特別定額給付金~年金口座も選択肢に欲しかった

私は、地元で高齢者や障害を持っている方の金銭管理の仕事をしていることから、6月になれば担当利用者さんの特別定額給付金の申請のお手伝いをすることになります。様々な状態の高齢者や障害を持った方を知っているだけに、申請の手続きの難しさがあると懸念しています。

地元では、今月末から郵送申請の郵便が順次発送されるということなので、これからですが、福祉関係者や行政の方も親族の支援が受けられなく、心身共に重度な高齢者の対応に苦慮するだろうなあと思います。

その困難さは、必要書類が極めて個人の重要なものを「コピー」しなければいけないこと。代理人に申請を任すことはできますがそれにも申請書に自著を求められていることがあげられます。

申請に必要な2つの書類のコピーのうち、身分証明書は介護保険サービスを利用している方や施設入所の方であればケアマネジャーが健康保険証等のコピーができます。口座を証明するコピーは、ケアマネジャーが本人の承諾を取ってコピーするのはよさそうですが、通帳を持ち出すことになるので原則、業務上おこなってはいけないこととなります。もしなくしたら、というリスクもありますから。

口座の証明に関しては、申請書にチェックを入れるだけで、コピーをつけなくてもいい方法があります。

以下の口座を選択する場合となります。
・水道料金引き落とし口座
・児童手当受給口座
・住民税等引き落とし口座

この中に、年金受給口座があれば高齢者・障害者の方はほぼカバーできるので、選択肢に入れてほしかったなと個人的に思います。そうすれば、親族でない周りの支援者が対応しやすくなるのではないかと想像できます。

10万円は、市区町村が給付するので、市区町村が把握できる住民の口座となると上記3つとなり、年金給付は市区町村ではないから…と理解はできますが、65歳以上の高齢者の介護保険料(市区町村が保険者)は年金から差し引かれるので、市区町村は年金の口座情報をもっているのではないか?と想像します。年金口座を選択肢にいれなかった或いは入れることができなかった理由を知りたい…。

もう一つの困難は、代理人に申請を任せる場合の申請書の本人の自著です。心身の状態により文字が書けない方もいらっしゃるので。でもこちらは、地域の福祉関係の方や成年後見人が代わりに行えば、行政も把握しているので、その辺は大目に見てくれるように思います。

私が想像するに、高齢者の場合受け取らないと選択する方や、高齢者のみの世帯だと、郵便物が放置され結局受け取らないという方がいるでしょう。また、長期入院で家が空き家、施設入所で住民票を移してないなど誰もいない家に郵便が届き、郵便物が本人行き届かないということもあり得ます。

私が生活支援員として活動している地域福祉権利擁護事業という地域の福祉制度の利用者は、自分でできなくても手伝ってくれる人がいるので安心です。契約により手続きに必要な通帳のコピー、身分証のコピーは生活支援員ができる事になっています。

接触を避けなければならない状況で、3か月以内という期限がある中では、10万円は、高齢者みんなには行き渡らないなと思います。不謹慎かもしれませんが、年金や蓄えで特に生活に支障のない方は、もらえなくてもいいのかなとも思います。なぜならみんながもらえるように、周りが支援するのは困難を極めますから。

福祉関係者の大変さを軽くするため、多くの人が給付金を受け取れるよう、せめて、年金口座の選択肢がほしかった・・・。






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