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言葉は武器になる。

映画「アイリスへの手紙」(1989年)

主演: ジェーン・フォンダ、ロバート・デ・ニーロ

菓子工場に働き、妹夫婦と年頃の子供2人を養うアイリス。
給料日にバスで帰ろうとするアイリスに、ある男が近づき、アイリスのカバンを持ち逃げする。
ひったくりを追いかけるアイリスを助けようと、その後を追う一人の男性スタンリー。
後々、2人は偶然、同じ職場で働いていること知るが、スタンリーにはある事情を抱えていることが明るみになるーー。

*オススメしたい人*

・言葉で人生を変えたい人

・言葉の価値を知りたい人

・言葉の大切さを知りたい人

*ストーリー*

町の菓子工場に勤め、妹夫婦と子供2人を養うアイリス。
給料をもらい、バスで家路に向かっているところを、ひったくりに遭い、カバンを奪われる。
アイリスは慌ててバスから降り、ひったくりを追いかける。
アイリスはひったくりに追いつき、カバンを取り返そうと応戦するが、ひったくりはカバンを抱えたまま姿をくらましてしまう。
アイリスを心配して追いかけてきたスタンリーは、途方に暮れるアイリスをなだめる。
ひったくりに怒りを表していたアイリスも次第に気持ちが落ち着いてくる。
世間話をするうちに、お互い同じ職場で働いていることが分かる。
スタンリーは工場の敷地内の食堂でコックとして働いていた。
ある日、アイリスが工場で働いているとき、頭痛がしたので、食堂で頭痛薬を貰おうとする。
食堂の従業員の一人が、スタンリーに調理台の下に頭痛薬があると教えるが、スタンリーは何個もある薬瓶から、頭痛薬を選ぶことができない。
アイリスは、その様子に違和感を感じ、あることに気づく。
スタンリーはどうやら文字が読めないらしかった。
スタンリーは、読み書きができないことが職場にばれ、解雇されてしまう。
スタンリーは、年老いた父親を施設に入所させるが、その父親もまもなく亡くなってしまう。
スタンリーは、退所手続きにサインをしようとするが、自分の名前が書けない苦しみに苛まれる。
とある日、アイリスはにわか雨に濡れながら、帰りのバスを待っていると、スタンリーの姿が見えた。
スタンリーは、アイリスに何かを話しかけたそうにしている。
なかなか話せずにいるスタンリーだったが、とうとうバスがやってきてしまう。
アイリスがバスの入り口に乗りかけたとき、スタンリーはようやく、字の読み書きを教えてほしい」と告げることができる。
アイリスは自宅にスタンリーを招き、根気よく文字の読み書きを教えていく。
二人は会う機会が増え、お互いに大切な人になっていく。

*映画の見どころ*

スタンリーは幼い頃、食器の行商を行う父親に連れ添い、各地を転々とする生活を送っていました。
そのため、小学校を何度も転校し、文字の読み書きを覚えることができないまま、大人になりました。
アイリスは、あるきっかけで、スタンリーと出会い、彼が文字の読み書きができないことに気づきます。
スタンリー自身も、自分の名前も書けない不自由さに耐えかねて、思い切ってアイリスに読み書きを教えてほしいと頼みます。
アイリスは8ヶ月前に最愛の夫を亡くし、度々やってくる喪失感をやり過ごしながら、日々を送っていました。
アイリスは、スタンリーの勉強に付き合っていくうちに、スタンリーの身の上を知り、彼の優しさに惹かれていくようになります。
スタンリーは徐々に文字を習得し、職を変え、免許を取ったり、クレジットカードを持てるようになっていきます。
スタンリーは、アイリスにプロポーズをし、アイリスも笑顔で彼のプロポーズを受け入れるのでした。

*人生の好転レッスン*

私たちの周りには、言葉が溢れています。
しかしながら、普段、言葉を使い慣れていると、その有り難みが分からないものです。
言葉を使うことが前提に作られた世界で、読み書きができないことは、不利な立場に身を置くことになります。
そして、より言葉をうまく使いこなせるようになれば、それが武器になります。
言葉により物事を考え、自分以外の人に自分の考えや気持ちを伝えれば、見知らぬ人と知り合えるきっかけを作れるかもしれませんし、言葉を本や何かの形に残しておけば、書いた人が亡くなってしまっても、後に生きる人に何かを伝えることができます。
言葉のない世界を想像してみると、言葉の持つ大きな意味を知ることができるかもしれません。


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