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土に帰る

まだ7月だというのに暑い日が続いています。

それに伴い外では朝から蝉の合唱が始まっています。
この時期に外を歩いていて、時おり目にするのが道路に横たわる蝉の死骸です。
蝉の成虫の寿命は1週間とも1ヶ月ともいわれています。
いずれにせよ、とても短い命。
私は蝉の死骸がアスファルトの上に転がっているのを見つけると拾い上げて近くの土の上にそっと置くことにしています。
短い寿命をまっとうした蝉が車や人に踏みつぶされてぺしゃんこになっている姿を見ると悲しくなってしまいます。
できるだけ元の土に返って欲しい。そんな気持ちです。

一方で、土の上に横たわる蝉の死骸に蟻が群がっているのを目にすることもあります。
これには何もしません。
蟻の餌になるという形で「土」へ返ってゆく。
「良かったね」という気持ちになります。

その蟻たちもいずれは土に返り、再び生命を得て蘇る。
木として、草として、或いは何か他のものとして。

毎年この時期に感じることです。