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仏像の背中に隠れて

一番人のいないところは、一番人の集まるところで視線がないところだと思う。
もちろん物理的に人はいるのだが、悪意のない無視をされることで孤独を得ることができる。

石造りの台座に鎮座する仏像の背中側。
台座は段構造になっており腰掛けることができた。
そこで人の気配は自分の背中側に仏像を挟んで感じるものの、視線は受けない。
そこが一番静かだと感じた。

しんと静まり返っている森なんかに行くとかえって自分が浮かびあがってくる。それに辺りがピンと張り詰めて静かだから少しでも音があると過敏に自分が反応してしまう。

人の群れに含まれつつ、視線を浴びない。

それが一番、人がいないと感じる。

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