55歳からのひとり暮らし~巣ごもり期間2か月で取り組んだこと

今月55歳の誕生日を迎えるが、この年にして4月1日から人生初めてのひとり暮らしが始まった。子育て卒業とともに始まったひとり暮らし(夫は単身赴任中)。「さみしい」という気持ちには蓋をして、せっかくなので、緊急事態宣言のとほぼ同じ期間4/1~5/31の2か月の巣ごもり期間を利用して様々ことを取り組んでみた。

私はFPとして、「3つの健康」を言葉にしてる。「お金」と「身体」と「心」の3つの健康のバランスが大事と…

「お金」「身体」「心」の健康は私自身の生活でも意識している点。コロナに見舞われた特別な期間、それぞれテーマを掲げて暮らしてみた。まずは「お金」から。

1日千円生活を試してみた
お金の面でテーマに掲げたのは「1日千円生活」。家計の中の変動費で生活に一番大事な「食費と日用品費」を1日千円で生活するということ。なぜ千円かというと、私が地元でやっている高齢者や障害を持った方の金銭管理のお仕事と関係している。

最近は、自力での家計管理が難しくなってくる独居高齢者が多く、現在私は男性2人の支援を行っているが、2人とも1日千円生活をお願いしているのだ。そもそも年金が少なくてそうせざる負えない方と、年金水準は普通だが、年金が出たらすぐに使ってしまい必要な支払いが滞る方だ。

仕事上利用者さんに強いている関係上、私もその気持ちに寄り添うためにも実体験してみることにした。

外出自粛を徹底し、買い物に出かけるのは月2回くらいで、いつも利用している生協で食材や日用品を調達。食事作りは3食しっかり作るという目標を掲げて4月5日からは、3食写真を撮る徹底ぶり(笑)

さらにごみを出さない、一人ご飯の冷凍冷蔵の保存方法の工夫などどんどんやってみたいことが積み重っていく…どんだけ暇なんだと思うほど。

検証した結果、2か月間(61日)61,000円の予算、生協利用が約4万円でその他、外で各月2回ほどした買い物分を追加して予算内で過ごすことができた。以下は生協の5月の請求画面だ。ちょうど先月の分も掲載されていた。

生協5月分

ちなみに支払いはすべてキャッシュレスのため、集計も容易である。1日千円を1週間7千円でやりくりすることを念頭に、生協での食材&日用品の注文を毎週5~6千円に抑えることを意識したが、切り詰め感はなかった。

ひとり暮らしになって、食材の選び方の変化は自分の食べたいものを買える事。巣ごもり期間は、食べたいものを手作りする時間もたっぷりあった。例えば、ラーメン好きな私は、手作りチャーシューや手作りスープを楽しんだ。食事作りが今まで家族のためだったのが、自分のためになるという変化はなんと贅沢な!というのが率直な感想だ。一方で、それまで家族のためだから頑張れたのに、自分のために作るのは面倒という気持ちになることもある。父が亡くなった当初、母がこぼしていたことを思い出す。

光熱費はどれぐらい減ったか
ひとり暮らしになって検証したかったのは光熱費。二人暮らしからひとり暮らしに変わることによる減少割合を知りたかった。FPの仕事として長期のライフプランを立てる時に、家族が減ることによる数値も反映することになる。実際に検証できる機会に恵まれた。

検針票は前年の同月の数値が出ているので、検証はすぐできる。4月~5月にかけての検針結果と料金減少額、減少割合は以下の通り。

光熱費

結果、前年同月で比べて合計約8,100円減少した。割合では約3割減といったところか。去年の生活と今年の巣ごもりというシチュエーションが違うこともあるが3割減は妥当な線か。

生活状況としては、特に節約を意識せず普通の暮らし。3食ご飯を作り、掃除機は毎日かけ、お風呂も毎日湯舟にお湯をためて入る。食材に続いて水やエネルギーも独り占めする贅沢を味わった。

1日千円生活と光熱費の面で検証してみえてきたのは、私の場合、基本生活費は遺族年金だけで足りるということ。夫婦ともに50歳を過ぎれば年金定期便から年金額及び遺族年金の額はリアリティーのある数字が算出できる。一般的に女性の方が長生きであり、女性が高齢期に1人暮らしになるなる前提での人生設計は必須である。たまたまこの年齢で一人暮らしを迎えてその見通しが立てられた。まさしくお金の健康度アップだ。

家だけで完結する健康維持に挑戦
「身体」の面でテーマに掲げたのは、家だけで完結する健康の維持。コロナ前はバレーボールやビーチボールバレーで週2回ほど汗を流していたが全くできなくなった。

最初に数値的な結果を示してみる。便利なスマホアプリがあるので、体重や体脂肪、歩数、一日の運動量などが測定できる。

4/1の数値と5/31の数値を比べてみた。(恥ずかしいので体重、体脂肪の数値は公表しないがBMI値、除脂肪体重で想像してほしい(笑)
体重:マイナス0.2キロ
体脂肪:プラスマイナス0
BMI:0.1マイナス(5/31:21.2)
除脂肪体重:0.1マイナス(5/31:38)
2か月間平均歩数:5,604歩

