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『いい訳益』とは=「納得」をコントロールして、ポジティブに人を動かすことができる

スマイルズ生活価値拡充研究所に一期生として応募して21年春から夏にかけて約半年間参加しました。

「スマイルズ生活価値拡充研究所」は、生活の端々にひそむ「生活価値」を、その拡充の方法論も含めて探究する場所。ビジネス上の非合理なこと、これまで価値と捉えられなかったことにこそ、新たな価値のタネが眠っているのではないかという仮説のもと、会社という枠を越える研究機関です。

本業の傍ら「未知なる益」をテーマに講義やグループワークなどのインプットと個人で一つの未知なる益を定義して深堀りするアウトプットをする。

様々な社会の事象や変化、新しい知識との出会いを通じて「いい訳益」が世の中にあると定義して整理をしました。言い訳と聞くとのび太くん的な自堕落や自己保身的な意味合いがあるかと思います。しかし、本テーマでは言い訳が持つもうひとつの側面の『口実』というジョブに着目しマーケティングやコミュニケーション、ひいては対人関係への応用について考えました。

研究所参加のnoteは別途書こうと思いますが最終発表の内容を下記、共有します。学術的な裏付けや体系化されたものではないですが、n=1の事象から世の中を見渡したときに気づいたことやどうやらあるなというものを形にしてみました。

ツッコミや感想、こういう考え方があるのではないかというものがありましたらコメント大歓迎なので是非お気軽にください。

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スライド

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内容

生まれてから一度も言い訳をしたことない人はおそらくいない。言い訳のない社会はお互いが自分の思いをストレートに口にし、人間関係をギスギス担ってしまう中で、人間社会の円滑油としての役割が言い訳にはある。

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1)言い訳は2種類ある

いい訳とはある種の自分を正当化する行為であるが、言い訳には、「いい言い訳」と「悪い訳」の2つあると仮定。
「悪いいい訳」は、なにか起きたときにデメリットが発生して、それを解決せずにそのままにしているかつ起きたことを自己正当化するだけでなにも問題が本質的に解決していない。だからネガティブで人に迷惑を変えたままなのでネガティブであり、悪いいい訳である。つまり、弁明や釈明としてのいい訳は(人に迷惑をかけたままなので)悪いいい訳

「いい言い訳」は、口実としてのいい訳。起こりうるネガティブな事象に対して「納得」と「提案」を含んだいい訳が口実として行動の前に来ることで人の行動を変えることでネガティブな事象が起こりうる未来を変える。
「いいいい訳」は納得と提案を含んだ口実が行動の前にくる、"前"いいわけ。弁明の"後"いい訳とは性質が全く異なる。

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その前いい訳をうまく使うことで、なんらかの心理的安全性を担保することができ、DoかDon’tの選択肢をとることができるようになること。そしてその「口実」をテコにその選択肢をとったことで得られる便益を享受することを「いい訳益」とする。

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2)"前"いい訳(いいいい訳)の成立条件は"NSC"

その"前"いい訳(いいいい訳)の成立条件はなにか、それは"NSC"である。

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・納得("N"attoku)
NSCの肝は納得。ここは肝の肝なので後述します。
・提案("S"uggestion)
ただ提案をすればいいわけではなく、起こりうるデメリットをメリットが上回る、+になる提案でないといけない。仮に納得感がであっても、マイナスのままや0のままであったら提案の条件を満たさない。
・伝え方("C"omunication)
納得や提案が成立してても最後に伝え方も重要になってきます。人は感情のいきものなので、理屈が通っててもなんかいや、ムカつくと思われたらNGです。ただ要素としては納得や提案の次なので式では+にしています。

3)納得のメカニズム

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納得について紹介してもらった文献であったり、意思決定、説得、納得、交渉をテーマにした本を読み漁りました。納得の先に何が来て、納得そのものはなにで、そしてどう帰結するのかは右に書いてあるとおりですが学術的なものを引用してきてもつまらない。

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そこでこのスマイルズの研究所の活動や課題を通じて得た事例や他の参加者の方々にも協力して頂き挙げて頂いた事例を分類していきました。

様々な形で分類、整理した中で一番しっくりきたのがこの分け方。納得には合理的ですっと腹落ちするものもあれば非合理だけど妙に納得するもの。そしてそれが自分自身の内発的なものなのか、外部に起因するものなのか。

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クラファンでの応援購入やこんまりメソッドの片付けも、なにかしら納得する口実(人を動かす理由)がありました。

4)納得を成立させても"NSC"がどれか欠けても成立しない

たくさんの事例を分類し、「主目的の脱中心化」「状況強制」「自信の価値参照」「お墨付き」のどれかがあれば人は納得することができると結論づけました。

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発動条件であるNSCはどれがかけてもいい訳益は成立しない。逆に足りない要素を補充、加えていけば成立はする。たとえば、納得(N)や提案(S)が満たされていても伝え方(C)が十分でないとそれは、「理解はできるけど嫌なやつ」と捉えられてしまうと。

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発表ではどう実際に社会実装をするかの事例をいれつつ、まとめのスライドがこちら。これからも”いい”いい訳を使って社会をハックしてポジティブに人を動かしていきたいと思いました。
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それではまた。




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