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西欧が行った虐殺の数々(4)ーアメリカ編

最後は大将のアメリカの出番です。

”Honest Injun”

ちなみにインディアンと白人の争いで、インディアン側がウソついた事例は見つからない。ウソつくのはいつも白人側のようです。インディアンと白人は300もの協定を作ったが、破ったのは常に白人側。日本人ならよく分かりますかね。(『物語アメリカの歴史』)
白人が作った映画とは違うようですね。

(1)イギリス人(後のアメリカ人)によるインディアン殲滅の経緯

・1620年にメイフラワー号でやってきたのは100名ほどだったが、最初の冬の厳しさで人数は半減してしまった。寒さ、食料不足、病気などが原因であった。そんな彼らを助け、農業や漁業などの手ほどきをしてくれたのは現地のインディアンだった。しかし白人たちは感謝は神に捧げただけ、インディアンを人間と思っていない白人たちは、これ以降、恩を(仇どころか)虐殺で返す所業を続けるのであった。

・「ポカホンタス」もこの頃のインディアンの娘で、インディアンから食料を強奪しようとしたジョン・スミスという男がインディアンに捕まり、処刑寸前に王女であるポカホンタスの助命で助かった話。もちろん、白人たちはその恩を仇で返すのである。ポカホンタスたちからタバコ栽培を学んだ白人たちは、これが大変儲かる事に気付き、インディアンたちを無理やり追い出すことになった。イギリス本国のエンクロージャーの時と同じ。インディアンにとって畑はコモンズ(共有地)であったのです。
スペイン人やフランス人はもっぱら産物(貴金属、毛皮など)への関心が強かったが、イギリス人は土地への関心が強かったのが、問題を更に深刻にした。

・インディアンたちは反撃を行うも人口の増えた白人たちには立ち向かえずハンティングのように虐殺された。彼らからすれば侵略者を追い返そうとしただけなのだが。
・土地に関して言うと、白人たちは当初は「買う」意志を示していたようですが、「土地を売る(=インディアンが立ち退く)」という占有排他的行為はインディアンの想定を超える要求ではあったようです。つまり土地を売ることなどできないことで関係がこじれ始めたことも多かった。

・ついに1830年にジャクソン大統領の時に「強制移住法」を作り、10年間で10万人のインディアンをミシシッピー川以西の土地に追いやった。移住の旅の途中では白人が騙して高い食料を売り付けたり、与えられた幌馬車や防寒具が少ないなどで、多くのインディアンが命を落としている。100万人と言われていたインディアン人口は1890年頃には25万人程度に減少しているという。そして、オクラホマ辺りでも資源があることに気付いた白人たちは、更に追いやっていく。

(2)インディアンvs白人の例

■ピクォートの戦い
・1636年にコネチカットで起こったピクォートと白人の戦い。
・奴隷商人が女性を誘拐しようとしたことから始まった戦い。
・ピクォート族の死者は400人とも700人とも言われている。

■フィリップ王戦争
・1675年に起こったワンパノアグ族と白人の戦争。白人側はワンパノアグ族の王をフィリップ王と呼んでいた。
・当初は友好的な両者の関係であったが、白人側の要求がエスカレート(土地を売れ、キリスト教に改宗しろ)してきたため、最終的に武力衝突に至る。
・白人側も600人程度の犠牲者が出たようだが、インディアン側は4000人以上の犠牲者が出て、残ったインディアンも奴隷として売り飛ばされてしまった。

■タスカローラ戦争
・1711年ノースカロライナでの出来事。
・疫病をもたらし、土地を奪おうとする(買いたかったのかもしれないが)白人とインデアンが例によって対立。
・最終的に1000人以上が犠牲となり、数百人の捕虜が奴隷として売られた。

■サンドクリークの惨劇
・1864年コロラド州フォート・リオンでの裏切り虐殺
・700人のシャイアン族が講話を申し入れてきた。白人は話に応じりふりをして、全員を虐殺。戦闘可能な男子は200人程度。白人たちは死体を切り刻んで記念品として持ち帰った。

■ウーンデッド・二―の虐殺
・1890年サウスダコタ州のウーンデッド・二―で発生した白人によるインディアンの虐殺。
・スー族で「ゴースト踊り」というのが流行り、これを信じるものに与えられるシャツを着れば白人の銃弾を避けられるという説がまことしやかに語られ始め、これを信じるインディアンが増えたら危ないと危機感を感じた白人が、ある時インディアンを無差別攻撃したもの。スー族側は300人以上が犠牲になった。
・この辺りでインディアンの抵抗もほぼ終わりを告げ、狭い居留地に押し込められることになった。

他にもいろいろ事件はあるようですが、キリがないので下記WikiPediaを参照ください。

あとは、こんな本があります。いくつかの具体的なエピソードを詳細に物語として書いてあるので、一般向けではないかもしれません。

◇アメリカインディアン悲史(藤永茂:朝日選書)

(3)黒人奴隷たち
・200年に亘ってアフリカの黒人の奴隷貿易で荒稼ぎしたのはアメリカで400万人は下らない。奴隷たちの悲惨さは大変なもので、「アンクルトム」などはまだ幸せな方だったかもしれない。人は人に所有されることはないが、奴隷は人に所有されるという意味では人ではない。
・映画にもなったナット・ターナー(黒人奴隷)や、南北戦争の嚆矢となったジョン・ブラウン(白人奴隷制度廃止活動家)の蜂起など知られているもの以外にも多くの反乱や武装蜂起はあっただろう

(4)今でも続く:

・原爆と東京大空襲はじめ日本各地での空襲の合計で最低43万人と以前に書きましたが、日本に対してもそれだけの虐殺を行っています。

・現在でも、イラク、イラン、リビア、スーダン、ソマリア(あれ?産油国?)、ウクライナ、イスラエル、これらにアメリカは絡んでいますし、9-11などでもいろいろと噂されています。そのうちに明らかになっていくでしょう。

虐殺ばかり書いていて気が滅入って来たので、だんだん手抜きになってきました。このあたりで一旦おいて、また必要があれば加筆していきます。