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噺を撮る【壺算 / 壺(水瓶)】

2荷(か)入りの壺(水瓶)を買って欲しいと頼まれて瀬戸物屋へ行った男。
何故か1荷入りの壺をねぎって3円で買う。
いったん店を出て、すぐに戻ってきて、2荷入りの壺に交換して欲しい、この壺を買った値段の3円で引き取ってもらえないか、と言う。
「今買っていただいたばかりだから、構いませんよ」と店主。
男「倍の大きさだから、値段も倍の6円でいいな」
理屈は通っているので店主は渋々受ける。
男「じゃ、返してもらう3円と、さっき3円で買ったこの壺と合わせて6円。これでいいね?」
そう言って、2荷の壺を持ってゆこうとする。
店主「え?あ、いや、ええっと。あ、そうですよね。どうぞ。」
外へ出て歩き始めた男を追いかける店主、「あの、どうもなんかスッキリしなくて」。
再び男に言いくるめられて納得しては、「やっぱり」の繰り返し。
店主はスッキリすることができるのでしょうか。

/ この噺に出てくる「荷(か)」は荷物などを計る単位で、天秤棒の両端にかけて一人が担げるだけの重さだそうです。
というと、どのくらいの重さでしょうかね。
江戸時代の、しかも、商売人が担げる重さですから、けっこうな重さだと思います。
水の場合、1荷は50キロ弱としている文献があります。
ということは50リットルくらいですね。
2リットルのペットボトル25本分。
ちょっと担げませんね。