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最初の殻を破れば、あとは幸せ

友達と飲み屋さんに行く。
カウンターにデンモクが置いてあり、カラオケもできるようだ。

せっかくなので一曲歌いたい気もするが、心臓がドキドキする。

「歌いたいんやろ」

友達に言われる。
いやいや、別にいいよ。と言っていると、

「歌わな帰らんで」

と背中を押してくれる。

恐る恐る、やしきたかじんの『やっぱ好きやへん』を歌ってみる。
さすがは大阪。ノリの他のグループのおじさまが褒めてくれて

「次『東京』歌ってや」
とリクエストをいただく事態に。

「あなた、10年後には歌手になってるよ」
と冗談まじりに褒められて気を良くする。

「ストリートから始めるので聴きにきてください」とこちらも冗談で返す。

歌って良かった。帰らなくてよかった。

ワクワクすることって、ドキドキするので怖くも感じるな。でも、最初の殻さえ破ればそのあとはなんだって楽しめる。

そんなことを学んだ大阪の夜だった。

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