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マスタデータ管理(MDM)の未来予測: 2023 年から 2025 年のトレンド

マスタデータ管理は、あらゆる組織の運営に欠かせないものであり、変化するビジネスニーズに対応するため、常に進化を続けています。筆者は現在、データインテグレーションの領域で経験しているマスタデータ管理のトレンドと、近い将来さらに発展することが予想されるマスタデータ管理のトレンドについて、先取りしてご紹介したいと思います。

2023年~2025年のマスタデータ管理の5大トレンド


マスタデータ管理のトレンドには、SaaSベースのソリューションの利用拡大、人工知能と機械学習の統合、データガバナンスとコンプライアンスの重視、デジタル変革(DX)の活動基盤としてのマスターデータ管理の利用が含まれます。さらに、リアルタイムのデータ処理と大量のデータを処理する能力が重視されるようになってきていることも強く実感しています。その他の傾向としては、マスタデータ管理と顧客関係管理(CRM)や基幹システム(ERP)など他の企業システムとの統合、マスタデータからインサイトを得るためのデータ分析の活用などがあります。

トレンド1:SaaS型ソリューション
マスタデータ管理における最大のトレンドの1つは、オンプレミスからクラウドベースのSaaSソリューションへの移行です。これらのソリューションは、拡張性、柔軟性、費用対効果に加え、インターネット接続があればどこからでもデータにアクセスすることが可能です。筆者もSaaS型ソリューションの提案・インプリメンテーションに注力しています。

トレンド2:人工知能と機械学習の拡張
マスタデータ管理におけるもう一つのトレンドは、AIと機械学習技術の統合です。これらの技術は、データ品質の向上、データガバナンスプロセスの自動化、リアルタイムのデータ分析の実現に役立ちます。最近、「拡張マスタデータ管理」(Augmented Master Data Management)の概念も耳にする機会が増えています。拡張マスタデータ管理をシンプルにいうと、データ管理機能を強化するための拡張インテリジェンスの応用です。具体的に、ML および AI 技術をマスタデータの管理に適用することで、マスタデータの品質を改良して、事業運営を最適化してより効率的に運営することと、事業を変革して成長を促進するという 2 つの重要な目的を達成することを目指しています。

トレンド3:データガバナンスの自動化
データ品質の向上とデータアクセスの制御を目指す組織において、データガバナンスプロセスの自動化の重要性が高まっています。

トレンド4:データファブリック
データファブリックは、異なるソース、アプリケーション、システムからのデータをOpen APIで接続し、組織全体で統一されたデータのビューを作成するデータ管理への新しいアプローチです。

トレンド5:データ・プライバシーとセキュリティ
EU一般データ保護規則 (GDPR) や日本の個人情報保護法などの個人情報保護に関する規制や法律が年々厳しくなっています。データのプライバシーとセキュリティの重要性が増すにつれ、多くの組織はデータを侵害やハッキングなどの脅威から守る方法を模索していると実感しています。このため、マスタデータ管理システムにおいて、データの暗号化、トークン化、その他のセキュリティ対策の採用が急速に進んでいます。


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