若さとは
週間キャプロアも29号まできた。今日が締め切りの原稿、テーマは「若さとは」。思い浮かばない時点でもう若くはない、と思い知らされる。私の20代。あまり覚えていない。いや、思い出したくないのかもしれない。数少ない写真はどれも目が笑っていない。
ワクワクしたことも、ときめいたことも、夢中になったこともある。けれど、鮮やかな色彩は全部上からグレーを塗ったようにくすんでいる。書いていて、やっぱり暗かったと思った。ぐらぐら揺れて自分を見失ってそれでも身体は元気だった。この世から消えたいと思っていたのにお腹は空いた。
きっと私が一番綺麗だったはずのころ。
この原稿仕上がるかしら。あの時の私に会いに行くのがこんなにもしんどいなんて思っても見なかった。遠い過去のはずなのに、あのとき置き去りにした感情は手を伸ばせばすぐに届くところに今もまだあったんだ。
今日は子供の学芸会。後ろでビデオカメラを構える父親に目をやる。
彼もきっと今頃どこかで父親になっているだろう。
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