見出し画像

【マーケティング基礎】マーケットを理解する

マーケットとは何か?

マーケット(市場)とは、「製品やサービスを購入しようとしている、または今後購入する見込みのある個人や組織の集合」のことです。

「見込みのある」がポイントです。個人や組織が、欲しがるどころか、選択肢としてあることすら認知していないとしても、その個人や組織はマーケットです。

例えばノートPCのマーケットを考えてみた時、すでにノートPCを購入したことがある、または購入しようと考えている人達のことを顕在市場といいます。一方で、今後購入する可能性がある人達のことを潜在市場といいます。これらを併せたものがマーケット(市場)になります。

マーケットの捉え方

ここでノートPCを例としたときのマーケットを考えてみます。

まず単純に考えると、ノートPCをすでに利用している人達は間違いなくターゲットになりますのでマーケットは以下のように捉えられます。

ノートPCのマーケット①

しかし、ノートPCを使っている人達だけがマーケットの全てでしょうか?
これらは顕在市場だと考えられるとしたら、潜在市場についても想像を巡らせる必要があります。

そう考えてみると、デスクトップPCを使っている人達もノートPCを購入してくれそうな気がします。なぜなら、製品としての機能が似通っているためです。そのように市場を捉え直した場合、以下のようなマーケットが考えられます。

ノートPCのマーケット②

これで全てでしょうか?

近年ではタブレットを利用する人達も急増していますので、モバイルできるPCという特徴から考えるとこのタブレットも機能としては似通っているとも言えそうです。

そのように市場を捉え直した場合、以下のようなマーケットが考えられます。

ノートPCのマーケット③

このように、マーケットとはどう捉えるかによって変わってきます。

顧客ニーズから捉え直してみる

少し視点を変えて、そもそもこれらの製品カテゴリが、顧客のどのようなニーズを満たしているのかを考えてみます。

それぞれの製品によって特徴が異なるはずなので、それぞれの特徴がフィットした顧客がそれらの市場にはいるはずです。おそらくこのようなかんじになるのではないでしょうか。

マーケットを顧客ニーズで捉え直した場合

このようにマーケットは顧客ニーズで捉え直して定義することが可能です。
顧客ニーズで捉え直すことによって、自社がどのような価値を提供すると、どのような顧客に選んでもらえそうか戦略的に狙いやすくなります。

例えば「2 in 1 PC」というノートPCにもタブレットにも変形できる1台2役の製品がありますが、これなどはまさにノートPCやタブレットの単独では満たせなかったニーズを叶える形で投入された製品の良い例だと思います。

2 in 1 PCがターゲットとする顧客ニーズ

このようにマーケットを拡張して捉え直したり、顧客ニーズに細分化させてターゲットを定めたりすることによって、自社がどう動くべきかを具体的に考えられるようになるのです。

マーケットサイズ(市場規模)

マーケット(市場)の規模感を表す言葉としてマーケットサイズ(市場規模)という表現がされます。
規模感とは、そのマーケットで商取引が行われる見込みの総額のことで販売金額や販売数量、顧客数などが単位として使われるケースが一般的です。

デジカメ市場 と スマホ市場 のマーケットサイズ比較(2018年)

上記はスマートフォンとデジカメのマーケットサイズ(市場規模)の比較です。このようにプロダクトによって市場規模は異なります。

スマートフォンとデジカメの市場規模推移

上記はスマートフォンとデジカメのマーケットサイズ(市場規模)の推移です。スマートフォンのように規模が拡大傾向の市場もあれば、デジカメのように縮小傾向の市場もあります。

ちなみにデジカメ市場が縮小傾向に転じたのは、スマートフォンの台頭による影響です。スマートフォン自体にデジカメの機能が搭載されていたために、あえてデジカメを買う理由がなくなったことにより、急速に市場が縮小していきました。

一方で、スマートフォンの市場に目を向けると、一見すると成長傾向にみえますが2015年以降は横ばいで推移しています。
スマートフォン市場が飽和状態になっていることを示しています。

競合

マーケットにおいて、自社の独占状態じゃない限りは競合が存在します。
つまり、(乱暴な表現ではありますが)マーケット内の顧客を競合と奪い合う構造という訳です。この時、マーケットサイズにおける各社の売上の割合をマーケットシェアと言います。

これらを踏まえると自社の売上は以下のような数式で表すことができます。

自社売上 = マーケットサイズ ✕ 自社シェア(%)

マーケットサイズが拡大する中で、自社シェアを維持できれば売上は拡大します。

逆に、マーケットサイズが縮小する状況下では、自社シェアを維持できたとしても売上は減少してしまいます。

マーケットサイズが一定の状況下で、自社シェアを伸ばすことができれば売上は拡大しますし、逆にシェアが奪われていけば売上は減少します。

このように事業活動を行う上で、マーケットやマーケットサイズ、競合を考慮しないわけにはいかないのです。こういった市場環境を分析していく行為を環境分析といいます。(いくつも手法があるため、代表的な手法や考え方についてはまた別の記事で紹介しようと思います。

まとめ

  • マーケットとは製品やサービスを購入しようとしている、または今後購入する見込みのある個人や組織の集合

  • マーケットは製品軸や顧客ニーズ軸などで捉え直すことによって、自社がどう動くべきかを具体的に考えられるようになる

  • プロダクトによってマーケットサイズは異なり、その規模は様々な要因によって変動する

  • 自社売上 = マーケットサイズ ✕ 自社シェア(%) 事業活動を行う上でマーケット(顧客)や市場規模、競合を考慮しないわけにはいかない

参考リンク

参考書籍


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?