実情を白状すると、4月は後半にかけて体重、体脂肪ともに増加。5月からはこれはまずいと軌道修正(食事と運動)を行った結果、4/1とほぼ変わらない数値になったという顛末。数値だけ見ると健康維持はできたのかな。

どのような過ごし方をしたかというと、巣ごもりを徹底していたので、外でのウオーキングはほとんどしなかった。1歩も外に出ない日でもカロリー消費として5,000歩はクリアしようと目標を立てた。歩数維持は家事をたくさんすることと、YouTubeの運動動画での室内運動がメイン。

筋力衰え防止は、体幹強化をテーマに、3月に「30日プランクチャレンジ」を試みた。

プランクチャレンジとは、以下のイラストのような姿勢保持を30秒からスタートして、毎日少しずつ時間を増やしていくというもの。「プランクチャレンジ」と検索すれば出てくる。

プランクイラスト

マインドは体育会系なので、キツイのも我慢!の精神はあったつもりだったが、残念ながらその耐性がないことに気が付く。3分のところで挫折した。(最終日は5分)

4月からはもう少しゆるいモノということで、NHKの「あさイチ」で紹介された、1日5分ゆるトレ「HIIT」(高強度インターバルトレーニングの略)を毎日お風呂に入る前のトレーニングとして習慣化。これは今も続いているし、「ゆるい」ので今後も続けようと思う。これも「ゆるトレ HIIT」で検索すると出てくる。

体幹というテーマでは、片足立ちというのも効果があるらしいので、毎晩の歯磨きの際に片足ずつ各1分行っている。

余談だが、毎日だいたい同じ時間にスマホタイマーを使っていると、スマホ自身が持ち主はこんな習慣があるんだと認識するみたいだ。siriさんが勝手にいつもの時間1時間ほど前から画面にタイマーを出しくるという(恐ろしい?)こともわかった。siriさんの仰せの通りタイマーを活用して片足立ちをしている自分がいて、未来の生活に思いを馳せる。

巣ごもりで不足すると思われる、日光に当たることは、ベランダに椅子を出して15分程度日光に当たることや、庭の草むしりに精を出すことで補った。

お金をかけずに、家の中である程度は健康維持できることが分かった。無理なく続けられるのはひとり暮らしだから。自分時間をコントロールできるのが大きいと思う。

ネガティブなことと寂しさを封印
最後に「心」の面でテーマに掲げたのは、ネガティブなことと寂しさを封印すること。

コロナの話題ばかりだったこの2か月。ネガティブなことは封印という試みとして、TVはほとんど見なかった。見たのは、再放送ドラマ、朝ドラ、大河ドラマ。バラエティはテレ朝の「あいつなにしてる?」のみ(この番組好きなんです)。あとは短いニュース。BSフジの「プライムニュース」は他のニュースの類とは一線を画した感じで気に入ってる(あくまでの個人的な感想です)ゲストによって見ている。意識したのは、スマホも含め、余計な情報は極力入れないこと。新聞(日経新聞)は毎朝興味のあるものをじっくり読んだ。

そして寂しさとの闘いとして、ひとり暮らしだからこそ、家族との時間を大切にした。我が家4人家族はみんな一人暮らし。毎年GWは家族がそろうが今年はそれが叶わなかった。

今は、別々なところに住んでいても4人でビデオ電話ができる便利な時代。家でいる時よりもいろんな話ができたように思う。今年はみんな社会人だから大人の話で盛り上がる。特に人間関係とお金に関する話題は盛り上がった。家族ひとりひとりみんな頑張っている。時代の進歩が私にとって大切で貴重な時間を作り、寂しさを克服してくれた。

家で一人でいるということへの精神面の影響として、やはり防犯面や万が一のこと(倒れたときのことなど)を考えるとでは不安になる。夫は心配して定時電話をかけてくるので、そこがよりどころとなっている。スマホアプリで位置情報が常にわかるものも入れている。一方で、1人だと24時間自分の時間。だらけることも自由。いろいろ取り組むのも自由。どう一日を過ごすかということをよく考えるようになった。

やっぱり時間って大事だから、1日したいこと、やるべきことを朝に書き出して過ごすことにした。こちらも時代の進歩でオンラインで仕事ができ、コロナで無くなった仕事も多かったが、コロナ後を無据えて勉強、情報収集、準備などに時間を使った。2か月過ごしてわかったことは、性分としてぼーっと過ごすことはかえってストレスになるということ、老後を元気に過ごすために無形資産が重要ということも実感した。ひとり暮らしでの心の健康の維持は、奥が深くこれからも追及していきたい。

今年は結婚してちょうど30年(たまたま6月8日が結婚記念日)。30年間家族を優先してきた生活が一転、「自分だけの生活」になった。思いがけず老後のシミュレーションができた。コロナで大好きな家で一人で過ごすという贅沢も味わった。さみしさを封印することができ、ひとりで暮らすことに少し自信がついた。この2か月は人生の中でも貴重な時間だったように思う。取り組んだことを3つのテーマに分けて記録として残してみた。


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