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人生に生まれや育ちは関係ない。

映画「サイダーハウス・ルール」(1999年)

主演: トビー・マグワイア

*オススメしたい人*

・親とうまくいっていない人

・独り立ちしたい人

・今の環境に不満を感じている人

*ストーリー*

1940年代、セント・クラウズ。
ラーチは産婦人科の医師を勤めながら、併設された孤児院で、親のいない子供達を引き取り、育てていた。
ホーマーも両親に捨てられた子供のうちの一人だったが、養子として2度ほど、里子に出されたことがあった。
しかし、引き取り手となる家族と馬が合わず、結局孤児院に戻ることになり、親代わりとなったラーチに、実の子供のように育てられ、可愛がられた。
ホーマーは高校には行かず、心臓が弱かったために、入隊も免れ、施設で多くの時間を過ごした。
成長するにしたがい、ラーチの側で産婦人科の仕事を手伝うようになり、医師の免許を持っていなかったにも関わらず、同等の仕事を任されるまでになった。
そして、ホーマーは、ラーチからいつも、人の役に立つ人になれと教え諭された。
孤児院には、養子を求める夫婦が度々やってきては、夫婦のお眼鏡に叶う子供達が引き取られていった。
夫婦が施設を訪れる度に、子供達は今度こそは自分が夫婦に選ばれし者として、引き取られていくことを夢見、落ち付かない気分にさせられた。
しかし、結局、淡い期待は裏切られ、夢が現実となることは、ほぼなかった。
引き取り手のない子供たちは、自分ではない別の子達が夫婦に引き取られていく様子を遠くに見やり、自分の落ち度を責めては、寂しさに打ちひしがれた。
そんなある日、中尉と若い女性が、立派なオープンカーに乗って、施設を訪れた。
男性はウォーリーといい、女性はキャンディといった。
キャンディは、妊娠2ヶ月であったが、子供を堕ろすために施設を訪れたのだった。
手術が無事終わると、ホーマーは、それとなくウォーリーに話しかけ、自分もウォーリーが行く先に連れて行って欲しいと懇願する。
中尉はホーマーの申し出を快く受け入れたが、ラーチはすぐには認めず、抵抗する様子を見せた。
ホーマーは施設の人たちに見送られながら、施設を後にし、ウォーリーたちと共に新天地へ向かうーー。

*映画の見どころ*

ホーマーは血の繋がった両親に育てられることはありませんでしたが、ラーチ先生の元で実の子供のように可愛がられ、施設で成長していきました。
ホーマーにとって施設での暮らしは質素ながらも、病院のスタッフや施設の子供達とも打ち解け合い、ラーチ先生の助手としての役割もこなし、平穏な生活そのものでした。
しかし、ウォーリーとキャンディの出会いにより、ホーマーは施設の外にある暮らしに興味を持つようになります。
ラーチ先生はいつもホーマーに、人の役に立つ人になれと教えてはいたものの、いざホーマーが自分の元を離れようとすると、ホーマーを頼る者などいないと悪態をついて、ホーマーが出て行くことに抵抗します。
それでもホーマーは、ウォーリーたちと共に施設を後にし、りんご農園を営むキャンディの家の世話になりながら、新しい暮らしをしていくようになります。
りんご農園に季節労働者として働きにくる黒人たちとの交流やキャンディとの恋愛を通して、ホーマーはその都度、自ら考えを導き出し、行動していくことを学んでいきます。
施設の中にいた頃のホーマーは、生活自体に特に問題を感じていたわけではなかったかもしれませんが、どこか物足りなさも感じていたかもしれません。
施設の外の世界では、自分が試される多くの場面に遭遇していきますが、その答えを教えてくれる人はおらず、自ら考えて行動していくしかありません。
慣れ親しんだ環境を離れれば、傷つくこともあるかもしれませんが、かつて自分の周りにいた人達のありがたみにも気付けるようになり、周りの人に感じていた不満も小さくなっていきます。
どんな境遇に生まれたとしても、自分次第で、その環境に甘んじることなく、自ら望む人生を選択し、切り開いていけることを、この映画は教えてくれてくれているように思います。

*人生の好転レッスン*

周りの環境に不満や物足りなさを感じるようになったら、別の環境に身を置いてみることもひとつの手です。
元の環境から一歩離れてみれば、今までの習慣や考え方、行動の仕方は通用しなくなります。
新たなやり方に取り組んでいくことで、それまでに気づけなかった自分のある一面や新しい世界を知ったり、元にいた場所についても客観的に見られるようになっていきます。
自分の視野を広げることで、より柔軟な考え方と行動の仕方ができるようになり、物事を解決する力が備わるようになっていきます。


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