
悪い大人ばかりではないということを理解するには時間がかかるかも知れません。
しかし、どのような境遇で生まれたとしても、誰でも人として、愛情を受けながら、幸せに生きる権利はあるものだと思いました。


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