シェア
目が覚めると首筋にピッキーン。 痛みが駆け抜けた。 確かに昨日首がちょっと痛かった気がす…
「わざわざ言うから良いんじゃん」 グラスの氷をカラカラと楽器のように鳴らしながら女が言っ…
ラベルに書いてある指定の温め時間を確認する。 コンビニのレジ裏のレンジは1500wで自宅より早…
新幹線の駅に降り立つ。終電が迫っている時間ではないが、概ね店舗は閉まっている。 あとはど…
ずっと自分の場所じゃないところにいる気がしている。 電子音が鳴る。 また客が自動発券機で注…
台風が来るのをじっと待っている。 「時間切れになるのをじっと待っている」 それは今に始まっ…
「明日よろしくお願いします!楽しみにしてます!」 スーツ姿の男性のアイコンから予定のリマインドのメールが来ている。アプリにはイニシャルでYと登録しているその男性の名前は何だっけ。 メッセージを上までスクロールして、「ゆうすけといいます!良かったら仲良くしてください」というテンプレートのメッセージで、その人がゆうすけさんだと分かる。 「こちらこそよろしくお願いします!」 最初はドキドキしていたけれど、最近はもう会う男性の区別がつかない。ドタキャンでもされて明日は一日中家にいられ
5万円のスニーカーを買った。 「5万あれば、化粧品めっちゃ買えるじゃん」と紗希に言われたけ…
「何、あなたそんなことも知らないの」 今日は年配の女性からエクセルの使い方で指摘を受けた…
「タクシーってお金かかるんじゃないの?」 と不安げに母さんに聞くと、「うるさい、しっ」と…
きっと馬鹿だと思われている。 褒めれば私の動きが矯正されるとでも思っているのかもしれない…
いつもなら部活がない日はサッカーのこと忘れて、自転車で買い物に出かけたり、音楽を聴いて過…
「自分の家だと思ってくつろいでくれていいぞ」 松岡は速水部長の言葉を聞くなり、部屋の奥に…
「あるじゃん?お店についたら、お腹空くかもしれないなーっていう。そういうノリだったわけ」 恋人として僕を選んだことをそう振り返る、吉野さんの声のトーンは別れ話に相応しくない朗らかさだった。 「でも結局お腹空かなかったままだった」 例え話しのまま、僕とこれ以上付き合えないことを告げる。 この半年、けっこうお互いの時間を共有したけれど、吉野さんの胃袋を刺激する何かを僕は自分の中から発することは出来なかったみたいだ。 吉野さんは、25才で大学時代から付き合った彼氏と別れて、そこ