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映画の墓場・真昼の決闘 #1

昔ミニコミ誌&インターネットマガジン「ゴア」でやってた「映画の墓場」「続・映画の墓場」「新・映画の墓場」の復刻&新規投稿を交互にしていきます。

まずは復刻版。初出(2000.03.08)

●DEAD A GO! GO! (VIDEO)

1999年 JVD/製作 常包英行、平尾忠信、竹田静也/監督&企画&脚本 山内大輔/撮影 佐藤敦/音楽 金子文郎/出演 稲積衣里、片樹成穂、掘伊正人、岩手太郎、加藤重樹、相沢知美、齋木享子、藤田奈美、下迫幸恵、サーモン鮭山

 年々増加する“自殺”をテーマに、インタビューと再現ドラマ、ミニ・コーナーで構成された教養エンターティンメント!
 ……を見せ掛けた、エロ・グロ・ナンセンスなカルト作である(笑)
 どっかの部屋。まず、司会者が現れ、厚生省調べの資料などを交え、“自殺”について語りだす。
 続いて、ゲストを招いてのインタビューがはじまるわけだが、その呼ばれたゲストというのが、自殺した本人! しかも、自殺直後の血まみれの姿で現れる!(爆)

 最初の自殺者は、中小企業経営の恩田正一さん(享年51歳)。
 恩田さんは、会社の倒産で多額の借金を抱え、保険金めあてに自殺を考えた。

 司会者「どうして首吊りをなさろうと思ったのですか?」
 恩田さん「友人がそれで自殺しまして、即死でいいなと思ったんです」(笑)

 恩田さんは、首を吊ろうと、思い出深い工場にやってきた。と、そこに恩田さんの17歳になるお嬢さんの和恵さんと、元・社員の、パン大好きの白痴のマーくんが現れて、恩田さんが見ているとも気付かずに、ファックしだす。心優しい和恵さんは、バックからズコズコやられながらも、ピストン運動しながら「ウ~ウ~」奇声をあげる白痴のマーくんに、「頭がちょっと弱くたっていいのよ。男はアソコ」と、マーくんの巨根を誉めるという気遣いを忘れない。恩田さんは、呆然とするあまり、無意識にズボンをずりおろし、愛娘の淫らな姿を見ながらせっせとオナニーをはじめる(笑)。
 が、それを和恵さんに気付かれてしまった。
 「きたねえ! 自分の娘見てやってんじゃねえよ!」
 和恵さんは、天井に吊るされた自殺用の首輪を発見すると、恩田さんのためを思ってか(?)、「自殺するんならあたいらも手伝ってやるよー」と、マーくんと一緒に、恩田さんの首をロープでぎゅうぎゅう絞めはじめる。恩田さんは娘の思いに感激されてか、舌を突き出し、クソ垂らし、最後は眼球まで飛び出して、めでたく自殺を成就された(他殺のような気もするが、まあ、恩田さんの気持ちを尊重してあげましょう(笑))

 司会者「警察は自殺と判断し、保険金もおり、マーくんと結婚したお嬢さんは、恩田さんに感謝しています」
 恩田さん「そうですか。良かった」(笑)

 と、最初のインタビューが終わったところで、ミニ・コーナー。
 「よくわかる自殺講座」。
 首を吊った場合はロープが垂直に食い込み、血液が脳に供給されず、気を失って楽なのだが、恩田さんのように首を絞められた場合は、意識があるまま窒息するので、かなり苦しいということである。う~ん、勉強になりますね(笑)。

 続いての自殺者はOLの安永万里子さん(享年28歳)。パンティ一枚のセミ・ヌード姿でのご登場(笑)。万里子さんは、アナル大好きな上司・丸山さんと“ありがちな”(万里子さん談)不倫の関係を続けていたが、その丸山さんから別れ話を持ち出され、絶望のあまり、カミソリで自殺されたということだ。

 3人目の自殺者、坂上良介さん(享年26歳)は、なぜか、木箱に入ってのご登場。
 ノイローゼの末、JRの快速電車に飛び込み自殺されたのが、回収不可能でご遺体の一部のみのご出演(笑)。
 が、司会者が質問しようとしたところ、木箱はガタガタ揺れ、中から血は拭き出すで、インタビューは不可能となってしまう。

 そして、最後のご登場は、帰国子女の女子高生・相川美樹さん(享年17歳)。
 美樹さんは、もともと自傷の趣味はあったのだが、同級生の不良グループに、ネギで処女膜を破られて自殺を決意。手首を切ったら血が面白いように吹き出して、流れがとまりそうになると、手首を強く押して、また吹き出させと楽しそうである(笑)。
 が、ここで驚くべき事実が発覚!
 実は、美樹さんは途中で怖くなって、救急車を呼び出してしまった。つまり、美樹さんは死んでいなかったのである!

 司会者「何ですって! ここは生きている人間が来てはいけない場所なのに!」

 司会者は、他の血まみれ自殺者とともに、嘘をついた美樹さんににじり寄る。はたして、美樹さんの運命は……(爆)

 ――と、まあ、カルチャー・ドキュメンタリーの体裁を装った、エロあり、グロあり、ゲロあり、グチョグチョあり、ベロ~ンあり、ウ~ウ~ありの、バッド・テイスト満載なグェテモノ映画!!!(笑)
 が、構成はラストのオチまで計算されてるし、何より確信犯のようだし(笑)、
 またラストのアクション場面は、それまでの演出とうってかわって、「スケバン・マフィア」みたいになかなか切れ味鋭いし、この作品の監督・山内大輔さんって、今後要注目な監督さんではないでしょうか。
 予告についてた「少女地獄1999」ってのも、全身包帯巻きの少女が集団レイプされたりとか、丸尾末広チックで、こちらも期待大です!!

……これを書いた時は長崎にいました。その後、上京して、アニメ脚本を書き始めるんですが、山内大輔監督の日大時代の同級生4人とお仕事することになるなんて!!!

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