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ある夜の話

うちのばあちゃんは声が大きい。

若い頃に中耳炎で耳が遠くなったせいだと本人は言っている。


うちのばあちゃんは寝言をよく言う。

言葉こそはっきりとは聞き取れないけれど、声量は起きてるときと同じく大音量。


先日の夜、ばあちゃんはもう寝ている時間。

娘とふたりで2階の部屋でくつろいでいると、娘がトイレに立った。

トイレは1階のばあちゃんの部屋のすぐそばにある。

しばらくすると、娘が階段をものすごい勢いで駆け上がってきた。

「どうした?何かあった?」

娘に聞くと、息を切らしながら

「ばあちゃんが急に『ヤー!』って叫んだ!怖かった‼」

と震えあがっている。

ヤー!って。

〇かやま〇んに君じゃないんだから。

大笑いする私につられて、娘も「まだ心臓がバクバクする」と言いながら笑っていた。

それからしばらくの間、「〇かやま〇んに君」が娘と私のパワーワードになった。

ちなみに、いつもばあちゃんの部屋の近くの部屋で寝ている母親は、全然気づかずに朝を迎えたらしい。

こちらもなかなかのツワモノだと改めて思った。






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