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映画の墓場・真昼の決闘 #3

昔ミニコミ誌&インターネットマガジン「ゴア」でやってた「映画の墓場」「続・映画の墓場」「新・映画の墓場」の復刻&新規投稿を交互にしていきます。

今回も復刻版。初出(1998.2.24)

●霊界学校 麻子先生の首 (VIDEO)

1997年 東映ビデオ/製作 藤中秀記、角田俊久、江木俊夫(えっ?)、菊池進平/監督&脚本 高橋玄(座布団十枚!)/撮影 石倉隆二/出演 武田久美子(小暮麻子)、鶴見辰吾(奥野文也)、斎藤良(川杉渡)、国沢雅弘(平秀)、BOB藤原(羽衣良寛)、木下敦仁(トミー)、藤村忠生(ニッキー)、内藤陳(易者)、服部若葉(石田貴美子)、伊藤清美(渡の母)

 実はこの作品、見る前は、<武田久美子・主演>ということで、B級セクシー・ホラーかと思っていたのだが、とんでもない!、Z級の大バカ・ホラー・コメディだった!(笑)
 武田久美子扮する麻子センセは中学3年の担任である。クラスに一人、内気な少年の川杉クンがいて、夏休みを前に渡した通知表に、「たまには感情を爆発させてみるのもいいでしょう」と書いていたのだが、実は川杉クン、麻子先生をひそかに慕っていて、アドバイスを実行しようと、麻子センセを誰もいない理科教室に呼び出す。
 そこで感情を爆発させ、麻子先生をレイプしようとするのだが、その時、いろいろな薬品が混じりあって、なんと麻子センセの首から下が消えてなくなってしまう。
 おーまいがっ! セクシー・ダイナマイト・武田久美子のことだから、そのナイス・バディを惜しみなく披露してくれると思ってたのに(実際、はじまってすぐシャワー・シーンでビーチクを見せてくれたのだ!)、生首だけになって、その体が拝めなってしまうとは!(笑)
 と困ってしまうのは我々だけではない。一番困るのは当事者の麻子先生である。
 麻子センセは、川杉クンに頼んで、婚約者の自称・作家、奥野(鶴見辰吾)の元に連れていってもらう。奥野も困って、東大で<どこでもドア>(笑)の研究を続けている友人の助教授・平秀にアドバイスを乞う。
 平の説によると、どうやら麻子先生の体は亜空間に入り込んでしまったのだという。で、首から下を取り戻すためには、富士の樹海に行くしかないと言う。あ、なぜ富士の樹海かだが、何か理由を言っていたけど忘れてしまった(苦笑)
 ということで、3人は富士の樹海に向かうのだが、その途中いかした殺し屋コンビ、トミー&ニッキーが現れ、奥野に拳銃をつきつける。
 「君たちは何者だ!」と奥野。
 殺し屋が答える。「問題です。NHKのお笑い三人組は江戸家猫八、三遊亭小金馬とあと一人は誰でしょう?」

 答は一柳斎貞鳳だが、それは殺し屋の素性とはいっさい関係ない(笑)。実は奥野は金のために盗聴業をやっていて、殺し屋たちは、最近奥野が入手した政治家汚職事件の証拠を奪いに来たのだった。
 そこで川杉クンが機転を利かして、「証拠は富士の樹海に隠してある」と言ったので、トミーは奥野を組に連れて帰り、ニッキーは川杉クンを連れて富士の樹海へと向かう。麻子センセはスポーツバッグの中に入っていて、殺し屋たちは気付いていない。
 で、富士の樹海に着いた。すぐに探しに行くのかと思ったら、実はニッキーはホモで川杉クンを山荘に連れ込んでレイプしようとする。そこに、麻子センセの登場だ!
 「ひやぁああああ~!」と生首だけの麻子センセに仰天して気絶するニッキー。
 川杉クンの貞操はからくも守られた。
 で、麻子センセは奥野を助けに行こうとするのだが、川杉クンがそうはさせない。

 「あたしをレイプしようとしても無駄よ。だって体はないんだから」
 「だったら口でやれ」と人の変わった川杉クン。

 で、ここからが問題のシーンである(笑)。ここで川杉クンの性願望がシュールなイメージで描かれるのであるが、その描写がとんでもなく凄い!! 男と抱き合う母のイメージ。あ、これは普通。カップラーメンの中に埋もれた裸の麻子センセ……え、カップラーメン? スティックが太鼓をドンドドドンと打ち鳴らし、部屋の中をナルトがひらひらと飛んで舞う……なんじゃ、こりゃあ!(笑)
 まあ、フェラは未遂に終わり、麻子センセはいつのまにか身につけたテレポーションで奥野の元へ。奥野を監禁してる組長の羽衣、こいつもまた変わったやつだ。ヤクザなのにオカルト雑誌『ムー』の熱心な読者でもある(笑)。で、首だけ女の麻子センセが現れても、それを信じ、逆に「ふざけるな!」と言い出す部下を、こんなセリフで一喝する。

 「亜空間をバカにするな! これからのヤクザは宇宙人相手にでもきっちりシノギできなきゃ生き残れねえ! もっと科学的にならねえか!」

 あのねえ……(笑)。
 ということで、羽衣一家の連中の協力で、再び富士の樹海へと向かう麻子センセ。はたして、無事ナイス・バディを取り戻すことが出来るのでしょうか……

 久々の満塁‘バカ’ホームランという作品です(笑)


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