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不登校経験者が答える相談会! ~親がすべきこと してはだめなこと~に行ってきました

思いを引き出すインタビュアー、鯨井啓子です。

大阪、岡山から戻ってからしばらく風邪気味で、近所をちょろちょろしかできてなかったのですが、久しぶりにちょっと遠出してきました、江戸川橋まで。(←遠出!?)

お出かけの目的は、不登校新聞のこども若者編集部が主催したイベント、不登校経験者が答える相談会!親がすべきこと してはだめなこと~に参加することでした。

不登校を経験したことのある人、今経験している人が登壇し、親御さんの立場からの質問に答えていくこのイベント。ずいぶん前から会場の前には結構な列ができていたし、活発な質疑応答がなされた充実の内容だったと感じました。

具体的な内容はきっと新聞に載るだろう!ということで、個人的な感想を。

私が不登校の頃は、とにかく学校に戻るというゴールしか設定されていなかったように思います。首都圏に住んでいたのでフリースクールの存在は知っていたけど、徒歩5分の学校にも行けてないのに、電車に乗ってどこかに出かけるとか想像すらつかなかった。だから、現実世界を工夫してより生きやすい環境を作っていこう!みたいな発想に出会うことすらなかったし、すでに存在している学校という枠組みに合わせて、どう我慢をしていくのか(それはおおむね、自分を思考停止に追い込むということとイコールでした。)いうことばかりを考えていたように思います。

その点において、「既存」の学校という枠組みにとらわれない様々な生き方を選択したり、そうでなくても日々模索しながら、少しでも「自分自身の今」を生きようとしている人の声や体験談は、とても有益だし、多くの人たちを安堵させ、勇気を与えるものだと思いました。

同時に、聞き手である私たちは、その体験はその人のものだということも忘れてはいけないのだとも感じました。人が変われば思いは変わります。当たり前だけど。同じような境遇にある人であっても、求めているものは身近な当事者と同じだったり、違ったりする。人が違うんだから、置かれてる環境が違うんだから、当たり前です。

今不登校という状態に陥っている人も、じっくり聞けば必ず何か話してくれるはずだし、そこで何も話してくれないくらいまわりが信頼を失ってるなら、じっくりその回復に努めないといけないだろうと思います、個人的な経験に照らしても。そこで、その人の口から出て来た思いや希望を、現実世界でいかにして叶えるのか。そういった視点に立ったときに初めて、経験者の事例は役立つのだと思うのです、尊い参考として。

うちには不登校のこどもはいないけど、身近にいたら聞きたいです、今どうしたい?って。そして、不登校だったころの私に聞きたいです、今どうしたい?って。この大学に行きたいとか、こんな大人になりたいとか、そんな大きな希望は出てこないと思うんです、身体も心もしんどいのに。私が不登校の頃のささやかな希望は、とにかく寝たい。音を遮断したい。晴れた日にピクニックに行きたい。肌をチクチクと痛める制服を着たくない。好きな本を読みたい。そんなもんだったと思います。そんな小さな希望なら、まわりの大人が力を合わせればきっと叶えてあげられる。大きな話はそれからです。

そして、どんなことも最後には自分たちで選択をしないといけないということも、忘れてはならないと思います。私自身は学歴という”浮き輪”に何度も救われてフリーランス生活ができています。その効果は学生時代の私が思っていたよりもはるかに大きいもので、一時期は学歴がキラキラすぎて実像が伴わない自分が嫌いになるほどでした。でも効果は絶大です。それがいい悪いは置いておいて、そんな世の中に私たちは生きている。だから、学校に行くにしても、行かないにしても、プラスに働く面とそうじゃない面がある。両方を見て、その人の最善を選んでいく必要があるということです。その意思決定をする覚悟、あるいは意思決定を応援する覚悟を、まわりにいる大人として私も出来ているだろうか?ということは、今回しみじみと考えさせられました。大人が主体的に生きてないと、他人の決定を尊重したり、応援したりすることもことも難しいからです。

いろいろと考える機会をくれたイベントに感謝です。関係者のみなさん、お疲れ様でした。

不登校当事者や親御さんが参加して、自分の体験をシェアしたり、その体験をもとに不登校新聞の紙面を作ったりする場所、こども若者編集会議は、毎月開催されています。自らが置かれている環境をよりよくしていくためのヒントがきっとたくさん見つかる場所です。興味のある方はぜひ参加してみてください!


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