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夢を叶えると不幸になる

人間のことを何も知らない無知な使い魔がお散歩がてら、極悪ひねくれ非常識人のうp主に人間界の常識を教え込まれているようです……。

お散歩②「夢を叶えると実は不幸になる」

「またうpが適当なこと言ってるよ! 夢が叶ったら幸せになるに決まってるじゃん! 今回ばかりは騙されないぞ!」
「いやいや。これは当然のことなんだ。当然のこと過ぎて逆に不安になってくるよ」
「そんなわけないじゃん! なんで夢を叶えたら不幸になるんだよ! あべこべなこと言ってるよ!」
「本当だよ。夢なんて叶わない方がいいんだ。むしろ死ぬまで追いかけ続けた方がいいくらいだ」
「はん! もう聞く耳持たないよ! バカバカしいや! この話はもうおしまい! そんなことよりこの先においしいアイスクリーム屋が……」
「ドーパミンって知ってるか?」
「え、ド、ドーパミン味の!?」
「違う。脳内麻薬の一種だよ。俗に幸福物質と呼ばれるにくいやつだね」
「幸福物質……」
「当然、こいつが分泌されてる時、人は幸福感に包まれる。快楽の原因物質さ。ではこのドーパミンが最も分泌されるのはどんな時だと思う?」
「え? えっとえっと…、そ、そうだ! それこそ夢が叶った瞬間だよ! 間違いない! 僕は賢いんだよっ!」
「ぶー、ハズレ。残念。無念。がっかり。失望。幻滅。かつ苦笑w。正解は何かを「期待」している時だよ」
「き、期待? な、何だよそれ! 何笑ってんだよ!」
「要するに、何かを期待している時というのは何かを夢見ている時のことだよ。夢が叶った瞬間なんか、その時だけはドーパミンがドバドバ出るかもしれないが、その後はピタリと分泌が止まってしまうんだ。叶った後は幸福じゃなくなるのさ。それよりも夢を追いかけていた時の方が総量として遥かに上のドーパミンが分泌されることになる。つまり、夢が叶った瞬間にそのボーナスタイムは終わってしまうんだ」
「そ、そんな! 夢が叶ったらドーパミンが出なくなっちゃうなんて……」
「熱愛の末に結婚までこぎつけたカップルがその後すぐ離婚してしまうケースはまさにこれなんだ。結婚というゴールテープを切るまではその後の二人を思い描いて幸せだったのだろう。でも、目的が達成したらこれまでそいつの幸福を担保してくれていたドーパミンは出なくなってしまう。いわゆる「冷めてしまった」というやつだね。こんなふうに簡単に具体例を挙げることができるほど当たり前のことでしかないんだよ」
「じゃ、じゃあやっぱり夢は叶えない方がいいのか! ずっと叶えずに追いかけ続けてる人の方が幸せだったんだ!」
「まあそういうことだね。間違っても夢なんて叶えちゃいけないよ。もし叶えたいなら同時に別の夢を持っておくことだね」
「ふううぅぅ! 危なかったあ! あやうく必死に夢を叶えるところだったよ! あんなもんずっと放置しておこうっと! 僕が賢くてよかった!」
「うんうん。お前はお利口さんだね。かつ苦笑w」

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